ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

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日々、少しずつでもいいので、良くなればいいですよね。
そのためにできることを、毎日探しています。
明日から新年度。
気持ちを新たに、歩いていきたいと思います。
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category: 雑記:日々のこと

thread: 日々のつれづれ - janre: 日記

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戦国大名と読書  

戦国大名と読書
小和田 哲男



戦国時代初期の永生3年。
若狭の戦国大名・武田氏の家臣である粟屋親栄(あわやちかひで)は、
かつて源氏物語の講釈を受けていた三条西実隆に、
出陣先から、源氏物語の「帚木」巻の註を書写し、送るよう依頼した。

地方の一武将であっても、源氏物語を読み、
しかも戦地であってもなお学ぼうとしていた。

親栄は、翌年に討死している。

彼らにとって、読書はどれほど身近なものだったのか、
僕は何も知らなかった。

例えば、江戸時代の寺子屋などをみても、
日本人の読書(勉強)好き、勤勉さというものは、歴史的にも長く、かなり独自性あふれるもの。
これほど庶民が読書をする国はない、と以前何かで見た記憶もある。

また、前野良沢先生(この方はどうしても「先生」とつけたくなる)や、
杉田玄白らによって開かれた江戸時代の蘭学。
それを受け継ぎ、学ぶ人々の努力は様々な書籍で知ることができる。

だが、戦国大名はどうだったのか。
何となく皇室・公家は文化、戦国大名らは武道と、
すっぱり決めつけていたが、実はそうではない。

本書では、戦国大名はもとより、様々な武将が、
何を、どのように読み、学んでいたかを紹介する。
言われてみると、これまであまり注目されなかった側面を明らかにする本である。

登場するのは、徳川家康など有名な武将から、地方の武将まで様々。
時代的には戦国時代~おおむね江戸時代初期までである。

様々な武将の教育係を務めた禅僧、
また禅寺で読まれていた書籍など、通常の歴史書では触れられない内容が多く、
歴史好きにはとても楽しめると思う。


【目次】
1 教育者としての禅僧の役割
2 どのような書物を読んでいたか
3 実践に応用された「武経七書」
4 戦国武将にとっての占筮術
5 幅広く読まれていた中国の典籍
6 『平家物語』と『太平記』
7 武将たちはなぜ王朝古典文学を読んだのか
8 漢詩・和歌と戦国武将
9 徳川家康の愛読書と印刷出版事業

【メモ】
p14
武将子弟の寺入りの場合、禅宗が選ばれることが多かった。
「禅儒一致」禅宗と儒教は根っこで繋がっているという意味。
禅宗で教える儒学が、戦国武将の政治理念とされていった。

p025
今川義元と徳川家康の教育係
=「太原崇孚(たいげんそうふ)または雪斎(せっさい)」、同じ人物

p44
「甲陽軍艦」によると、山本勘助は
宮(きゅう)・商(しょう)・角(かく)・徴(ち)・羽(う)という「五音」の占い(五行思想に基づく)を行った。
また「ゑぎ・さご・すだ、来りやう、行やう」を見たという。
「ゑぎ」はカラス、「さご」はトビ、「すだ」はハト。
合戦時にこれらの飛び方で占っていた。
この三種の鳥は「軍鳥」などとも呼ばれた。

p56
「実語教」「童子教」は漢文だが難しくないため、初等教育でよく用いられた。

「実語教」
 山高きがゆえに貴からず、木有るをもって貴しとす。 など。

「童子教」
 口は是れ禍の門 舌は是れ禍の根 など。

p66
「四書」大学、中庸、論語、孟子
「五経」易経、書経、詩経、礼記、春秋
 は必読書

p73
「武経七書」孫子、呉子、尉繚子(うつりょうし)、六韜、三略、司馬法、李衛公問対
よく読まれていた。

p119
足利学校
 上杉憲実が鎌倉円覚寺の僧快元を迎え、学則を定め、学校として整備した。
 戦国時代には3000人の生徒がいた。
 全て禅僧だが、一般人が入学したいときには剃髪し、卒業すれば還俗して構わなかった。

p186
若狭の戦国大名武田氏の家臣 粟屋親栄(あわやちかひで)
 三条西実隆(公家)から、何日も源氏物語の講釈を受けている。
 また、出陣先から源氏物語の「帚木」巻の註を書写してくれるよう依頼したりしている。
 三条西実隆も「陣中不相応之儀歟」と驚いている(「再昌草」永正三年閏十一月六日条)。
 なお、親栄は、翌永正四年六月二十七日、一色義有軍と戦って討死している。

p220
関ヶ原の合戦時、家康が陣取った「桃配山」は、
かつて壬申の乱の時、大海人皇子がここで将兵に桃を配り、大友皇子を打ち破った場所。
この故事を知っていたから、ここに陣取るパフォーマンスができた。

p228
家康は、長い戦乱で書籍が散逸していたことから、買い集めたり、書写したりして保存に努めた。
天皇家や公家、寺院が持つ貴重書の謄写も行った。
その時、三部書写し、禁裏、江戸城、駿府城の駿河文庫に1部ずつ保存し、万一の際に備えた。

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category: 歴史

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ミクロの森: 1㎡の原生林が語る生命・進化・地球  

ミクロの森: 1㎡の原生林が語る生命・進化・地球
デヴィッド・ジョージ・ハスケル


野鳥観察では、よく「マイ・フィールドを持ちましょう」と説明する。
珍しい野鳥がいなくてもいいので、とにかく1年を通して観察できる場所。マイ・フィールド。
そこへ通いつづければ、1日のうちの野鳥の動き、1年を通した動き、
夏鳥・冬鳥・留鳥の入れ替わりなどが見えてくる。
そうして得た感覚は、どんなフィールドへ行っても応用がきくものだ。

例えばスズメ1羽であって、
単独なのか、群れなのか。1日のうちで個体数は変わるか。
鳴き声は、餌は何か。飛翔方向はどちらから、どこへ行くか。

またスズメという種としても、どうして茶褐色なのか。
なぜ(少なくともヒトの眼には)雌雄同色なのか。
なぜあの嘴の形状なのか。どうしてツバメのように翼がとがっていないのか。
そして、そもそもなぜスズメがそこにいるのか。

こうしたことを追求していくと、生態学、生物地理学、そして鳥類以外の
動植物まで考えなければならない。

全ての生き物は繋がっていて、そこに在る理由がある。

それを知れば、「たかがスズメ」という意識は薄れ、
スズメを同じ一つの命として感じることができる。
それこそが、保護の第一歩だと思う。

さて、筆者はマイ・フィールドをテネシー州の山中の原生林に求め、
半径が約1㎡の範囲に設定。その範囲を「曼荼羅」と名付けた。

曼荼羅での丁寧な生き物(時には無生物)の観察から、
様々な知識・経験を踏まえて、
思索は命のつながりや歴史の流れへと展開する。

劇的なドラマがあるわけではない。
しかし、生き物ずきのフィールドワーカーなら、
誰もが感じたことがあるだろうフィールドでの喜び、驚き、
全てが繋がっているという感覚を、本書は体験させてくれる。

1月1日から12月31日まで、43章の物語が収録されている。
1日の記録である各章は4~6ページ程度で、長くはない。

ただ、そこに集約された内容の密度は、濃い。
簡単に読み進めることはできないし、また、そうした読み方をするものでもないだろう。

1日に数章読んでも良いし、
また、1年の同じ日に、同じ章を読むのも良い。

いずれにしても、じっくり読むことをお勧めする。

「庭園、都会の木々、空、野原、郊外に棲むスズメの群れ-すべてが曼荼羅なのだ。」p307

本書はリード環境図書賞、全米アウトドア図書賞、2013年ピュリッツァー賞「一般ノンフィクション」部門最終候補作。

【メモ】
p131
「命という織物に対する木の貢献の少なくとも半分は木が死んでからのものだから、森の生態系の健全性を測る一つの物差しは、木の残骸の多さということになる。」

p174
「森の生命の多くの部分は、厳密に観察したとしても、私たちの目には見えない」

p224
ヒメコンドルの血液には多数の白血球があり、極めて高い消化能力がある。
炭疽菌とコレラウイルスは、コンドルの消化管を通過すると死ぬ。
その土地から病原菌を駆除する能力では、コンドルの右に出るものはいない。

p259
二色覚をもつヒトが生まれる頻度は全男性の2~8%(遺伝的変化が生じるのは男性染色体)。
これは、二色覚が進化における不適応であった場合に予測される出現率よりもはるかに多い。
状況によっては、進化が味方していることを示唆している。
また、南米大陸のサルにも、同じ種の中に二色覚と三色覚の個体がいて、一緒に生活しているものがある。この場合、二色覚は全個体の半分以上に及ぶ。
薄暗い部分では三色覚よりも二色覚の方がより適応している。
逆に、明るい場所で赤い実を見つけるには三色覚が適応している。
森は様々な光の状態があるので、こうした二色覚と三色覚が併存しているのかもしれない(どんな光の状態でもいずれかのグループが餌を見つける)。

p284
ほとんど全ての植物が菌根菌を根かそのまわりに持っている。
ほとんどの場合、地中で栄養分を吸収するのは菌糸で、根はそのネットワークとの連結部。

p307
「庭園、都会の木々、空、野原、郊外に棲むスズメの群れ-すべてが曼荼羅なのだ。」

「期待は持たずに出かけること。/五感を積極的に開放しておくことだけを望むことだ。」
「瞑想のやり方を真似て、繰り返し繰り返し、意識を今この瞬間に向けること。」
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category: 環境

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御茶請け 東京ばな奈の「しっとりクーヘン」  

「100種類のバウムクーヘンを食べる」計画進行中。

今回は、 東京ばな奈の「しっとりクーヘン」を食べました。8種類目です。
バナナの風味豊かな、ポップなバウムクーヘンでした。
よろしければ、ご覧下さい。

「100種類のバウムクーヘンを食べよう!」
#008 2014年3月22日 東京ばな奈の「しっとりクーヘン」

それにしても、花粉症と風邪のせいか、頭重感が半端でないです。年度末・年度初めを乗り切れるのか。
皆様も季節の変わり目ですので、ご自愛ください。
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category: 雑記:日々のこと

thread: スイーツ - janre: グルメ

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西洋の書物工房 ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで  

西洋の書物工房 ロゼッタ・ストーンからモロッコ革の本まで (朝日選書)
貴田 庄



実家が新刊本屋、そして後に古本屋となったため、自分の興味を問わず、様々な本を手にする機会に恵まれた。
新刊の香り。古本の独特のにおい。ずっしりと重いハードカバー、活字印刷の文字凹みの手触り、岩波文庫のパラフィン紙の手触りなど。
「本」には、文字や写真等による情報だけでなく、そのモノとしての佇まいにも価値がある。

その点、最近の電子書籍には、ちょっと違和感がある。
僕にとっては、本の手触りも読書のうちなのだ。
本棚には1996年に再版された堀辰雄全集(筑摩書房版)があるが、いつかこの全集で堀辰雄を改めて読むのが、今のところ、僕の未来の楽しみの一つである。その前に目が衰えて読めなくなりそうだが。

さて、現在日本で流通している「本」というかたちは、西洋で確立された。
そのため、手元にある「本」の製本技術の高さや製本の美しさを歴史的に追求しようとすれば、ヨーロッパの本に行き着く。イメージされるのは、革装本である。

しかし実際に、西洋の本は、どのような歴史を経て現在のかたちになったのか。
そもそも、なぜ表紙があるのか。なぜ「花切れ」があるのか。
革装本の「革」とはどのような種類があるのか。
そういった、様々なモノとしての本に対する疑問を、極めて丁寧に辿ったのが本書である。
ここに蓄積された「本」というモノに対する知見は、極めて深い。

安い値段で購入できる文庫本は、もちろん良い。しかし、持っているだけで喜びとなる本も、確かにある。
本書を読めば、現在流通している本が、モノとしてどこまで丁寧にデザインされたものかを見る力も養われるだろう。

類書は見かけたこともなく、非常に貴重な本である。

さて、本書に触発されて、自分の持っている本を改めて、「モノ」として見てみた。
定価ベースで最も高い本が「図説 日本鳥名由来辞典」だった。本体価格約25,000円である。

本書は、日本の諸文献における鳥名の使用例を整理した労作。
鳥名の由来に関する本は他にもあるが、色々自説が入っていて、正直客観性に不安がある。
その点、出典を丁寧に引用している本書は、資料価値はダントツである。
その分お値段もダントツで、はっきり言って個人で持つ本ではない。
僕が購入しているのは独身時代の若気の至りである。

ところが正直なところ、その装丁・造本に「モノ」としての付加価値は、さほど無かった。
考えてみれば、こうした本は内容の価値が極めて高い一方、部数が期待できないため、付加価値をカットすることで、価格を抑える意味もあるだろう。観点が違うのである。


そこで、「モノ」として美しい本を探したところ、
やはりここに行き着いた。堀辰雄である。
堀辰雄は、自らが装丁に深く関わることが多く、その造本には彼の美意識が込められている。

例えば、野田書房版「風立ちぬ」。限定500部で刊行された。
野田書房(野田誠三)は、美しい本を造ることを使命として、
昭和9年に堀辰雄の「美しい村」限定版500部から活動開始。
昭和13年堀辰雄の「風立ちぬ」限定版500部を刊行した後、野田誠三が自殺し、実質的な活動を停止する。
野田は生前、
「野田書房の本が高いのでなく,外の本が安すぎるのです。 即ち外の本が,餘りに粗雜すぎるのです。
」と語っており、その製本に対する意識の高さが伺える。

その野田書房版「風立ちぬ」(昭和13年)の復刻版が手元にある。
風立ちぬ2
厚紙の函から取り出すと、パラフィン紙でくるまれた本が出てくる。
めくってみると、白い清楚な装丁に、不思議な模様。背の文字は、白地に金文字である。
風立ちぬ3
この模様がマーブル模様を模したものだと、本書で初めて分かった。
この佇まい、実は「西洋の書物工房」に記載された、ヨーロッパの造本そっくりなのだ。
もちろん本物のマーブル紙ではないが、フランスの伝統的装丁をふまえていたことは明らかである。
本文も極めてゆとりのあるレイアウト。
風立ちぬ1

またこちらは人文書院版「美しい村」。昭和31年版である。
銀色の箱に、題箋が貼られている。夫婦箱という形式で、単なる箱ではない。
美しい村1
本体の表紙はヤケてしまっているが、楚々とした雰囲気。
美しい村2
本文はこちらもゆったりしたレイアウト。
美しい村3
写真は堀辰雄好きならお馴染みの、木の十字架教会である。
このように、舞台となった追分の写真(撮影:入江泰吉)が合間にあり、小説世界を高めている。
その内容に敬意が払われ、丁寧に造られた本を持つことは、やはり本好きにとって喜びである。

【目次】
第一章 書物の考古学
 一 CDとロゼッタ・ストーン
 二 パピルスから羊皮紙へ
 三 紙の登場
 四 『四十二行聖書』
 五 ウィリアム・モリスの試み
第二章 西洋の紙「羊皮紙」
 一 羊皮紙の誕生
 二 蝋板から冊子本へ
 三 羊皮紙作り
 四 羊皮紙とヴェラム
第三章 本の誕生と製本術
 一 コデックスの誕生
 二 製本術の変遷
 三 画家の描いた書物
第四章 ケルムスコット・プレス
 一 理想の書物
 二 ケルムスコット・プレスの製本装丁
 三 羊皮紙とヴェラムの製本術
 四 中世の花切れとケルムスコット・プレスの花切れ
 五 ケルムスコット・プレスと日本の書物
第五章 モロッコ革を求めて
 一 『パンタグリュエル物語』のモロッコ革
 二 フランスの山羊革
 三 イギリスのモロッコ革
 四 さまざまなモロッコ革
 五 フレンチ・モロッコ革
第六章 フランスの革装本
 一 仮綴本の誕生
 二 愛書家ジャン・グロリエ
 三 謎の製本家ル・ガスコン
 四 革装本の製本工房
 五 ロマン主義の革装本
 六 ブラデル式製本とマリユス?ミシェル

第七章 天金と小口装飾
一 天金とテンペラ画
二 金箔打ち
三 天金術
四 天金の歴史

第八章 花切れ
一 花切れとヘッドバンド
二 花切れの誕生と変遷
三 手編み花切れ

第九章 マーブル紙と見返し
一 マーブル紙の誕生
二 半革装本とマーブル模様
三 見返し考

【メモ】
p13
溜漉:製紙当初から続く方法、漉いた紙の上に布をおき、その上にまた漉き、プレスして仕上げる
流漉:和紙の作成方法、漉き終わった紙を次々に重ねることができる

p42
蝋版:板に凹みを作り、蝋を流しいれたもの、複数が綴じられることもあった
codex=古代ローマ時代は綴じた蝋版を指す、のちに羊皮紙やヴェラムからなる冊子本、転じて古写本や古文書

p53
西洋では紙の前に羊皮紙やヴェラムが用いられ、ペンで書かれた。
厚くて丈夫で高価なため、両面に文書が書かれることが多かった。

東洋(中国・日本など)では薄い紙に毛筆で書いたため、片面使用が多く、
折帖も袋綴じとなった。

p59
背の種類:
・フレキシブル・バック(柔軟背) 背と本文が密着、背が縦割れしやすい
・タイト・バック(硬背) 背と本文が密着するが背は反らない、ノドまで見にくい
・ホロー・バック(腔背) 背と本文が密着せず空間がある

p123
ヨーロッパ:
印刷・製本・出版が混在したため、出版業者と印刷業者の間で争いが続き、
1686.9.7、ルイ14世が
「パリ市では出版と印刷の二業者と製本業者は、お互いの職分を超えてはならない」と勅命を出した。
そのため、出版業者は仮綴本で刊行し、製本業者で自分の好む装丁にする歴史になった。

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category: 読書

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ツバメの渡来(2014年)  

ツバメが渡来しました。

香川県内では、ちらほらツバメの渡来情報を聞いていましたが、
本日僕も、滝宮駅近くで出会いました。
もう日が暮れかかった午後6時過ぎですが、
シャープなシルエット、風を切る飛行は、久しぶりに見るツバメのもの。
ツバメが来ると、もう冬が終わった、と感じますね。

我が家近くに来るのは、例年滝宮駅より1週間後くらいなので、楽しみに待ちたいと思います。
うちで巣作りしてくれればいいんですが、残念ながらまだその機会はありません。
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category: 雑記:日々のこと

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モンシロチョウ(2014年3月19日)  

モンシロチョウ

一昨日の3月19日、今春初めてモンシロチョウを見ました。
近所の池では、もうカモ類は全て旅立っています。オオバンが3羽だけ残るのみ。

我が家の庭では、時折、ツグミが採餌しています。春の渡りを前に、栄養をつけています。
香川県では、5月のゴールデンウィーク明けには、ツグミはいなくなりますので、
あと1ヶ月程度のお付き合い。冬鳥が去る時期が近づいています。

一方で、県内ではツバメを見たという情報もあります。
我が家の近くではまだですが、春一番も吹いたことですし、もうすぐ渡来するでしょう。
(春一番のような強い南風を利用して、南方から渡ってくる野鳥も多いようです。)

いろいろ悩むことも多いですが、季節は確実に春に向かっています。
皆さんのお近くでは、いかがでしょうか? ツバメ、見ました?
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category: 雑記:日々のこと

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決定版 日本の野鳥650  

決定版 日本の野鳥650
真木 広造,五百澤 日丸,大西 敏一


日本の野鳥590」の写真家・真木広造氏&著書・大西敏一氏に、「新訂 日本の鳥550 山野の鳥 (ネイチャーガイドシリーズ)」(レビューはこちら)の著者・五百沢日丸氏が加わり、590種から650種に増加して刊行された新図鑑。
著者陣がより豪華になり、内容にも期待が持てる一冊である。

版型から「日本の野鳥590」の改訂版という感じがするが、確認すると同じ種であっても、掲載写真・説明・分布図など、全ててが手を入れられているようだ。
特に写真は普通種であっても新しい写真かなり入れ替えられており、全く新しい図鑑と思った方が良い。
少なくとも、「日本の野鳥590」を持っているから必要なし、と安易に判断するのは損である。一度は手に取って確認されたい。

さて、本図鑑は日本鳥類目録改訂第7版の分類順に準拠している。
そのため、キジ目から始まり、水辺の鳥を挟んでワシタカ類以降の陸の鳥となる。
カラス科が最後ではないため、昔からの図鑑に馴染んでいる人ほど、
最初はとっつきにくいが、今後はこれがスタンダードになるため、早く慣れたいものである。

内容は通常の図鑑と同じく、【分布・生息環境】【特徴】【亜種】【声】【類似種との識別】に分けて説明している。

ただ説明文のフォントが全て同じであるため、
一見しただけでは重要なポイントが見つけにくく、また記載されている特徴が、他種との識別においてどれくらい重要なのかが分かりにくい。じっくり読む必要があるだろう(その方が識別力もつく)。

写真は、くっきりしたクオリティの高い写真であり、基本的に性・齢、撮影地・撮影月が記載されており、
識別の手助けになるだろう。

本書は、これまでの一般的な写真図鑑の正統進化版と考えてよく、
識別には定評のある著者陣によるものであり、資料として手元に置いておく価値は高い。

ただし、ある程度慣れた人が今後フィールドで常用するのであれば、
僕は新しい試みである「♪鳥くんの比べて識別! 野鳥図鑑670」(レビューはこちら)をお勧めしたい。



それにしても、「日本の野鳥590」ですら最近の図鑑と思っていたのだが、もう刊行から13年も経ったとは。
恐ろしい話である。
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category: 野鳥

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♪鳥くんの比べて識別! 野鳥図鑑670  

♪鳥くんの比べて識別! 野鳥図鑑670
永井 真人



久しぶりの全種図鑑なのに、なぜ続くのか。
2月10日発売の「決定版 日本の野鳥650」(レビューは3月20日に掲載)と2冊あわせて7,980円である。
こちらの本は奥さんに一言告げて入手したが、「決定版 日本の野鳥650」は黙って発注した。怖い限りである。

さて、野鳥図鑑なんて何冊もいらないだろう、と一般の方は思うだろうし、
鳥屋には「図鑑に頼っているうちはダメ」という意見もある。
しかしデジカメが普及して以降、識別知見の増加は恐ろしいものがあり、
もはや自力で最新の知見を網羅するのは不可能といっていい。
まず最新図鑑を入手し、それをベースに力を養う方がメリットが多い。これが複数買う理由である。

ところでデジカメが普及して以降、図鑑は写真による全種図鑑が主流となった。
全種図鑑と抽出図鑑の違いは依然レビューしたが、
こと野鳥にかけては、よほど最初でない限り、抽出図鑑を購入するメリットはない。
素直に全種図鑑を手に取るべき。だから、質の良い全種図鑑が新しく刊行されるのは、嬉しい限りである。

ところでその全種図鑑の先駆けは、「日本の野鳥 (山渓ハンディ図鑑)」であった。
薄い紙にして、野外使用を念頭に置いていて、どちらかと言えば「種」の識別に力点がある。(レビューはこちら)

また、バードウォッチング誌「BIRDER」の面目をかけて造られた全種図鑑として
日本の鳥550 山野の鳥 増補改訂版 (ネイチャーガイド)」と、
日本の鳥550 水辺の鳥 増補改訂版 (ネイチャーガイド)」(レビューはこちら)がある。
デジカメ普及を追い風に、できるだけ大きい写真を用いて、性・齢や亜種の識別にも力をいれたもの。
写真が大きく、説明も簡潔で使いやすいので、僕は観察会ではこちらを用いて説明している。

今回の図鑑は、これらと同じ写真図鑑であるが、大きく異なる点がある。
それは、 
 写真が全て野鳥のみの切り抜きになっていること
である。

こうした手法は近年の流行りらしく、「日本の昆虫1400 (1) チョウ・バッタ・セミ (ポケット図鑑)」でも用いられている(レビューはこちら)。

このメリットは、環境のノイズに左右されないこと、また識別点を矢印等で説明しやすくなることだろう。
簡単に言えば、「細かく説明しやすい」、と言ってよい。

だが一方で、大きく二つの情報が失われている。

一つは、その種が生息する「環境」のイメージが得られないこと。
背景が写っていれば、同じ水辺の種でも、開けた水面か狭い水面か、
山野の鳥なら草地か農耕地か、草原が森林かがわかる。
そうした情報が、一切得られない。

もう一つは、「大きさ」の情報。
背景があれば何となくの大きさがイメージできるが、それが不可能となる。

ここから逆に、本書は全くの初心者ではなく、
ある程度「環境」と「大きさ」のイメージが掴めている層に向いていることが分かる。

もちろん初心者でも使えないことは無いが、
少なくとも全くの初心者は、この図鑑のみで識別するのは難しいだろう。

しかしながら、それらの不足を補って余りあるほど、
本書は類似種との検討を行うにあたって、これまでになく極めて使いやすい図鑑となっている。


1種につき複数の写真を使用し、かつポイントとなる部分は比較写真を掲載。
さらに1種あたりのページ数にこだわらず、バリエーションが多い種は贅沢にページを使用している。
(例えばチュウヒには3ページ使用し、写真は17枚使用。
さらにチュウヒ、ヨーロッパチュウヒ、ハイイロチュウヒ各種の♀の「顔盤比べ」がある。)
これらによって、各種について「どの識別点が重要か」が一目でわかる。これはとても便利である。
決定版 日本の野鳥650」(レビューはこちら)を初め、これまでの図鑑とは一線を画しており、
フィールドで使う図鑑としてはかなり有用だろう。迷う方には、正直、僕はこちらをお勧めする。
 
著者の♪鳥くんこと永井真人氏は、デジカメ普及時代を代表する鳥屋。
カモメ観察ノート」(レビューはこちら)のとおり、
最初はカモメ屋さんのイメージが強かったが、ついに全種図鑑である。

監修は山階鳥類研究所の茂田良光氏。
日本における鳥類標識調査では第一人者と言って良い方であり、
本書の内容に信頼がおける。と偉そうなことを言っているが、個人的に存じ上げており、お世話になっています。

というか、本書もいいんですが、
むしろ茂田さんが細かい野鳥図鑑を書いてくれればと思うのですが。


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category: 野鳥

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BIRDER (バーダー) 2014年 04月号 この春は、森でバードウォッチング!!/「超望遠」コンデジ野鳥撮影術  

BIRDER (バーダー) 2014年 04月号 この春は、森でバードウォッチング!!/「超望遠」コンデジ野鳥撮影術



第1特集の「この春は、森でバードウォッチング!!」は、森のタイプ別に鳥類相を概観したもの。
面白い切り口だが、残念ながら各タイプの森が2p程度のため、読み物程度になっている。
せっかく環境と鳥類という大事なテーマなのだから、これだけで特集としてほしかった。
現在の写真メインの野鳥界には、大事な記事であるはず。

と思っていたら、第二特集は「「超望遠」コンデジ野鳥撮影術」。
現在の写真メインの野鳥界が「望む」記事であり、商業誌としては仕方がないところ。
でもこういう記事ほど、あっという間に鮮度が落ちる。
僕は1993年から本誌を定期購読しているが、1年後には無駄にスペースを食う記事となる。残念。

期待の「Young Gunsの野鳥ラボ」は、[“厄介な”モズ類の検討]。
近年日本で記録されだした、モウコアカモズやセアカモズに「類似した」個体の検討である。
先月号でドキドキした香川県のセアカモズ記録の識別内容は、とりあえず槍玉にあげられてないのでほっとしたところ。小心者である。

さて、野鳥に興味の無い方にもわかるように言うと、

・近年、大陸の「セアカモズ」とか「モウコアカモズ」とか「オリイモズ」とかの記録が増えている(と言っても数年に1回くらい)。
・この「セアカモズ」とかの識別は、見た目だけでは難しい。
・さらに、日本近くの種についての情報が少ない。
・そのくせ、雑種ができる。

という、極めてややこしいグループなのである。

識別ポイントは色々あるが、本記事でも触れられている通り、
とにかく翼式(翼の羽根1枚ずつの長さの関係)を見ないといけない。

形態(色彩)と翼式がその種の特徴に合致して、はじめてこの種かな、と言えるのである。

でも、実際には野外で「翼の羽根1枚ずつの長さ」なんて見えない。
だから丁寧に識別するには、撮影してチェックするしかないのである。
(僕もセアカモズの識別記事は翼式を決め手にした。)

しかし、野外の珍鳥ウォッチャーの方々は、どこまでチェックしているだろうか。
翼式もチェックせずに、「自分は◯◯モズを見た」と断言するのは、
僕にはとてもできない。

まあ趣味の世界なので、誰がどう主張しても構わないのだが、
これらの珍しいモズの場合、渡来状況の変化を辿る重要なデータになるので、
識別には慎重になりたいものである。


【目次】
第1特集 春の「森」と「鳥」を満喫するためのフィールドガイド:この春は、森でバードウォッチング!!
・二十四節気でひもとく、春の森と鳥の魅力  文・写真●秋山幸也
・環境別、春の森の歩きかた
- 身近な鳥たちの移り変わりがわかる〜丘陵林(雑木林)〜  文・写真●平野敏明
- 豊かな水が作り出す生き物の森〜ブナ林〜  文・写真●三上かつら
- 人と鳥の生活を支えてきた森〜照葉樹林〜  文・写真●佐藤重穂
- 北海道の針葉樹林にはどんな鳥が暮らしているのか?〜北方針葉樹林〜  文・写真●川辺百樹
- 南の島のユニークな生物が暮らす森〜亜熱帯林〜  文・写真●BIRDER
・ぜひ訪れたい!「日本の森」ミニガイド  文・写真●川辺百樹、佐藤重穂、三上かつら、BIRDER
・東京近郊 鳥見と花見が一緒に楽しめる探鳥スポット  文・写真●石亀 明
・特集別体 春の森を快適に歩くために注意したいこと  文・写真●石田光史

第2特集 「超望遠」コンデジ野鳥撮影術
・バーダーに最適!「ネオ一眼」  文・写真●池田圭一
・超望遠コンデジ、各社比較
- 小型ボディで自在に使える光学42倍 ニコン COOLPIX P520  文・写真●池田圭一
- 多彩な機能で野鳥撮影を強力サポート キヤノン PowerShot SX50 HS  文・写真●BIRDER
- テレコンをプラスして超望遠専用カメラに変身 オリンパス STYLUS 1  文・写真●小田切裕介
- 野鳥の色合いを忠実に再現できるフィルムシミュレーションモード搭載 富士フイルム FinePix HS50EXR  文・写真●近 勝之
- カメラとの一体感を楽しめる ソニー Cyber-shot DSC-HX300V  文・写真●神戸宇孝
- 光学60倍、クラス最高の光学ズーム パナソニック LUMIX DMC-FZ70  文・写真●池田圭一
・超望遠コンデジのスゴさがわかる! 野鳥ミニグラビア

ENJOY BIRDING
・BIRDER Graphics[石垣島、ツルクイナ撮影行〜嵐のあとの「奇跡」の出会い] 文・写真●野村 明
・Young Gunsの野鳥ラボ[“厄介な”モズ類の検討] 構成●Young Guns
・鳥の形態学ノート[ヨタカ眼球] イラスト・文●川口 敏
・Field Report[大雪の東京] イラスト●水谷高英
・私のケッサク!“鳥”写真[第17回募集 入賞作品]  写真●読者の皆さん 選評●叶内拓哉
・Bird Tracking[ノスリ放鳥] イラスト●赤勘兵衛
・ぶらり・鳥見 散歩道[亜種ウスアカヤマドリを心ゆくまで観察する(大阪府交野市・くろんど園地)] 文・写真●♪鳥くん
・野鳥圖譜[ホオアカ] 画・文●佐野裕彦
・BIRD CHALLENGE for ビギナーズ[編隊を組んで頸を伸ばして飛ぶ大形の水鳥(ウ、ガン、ツル)] 文・写真・イラスト●神戸宇孝
・伝説の翼[精衛(Jingwei)] 画●長島 充 文●斉藤ヒロコ
・唐沢流・自然観察の愉しみ方[初島と来宮神社を巡る] 文・写真●唐沢孝一
・東北の鳥たちは今[蒲生干潟(1/3)] 報告●佐場野 裕 文・図●上村左知子
・新連載 鳥博士の研究レポート[ツバメも浮気しちゃう?] 構成●Liferbird 報告●北村 亘

・今月のプレゼント
・BIRDER’s BOX
・BOOK REVIEW

BIRDER NEWS
・五藤テレスコープ「Star Cruise842」インプレッション  文・写真●戸塚 学
・高機能&軽量カメラバッグ[バンガードUP-Rise II 34でスマートに鳥見へ出かけよう] 文●神戸宇孝
・サンテプラス「カブキグラス」インプレッション  文・写真●BIRDER
・固有種天国、三宅島!!〜1泊2日で鳥見を満喫する旅行術  文・写真●戸塚 学
・すばやく・確実に野鳥をとらえる “鷲の眼”をもつコンパクトデジタルカメラ[オリンパス STYLUS SP-100EE] 文・写真●中野耕志
・環境と両立したオリンピック開催を求めて〜葛西臨海公園カヌー競技場建設計画〜  報告●落合はるな
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category: 野鳥

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2014年3月 新川観察会  

くつろぐカモ類、トビとボラ

今日は、野鳥観察会でした。
川沿いの道をゆっくり歩くだけのお手軽観察かい。カモ類は大きいので、見ごたえも十分です。
風が強かったのですが、カモ類は穏やかに過ごしていしまた。
ちょっといくつか紹介しましょう。

オナガガモ。右が雄です。尾が長いのが特徴で、英語でもPintailと言います。シックです。
20140316_4

ヒドリガモの雄。寝てます。足を曲げているのは、保温のためですね。
20140316_2

コガモの雄。お尻のクリーム色の三角形がチャームポイントです。
20140316_1

ここで、僕のカモ類のネタを一つ。
もしお近くで飛んでいるカモ類が池に舞い降りたら、注目してください。
舞い降りたら、必ずお尻を振ります。可愛いですよ。

また本日は、トビが、水面に浮かんでいたボラを拾うシーンに遭遇しました。
20140316_3
ボラは死んでいたのですが、何回も落としては拾い上げの繰り返し。
トビの足指は魚食性のミサゴと違って、やはり魚は掴みにくいようです。
なかなか珍しいシーンでした。

最後に今回は、野鳥の識別を少々。
これはトビですが、尾羽を見ると先が直線ですね。綺麗な三角形です。
トビの場合、こうした直線か、凹み(三角形に切込みが入る感じ)になります。
20140316トビ

日本の他の猛禽類は、これが丸く膨らみます。
例えばノスリ。
ノスリ2014

これが分かっていると、肉眼でもチェックできます。
「トビしかいない」と思っていても、色々な猛禽類が身近にいるものです。
よろしければ、でっかい鳥がいた時に注意してみてください。
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category: 雑記:日々のこと

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飛ぶ教室 (講談社文庫)  

飛ぶ教室 (講談社文庫)
エーリッヒ ケストナー


「まえがき その一」で書かれているとおり、これはクリスマスの物語だ。
クリスマスまでに起きる、いくつかの事件と、そして奇跡。
その奇跡は偶然ではないということは、本書を読めば実感できるだろう。

登場するのは、ケンカに強いマチアス。優しくて、賢いマルチン。
気弱なウリー、両親に捨てられたジョーニー、読書家のセバスチャン。
彼らがクリスマスに演じる舞台、「飛ぶ教室」の練習を行い、そしてクリスマスを迎えるまでのほんの数日間の間に、様々な事件が起こる。
その事件に、彼らは誇りと信念と優しさをもって、正直に立ち向かう。

寄宿舎舎監の「正義先生」、そして廃車となった電車に住んでいる「禁煙さん」は、
彼らを見守り、導いていく。
子どもたちを、
純粋さと、悩み、葛藤、悲しみ、そして誇りをもった人間として認めたうえでだ。
それが、子どもたちと大人との、本当の信頼となっている。


「子どもたちは、いつも楽しくて、幸福なものだ。」
著者ケストナーは、それをきっぱり否定する。
そんなのは幻想に過ぎない。子どもたちには子どもたちなりの不幸があり、悲しみもある、と。
それは諦観なんかじゃなく、
「子どもは、大人になる前の未熟な段階ではない」と認めることだ。

だからこそ、禁煙さんは、「いちばんたいせつなこと」として、
「きみたちの子どものころをわすれるな!」と話すのだろう。

舞台は、1930年代前半のドイツの寄宿学校。
ケストナーが本書を執筆した当時、ドイツはナチスの支配下にあった。
そのため、本書に描かれる世界や雰囲気が、ちょっと馴染み薄いかもしれない。
また、訳文もとても素晴らしくて綺麗な文章なのだが、
どうしても今となっては少し古い感じを受けるかもしれない。

それでも本書が長く読み継がれてきたのは、
やはり「いかに生きることが大事か」ということを、
やさしく、強く示しているからだろう。

僕がそうであったように、まだ読んでいないまま大人になった人も、
遅くはない。ぜひ一度読んでほしい。
自分の子供時代に思いを馳せることは、決して無駄ではないと思う。

------追記------------------------------
本書をじっくり読むために、積読を終わらせて、
何もストックがない(他の本を読みたくならない)状態で手を付けました。
期待通り、久しぶりに、落ち着いた良い読書ができました。
本書紹介していただいた「北浦和コーヒーハウス」さんに感謝。
本書は、「いつか読みたいときのために」と、子どもたちに渡すつもりです。
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category: 小説

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2014年3月15日  

三角点

2月末から3月上旬、我が家はインフルエンザが流行。
僕は無事でしたが、その分家事手伝いに追われる日々でした。いやはや。

ところで先日、所用で広島県へ行く機会がありました。
とある山中でしたが、ふと時間が空いたので周囲を歩いていたところ、三角点に遭遇。
三角点2
実はこれまでも何度も見ていたものの、何の感想も抱いていませんでした。
しかし今回は「地図をつくった男たち: 明治の地図の物語」を読んでいたためか、
「おお、こんな山奥も測量されているのだな」と思いました。
もちろん測量されたのは明治時代ではありませんが、測量が身近に感じられました。

ちなみにここは、四等三角点。左側面に四等ってあるの、わかるでしょうか。
三角点1

調べてみると、一等から五等までは、次の区分でした。

◯一等三角点
設置間隔は約40km、必要に応じて補点(約25km間隔)が設置される。
全国に約1000点。柱石の一辺は18cm

◯二等三角点
設置間隔は約8km、全国に約5000点、柱石の一辺は15cm

◯三等三角点
設置間隔は約4km、全国に約3万2000点、柱石の一辺は15cm
※2万5千分1地形図を作成するための位置の基準としては、以上の等級の三角点で充足される。

◯四等三角点
設置間隔は約2km、全国に約6万9000点、柱石の一辺は12cm

※地籍調査又はこれに相当する調査の測量の基準点として、国土交通省土地・水資源局国土調査課の委任を受け、国土地理院が設置するもの。

◯五等三角点
三角点標石を設置するのが困難な小岩礁はその最高点を五等三角点とし、火の見櫓や煙突等の市街地の高塔もこれに準じて定めたもの。五等三角点の新設は行われておらず、四等三角点以上への切り替えや廃止が行われたため、現在は沖縄県の小島の3か所が残存しているのみ。


ちなみに、「基準点成果等閲覧サービス」では、
2万5千分1地形図上で、各三角点を検索し、その三角点の名称、位置、高度等を確認できます。
初めて知りました。すごい。

おかげて、この三角点の詳細もわかりました。

ちなみに、香川県中部での一等三角点は坂出市城山山頂のみ。今度機会があったら見に行ってみましょう。

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category: 雑記:日々のこと

thread: 日記 - janre: 日記

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地図をつくった男たち: 明治の地図の物語  

地図をつくった男たち: 明治の地図の物語
山岡 光治



「劔岳 点の記」という映画を見た。
明治40年、三等三角点を設けるために剣岳の山頂に挑んだ測量手・柴崎芳太郎と、東京山岳会との物語。
シーンの順番に、現地で撮影したこの映画は、かなり話題となった。

この映画によって、三角点建設の公式記録である「点の記」の存在、
そして全国に散らばる三角点が、過去の測量技師らにより、おそらく多くの苦難を経て建設されたものと知った。
だが、実際にどうだったのか?

本書は幕末から明治、そして昭和に至るまでの、
日本における地図作り、測量技術の習得、
三角点測量の実地などを辿る。

著者が元国土地理院中部地方測量部長だけあって、
具体的かつ現実的な内容となっている。

例えば「劔岳 点の記」の主人公である測量手・柴崎芳太郎が、
その功績がなぜ陸地測量部で高く評価されなかったかということについて。

映画では、それが初登頂でなかった(山頂には錆びた鉄剣と銅製の錫杖があった)からだ、
というニュアンスで説明されていたと記憶しているが、
本書ではそうではない、内部の人間ならではの推測もなされている。

また、開国当時、「外国人遊歩規程」によって、
外国人の行動範囲が港からには10里(約40km)に限られていたこと、
それを不服としたアメリカ公使ハリスの申し出によって、
急遽測量師が実測したことなど、
まだ正確な地図が作られていなかった時代ならではの話などもある。

さらには、なぜ日本の地図がフランスなどの美術的にも価値がある地図ではなく、
無味乾燥なアメリカ式地図になったのか、

なぜ三角測量という技術を持つ技師がいながら、
地籍図である公図は不正確なのかなど、
日本における地図が、どのような経緯で現在に至ったかを明らかにする。


著者が専門の出であるだけに、三角測量の技術的な説明がないまま
三角測量の苦労話が語られるなど、やや最初は苦労する部分はある。

しかし地図独自の数字、文字の統一など、
過去の地図を見ると当たり前だが、どうしてそうなのかよく分からないことについても、
歴史的に紐解いてくれる。

こうした光が当たらない分野の通史は、得難い。

地図だけでなく、日本の技術史に興味がある方にも、ぜひお勧めする。

【目次】
はじめに
◎第1部 維新前夜から維新直後の地図作り
第1章 明治維新前夜の地図測量技術
第2章 陸軍省最初の測量技術者福田治軒
第3章 沼津兵学校から巣立つ地図測量技術者
第4章 傑出したテクノクラート小野友五郎
第5章 開拓使測量を担った測量技術者たち
第6章 もうひとつの日本全図 観農局地質課に集った技術者たち
第7章 外国人の湯治行きを阻止した測量師
第8章 明治期の地図作りへと向かう地図方
第9章 測量標石の始め
第10章 使われなかった日本で最初の水準点
◎第2部 陸地測量部の地図作り
第11章 「美しさ」から「正確さ」へ 犠牲となった「かきたてるもの」
第12章 未踏の高山を目指した明治期測量隊
第13章 測量登山黎明期 登山家ウェストンのころ
第14章 劒岳登頂は柴崎芳太郎に何を与えたか
第15章 戦場に送られる即席測図手たち
第16章 報告書に見る技術者たちの日常
第17章 文豪と地図
第18章 測量標石に残された思い
第19章 職人技のドイツ式地図から合理性追求のアメリカ式地図へ
おわりに

p72
「外国人遊歩規程」
例えば日米修好通商条約(1858)第7条で、次のように定められている。

神奈川 六郷川筋を限りとし其の他は各方へ凡十里
函館 各方へ十里


p110
明治初期、測量技師がアラビア数字を覚えにくかったため、
「1棒、2のん、3耳、4ケ、5ち、6鼻、8瓢、9のし」という書き方の記憶方法があり、
これによって特徴的な数字の記載方法が学ばれた。
著者が昭和38年に国土地理院に入所した時も、
このアラビア数字の書き方から習った。

p128
幕府はフランス人軍事顧問を招いていたため、技術面ではフランス式だった。
しかし明治6年(1873)、普仏戦争(1870-71)で勝ったドイツ(プロシア)への技術転換が図られる。
これによって、旧幕臣で構成されるフランスの流れにある文官技術者と、
ドイツ流の軍人技術者の間で争いが起きた。

p136
当初は左右逆の版を作る必要があったため、
地図に用いられる漢字は、「地図用文字」として統一されていた。
また、文字の横方向は定規を用い、縦は「文字が死ぬ」としてフリーハンドで書かれた。
地図に用いられて字体は「曹全碑」あるいは「漢曽全碑」といわれる隷書で、明治13年頃から用いられている。

p193
明治後期には、日本人測量技師が清国のお雇い外国人になった。

p255
現在のデジタル地図は、高速道路や新幹線など一部の項目を選択的に維持管理できるため、
逆に一枚の地図の中で情報の鮮度が異なっている。


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category: 技術

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実録! あるこーる白書  

実録! あるこーる白書
西原理恵子,吾妻ひでお



僕は酒が飲めない。一滴もという程ではないが、ビールをコップ1杯飲むとアウトだ。
だがそれよりも、
自分を律せなくなること、記憶を失うことが心底怖い。

ついでに言うと、
無実の罪で誤解されるというシチュエーションも怖い。
映画やドラマで、正義の味方が誤解される話がよくあるが、あれに出会うと逃げたくなる。

これらを総合して、たぶん前世か守護霊だかが、
酒を飲んで、意識を失っている間の行為で、罪に問われた経験があるのではないか、と思っている。
だから、酒が飲めない、飲みたくないというのは僕のごく個人的な感情であり、
別に世間一般の酒好きをどうこうという気持ちは全くない。
ぜひ僕の分まで楽しんでいただきたい。

しかし、楽しみを超える人もいる。
「アルコール依存症」とされる人々だ。

「依存」という言葉から、自己を律する力が足りない、つまり自己責任のような響きがある。

そうではない。「依存」などという意思の問題ではなく、それは病気なのだ。
花粉症患者が花粉アレルギーを意思の力で克服できないのと同じく、
アルコールに対して、自身のリミットを知らないうちに超えてしまった人は、
意思の力で絶つことなど不可能なのだ。

それを意思の問題と周囲が誤解することで、「アルコール依存症」は悪化する。
やめさせるために、ただ責める人。
アルコールによる心身の故障をカバーする人。
これらは結局、依存症を加速するだけである。

吾妻ひでお氏は、1980年代前後に輝いたSF・ロリコン・ナンセンス系漫画家。
その後低迷、アルコール中毒になり失踪、ホームレスに。その頃の状況を描いたコミックが有名。
僕も読んだが、悲惨だがそれをも軽やかに描くこのコミックは、昔の破綻系私小説そのもの。


西原理恵子氏は、「毎日かあさん」などで有名。
僕は「まあじゃんほうろうき」で存在を知った。これも破綻系私小説。
夫の鴨志田氏がアルコール依存症であり、離婚。再同居の後、鴨志田氏はがんで死去している。


本書では、二人が「アルコール依存症」を取り巻く状況を、具体的かつ包み隠さず語る。
吾妻氏が依存症を克服する過程や、
西原氏の漫画では描かれない、鴨志田氏の「アルコール依存症」の真の姿など、
初めて知る事実も多い。

依存症患者にではなく、
酒好きに振り回されている家族に、ぜひ読んでいただきたい。

本書により、「アルコール依存症」が「病気」と知ることで、
一人でも多くの方が、一刻も早く救われることを願う。

【目次】
第1章 依存前日譚:あなたにとってお酒とは
第2章 依存症体験録:やめられないとまらない
第3章 依存症風雲記:なんと体は正直な!
第4章 依存体質見聞:優しいだけでは破滅する
第5章 病棟事情拾遺:認める決意がありますか
第6章 集団的治療圏:酔えない日々の過ごしかた
第7章 恒久依存対処法:すべらない話をしよう
第8章 依存談議結論:明日のために啓蒙を!
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category: 医学

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世界の美しい飛んでいる鳥  

世界の美しい飛んでいる鳥
澤井聖一



正直、この大きさ(26.2 x 20.8 x 3.4 cm)で、フルカラーという贅沢な作りにするのであれば、
もっと良い写真や、種の選択があったのではないだろうか。

調べてみると、出版社元の(株)エクスナレッジは、月刊誌『建築知識』など、建築分野をメインとした出版社。
「世界の夢の本屋さん」などで最近ヒットを飛ばしており、その勢いで分野外に手を出したものと思われる。

そのため、野鳥屋からすれば、首をかしげるような写真集となってしまった。

例えば、「美しい飛んでいる鳥」と謳っているが、
翼が綺麗に開いていなかったり、ブレているものがある。

ブレが悪いのではない。それが動きを表現するテクニックなら良い。
だが、たぶん記録写真や報道写真(雑誌記事など)など、
元々が、美しさよりも「伝えること」を主眼とした写真なのではあるまいか。

静止した写真も、どうして翼を開ききった瞬間でないのかとか、どうしてこのアングル?と感じるものが多い。

何となくだが、既存の写真ストックから翼を広げているものを選んで、
野鳥部分だけトリミングしたような感じがする。
個々のページの写真が、写真として完結していないのだ。

また、種の選択も不思議。
人によってどの野鳥が美しいかはそれぞれだが、
それにしても、何でこの鳥?というのが含まれている。
また何より、同種が何回も登場するのが解せない。
例えばヨーロッパシジュウカラ。
とりあえず「野鳥好きの僕はどの種も美しいと思います」と言い訳した上ですが、
シジュウカラは洋の東西を問わず普通種であり、
普通種の美しさを紹介する意味があるとしても、
複数回登場させる必要はないだろう。
その分、約1万種の鳥類からもう一種エントリーさせられる。

大判でカラー。購入したら、本棚の片隅に鎮座するような本。
こうした本は、何度も見返したくなるような写真集であるべきと思う。

しかし本書は、
野鳥をほとんど知らない一般の方に、野鳥の美しさを伝えるような本ではなく、
野鳥好きが、写真の美しさを堪能するような本でもない。

どっちつかずの写真集と言わざるをえず、あまりお勧めしない。
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category: 野鳥

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人と芸術とアンドロイド― 私はなぜロボットを作るのか  

人と芸術とアンドロイド― 私はなぜロボットを作るのか
石黒浩



現在、日本ではソニーのアイボ(古いなあ)や、ホンダのアシモに代表される「ロボット」がある。
特に二足歩行ロボットとしては、やはりアシモのイメージが強い。

ただ、改めて考えると、現在のロボットは、家電・自動車・重工業企業などで研究されている。
頭脳という機能に着目すれば、家電・コンピュータ企業の範疇だし、
動きに着目すれば自動車・重工業企業のお家芸だろう。

これらの企業では、見た目のデザインは、商業的・工業的なデザインになる。
汎用性と商業性からすれば、当然の話だ。

だがそうすると、いつまで経っても見た目を
「人間と同じにする」という選択は、おそらくなされないだろう。

ところが映画やドラマで描かれる未来では、人間そっくりのアンドロイドが歩いている。

ここには大きな隔たりがある。

現在のロボットの直線的な延長上には、未来のアンドロイドは無いのだ。

そこを埋める研究が、本書の「ジェミノイド」である。

著者石黒氏は、動きや頭脳はさておき、
人間と見た目がそっくりなアンドロイド-「ジェミノイド」を製作している。

人間そっくりなアンドロイドに対して、人はどう反応するのか。
どこまで(というか、どの点が)似ていれば、人は「人間」と感じるのか。
特定の人物そっくりのアンドロイドを製作したら、そのモデルとなった人物は、どのように感じるのか。

これらの問いは、映画の世界-人間そっくりのアンドロイドが歩く世界では、
当然発生する課題である。

例えは古いが、
鉄人28号には、おそらく人間は、道具的な感情しか持ちえない。
しかし鉄腕アトムには、「感情移入」が有り得る。それはアトムの持つ感情・感性もあるが、
手塚治虫がアトムに人間らしい顔を与え、表情を描いているからだろう。

そして、アシモからアンドロイドに到達するには、まさにこれらの課題に挑まなくてはならない。

すなわち本研究は、現在の機械的機能・頭脳的機能の追求に特化しがちなロボット開発に対して、
見過ごしがちな、しかし不可欠な研究なのだ。

石黒氏はまた、ジェミノイドの頭脳を自律化させるのではなく、
遠隔操作で言葉を話すようにしている。いわば、立体的なテレビ電話だ。

そうすると、ジェミノイドの頭脳は、人間そのものとなる。
そのため対話する人は、ついジェミノイドを「人間のように」感じていく。

だとすれば、人間の本質とは何なのか? 石黒氏の研究は、そのような哲学的な問いにまで発展していく。

そうすると、逆に「人とは何か」を問いながらジェミノイドをデザインすることは、
芸術的な創造活動にもなりうる。
本書のタイトル、「人と芸術とアンドロイド」という言葉には、そのような視点も含まれている。

石黒氏のジェミノイドは、人間そっくりのロボットを作っている変わった研究というイメージしかなかったが、
本書のおかげで、この研究が極めて先見的にものであることを学んだ。

ジェミノイドのエッセンスを使った「ジェミノイド携帯」も、一見不思議に見えるが、
新世代のコミュニケーション、またはセラピーとして発展するかもしれない。

今後の研究に注目していきたい、そんな気持ちになる一冊である。

石黒氏のホームページはこちら。
Hiroshi Ishiguro Laboratories 

【目次】
プロローグ
第1章 アートの街のジェミノイド
 メディアアートの街/アルスエレクトロニカセンター
 ジェミノイドとは何か/カフェのジェミノイド/人々の反応
 人間とロボットは見分けられるか/ジェミノイドが街を行く
第2章 ジェミノイドを作ってわかったこと──人々の疑問に答える
「なぜ自分そっくりのアンドロイドを作ったのか?」
「ジェミノイドを見て自分自身はどう感じるのか?」
「人間についてどんな発見があったか?」
「自分の生活に影響があったか?」
「なぜアルスエレクトロニカにきたのか?」
「オーストリア人と日本人の反応は違うか?」
「ジェミノイドはいつ自立型になるのか?」
「ロボットと人間の区別がつかなくなる日はくるか?」
「ロボットはいつか人間と完全に同じになるか?」
「ジェミノイドは人間の進化か?」
「ロボットは人間のような権利をもつか?」
「ジェミノイドにはどのような利用方法があるか?」
「ジェミノイドは社会に悪影響を与えるか?」
「軍事利用を考えたことがあるか?」
「ジェミノイドは哲学にどのような影響を与えるか?」
「先生は気持ち悪い」
第3章 人間らしさを作り出す
 子供アンドロイドの開発/子供の型をとる/皮膚と内部メカを作る
 アンドロイドに子供を会わせる/研究室のアンドロイド
 女性アンドロイドを作る/人間らしい動きを作る/ロボットは芸術になる
 対話のできるロボット/目を変えると別人に
第4章 人間以上のロボット、最低限の人間
 自分自身がアンドロイドに/内部のメカニズム/皮膚を装着する
 ジェミノイドの死/アンドロイドは人間を超える
 女優になったアンドロイド/最低限の人間とは何か
 「ゆらぎ」と生体の動き/芸術とゆらぎ/学習するロボット
第5章 社会を変えるロボット・メディア
 進歩するメディア/人と関わるロボット「ロボビー」
 遠隔操作で人をつなぐ「ワカマル」/無口な人がおしゃべりに
 ロボットの体に適応する/病院で働く簡易ジェミノイド
 テレノイドとエルフォイド
第6章 「私」は人か、ロボットか
 『サロゲート』の世界/携帯電話の次にくるメディア/移行するアイデンティティ
 どちらが「私」なのか?/想像力を超える技術/更新される人間の定義
 ジェミノイドが引き出す人間の可能性
第7章 作ることと生きること
 鏡としての他人とロボット/分散する心/何かを作ることの意味
 「自分を知りたい」欲求の源/人間とロボットの性/役割と存在価値
 人を好きになること/裸の私はどこにいる?
第8章 融け合う芸術と技術
 目的を探りながら進む開発/同時進行する開発と人間理解
 ロボット研究は分野を超える/芸術家としてものを作る/日本人と芸術・技術
 芸術はどこから生まれるか/人間の情動と社会性
 新しいコンセプトを生み出すために

【メモ】
p37
「自分そっくりのアンドロイドがこの世に存在すると、モデル本人はどう感じるか」

p66
不気味の谷:
人間に近い見かけをもつものが人間と同じ動きをもたないと、非常に不気味に見えること。

p115
固定電話は家や部屋に付随した、「場所」を意識したもの。
携帯電話は「個人」を意識したもの。

p130
ジェミノイドの未来を語る上で無視できない映画
「サロゲート」。
著者も冒頭に取り上げられている。

技術開発:「人間の能力を機会に置き換え、人間が肉体的な制約を超越するための挑戦」

p143
人間らしい対話を可能とするためのに開発したジェミノイドは、
人間らしさの研究から、「人間の存在とは何か」という哲学的な問いにまで発展している。

p178
「技術は芸術から生まれ、芸術は自然から生まれる。」
自然の何が芸術を生み出すかといえば、「生命を生み出す力」。

p181
コンピュータの速度を10%早くするよりも、人がもっと長く使いたいと思うようなものを作ることこそ大事なのではないか?


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category: 技術

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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御茶請け 東京バウムクーヘンの「チョコレートバウムクーヘン」  

「100種類のバウムクーヘンを食べる」計画進行中。

今回は、東京バウムクーヘンの「チョコレートバウムクーヘン」を食べました。7種類目です。
よろしければ、ご覧下さい。

「100種類のバウムクーヘンを食べよう!」
#007 2014年2月13日 東京バウムクーヘンの「チョコレートバウムクーヘン」
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category: 雑記:日々のこと

thread: スイーツ - janre: グルメ

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2014年3月2日  

メニューの悩み、静かな音楽

息子に続き、先週後半から奥さんがインフルエンザ。
息子は復活したので(自宅待機ですね)、娘とあわせて3人で、炊事・家事をやっています。

洗濯とか掃除は何とかなるのですが、なにしろ毎食のメニューを(自分が可能なのを)考えるのが大変。
昼は、うどん茹でて、パスタ茹でて。麺類ばっかりだー。
日頃、奥さんに「今日の晩御飯何?」と軽く聞いているのを、反省することしきりです。

そのバタバタのため、ここ数日は特に早く寝ているのですが、
昨日は気分転換に、久しぶりに夜更かししまた。

その時、聴いた曲をいくつかご紹介します。
静かな曲ばかりですので、しんとした夜にお勧めです。
以前に紹介した曲が多いのですが、僕のお気に入りということで、ご容赦ください。

「Blue Ballet」Joe Sample
澄み切った青い空を高く舞う、一羽の鳥。それをそのまま音楽にしたら、この曲。
僕の大好きな一曲です。


「コモ湖(Lake Como)」Sweet People
昔、「お休みの前に」というNHKラジオがありました。そのエンディング曲。
格調高くていいラジオ番組だったのですが、ご存じの方いるでしょうか。


「Sohoのサンバ(Samba do Soho)」James Last & Astrud Gilberto
中学校の頃、ラジオから流れてきた曲。ボサノバってジャンルだと知ったのは、ずいぶん後です。


「Birdyのテーマ(Birdy theme-under lock and key-)」Peter gabriel
Birdyという映画があります。
鳥になりたかった少年バーディと、その幼馴染みアル。しかし二人はベトナム戦争へ。
バーディは精神を病み、精神病院へ。
顔に負傷を負ったアルは、バーディのもとを訪れ、回復させようと語り続ける…といった物語です。
この曲は、今にも壊れそうな細い旋律が、とても美しい。


「朝日のようにさわやかに(Softly, as in a Morning Sunrise)」The Modern Jazz Quartet
父のソノシートで持っています。パチパチというノイズがとっても良い雰囲気で、お聴かせたい限り。
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category: 雑記:日々のこと

thread: 今日の出来事 - janre: 日記

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ふたりはいつも  

ふたりはいつも
アーノルド・ローベル


僕は、物心ついた時には、周囲は本ばかりだった(町の本屋だったので)。
一方、両親が共働きだったため、絵本などの読み聞かせをしてもらった記憶が無い。
(もしかしたら少しはしてもらったかもしれないが、記憶からは抜け落ちている。)
そのため絵本・児童文学に触れる機会がなく、
文字が読めるようになった時から、自分で選んだ本(最初は漫画ばかり)を読んでいた。

だから僕の読書経験では、児童文学は抜け落ちている。

本書は、北浦和コーヒーハウスさんのご紹介で知った。
おそらく僕の自力だけで探索していれば、一生出会うことがなかったと思う。
こうして良い本に出会えて、感謝である。

さて、本書は、「がまくん」と「かえるくん」の物語。
行き違いもあるけれど、お互いを思いやる気持ちに溢れている。

「おちば」。しっとりと、思いやりのみで構成された、暖かい物語。
自己満足と感じるかもしれないが、それは「第三者の大人」の感じ方と思う。
これは無私の物語。こうして眠りにつけるのは、なんて幸せなんだろう。

また、僕が一番好きなのは、「そこの かどまで」。

春はどこか。
その気持ちを、これほど短く、ワクワクする物語で読んだことはない。

また、ネタばらしになるのでうまく説明できないが、
最後の光景。これこそ、たぶん、僕が求める幸せのような気がする。

決して長い物語ではない。
ぜひ、自身で読み、また子供たちに手渡していきたい一冊である。

僕も机の上に置いて、子供たちに読ませた。
感想を話し合うことはしない。
この本を読んだという体験は、彼らのどこかで、ずっと生き続けることを願う。

【目次】
そりすべり
そこの かどまで
アイスクリーム
おちば
クリスマス・イブ
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category: 絵本

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