ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

危険不可視社会  

危険不可視社会
畑村 洋太郎


以前、「(真夏に)公園の滑り台で子供を遊ばせようとしたら、ステンレスの滑走部分がものすごく熱くなっていた。」という苦情を見た記憶がある。

それは当たり前じゃないのか。
真夏の金属部分は熱くて、時に火傷する恐れすらある。
その危険性が知識として無い、想像できない。それが当たり前で、管理者責任だとする感覚に驚いた。

そして、どうしてこれほど危険に無頓着な人がいるようになったのか、疑問を抱いた。

本書は、おそらくそれに応える一冊である。

「安全を絶対視するがゆえに、危険が一般社会から隠されているのではないか。
 そのために、かえって潜在的な危険性が増しているのではないか。」

様々な事例を用いながら、本書は現在日本の安全管理の考え方と、
そこに潜む様々な落とし穴を示していく。

例えば「制御安全」。
コンピュータの発展により、様々なシチュエーションを想定することで、
危険を防止する手段。これが現在は主流となっている。

コンピュータは発展し続け、プログラムは多岐にわたる。
おかげで多くの機械は、以前に比べれば格段に安全になった。

だが、「想定の範囲内で安全」ということと、「絶対に安全」は異なる。
ところが僕らは、安全に慣れすぎて、「絶対に安全」と誤解しがちだ。

その結果、(故意かどうかは別として、)設計者が想定しえないシチュエーションになった時、
それすら「安全」だと思い込む。

しかし、「制御安全」の考え方では、想定しえないものの安全は担保されない。

そこで有効なものとして、
どう転んでも安全側に働く「本質安全」というアプローチや、
「責任追及」と「原因究明」を別にすることなどを、本書では示している。

また本書では、
群衆雪崩、遊具、原発と、近年「安全性」が話題となった事例を豊富に用いながら、
危険とは何か、安全とは何かを、
きちんと整理された視点から解説している。

なぜ科学・技術が進歩しているのに、安全にならないのか。
それどころか、以前では考えられない「お粗末な事故」が発生するのは、なぜか。

「安全社会」と「危険不可視社会」は同じではないのだ。
だが、僕らは現代の「危険不可視社会」を、「安全社会」と勘違いしている。

それが個人の問題ではなく、システムの問題であることを明確にする本書は、
家庭から企業まで、様々なレベルで参考になるだろう。

【目次】
序  危険を可視化するということ
第1章 制御安全の落とし穴
第2章 制御システムの暴走
第3章 「つくる側」と「使う側」の間
第4章 人も凶器
第5章 原発が信用されない理由
第6章 子どもから危険を奪う社会
第7章 規制・基準で安全は担保されるのか
第8章 安全社会の危険

【メモ】
p2
・人間と人工物の関係の変化により、新たな危険が生まれているのではないか
・安全を絶対視するがゆえに、危険が一般社会から隠されているのではないか。
 そのために、かえって潜在的な危険性が増しているのではないか。

p6
危険そのものを完全に排除しようとすると、意識の中で「あってはいけないもの」から
「ないもの」に変わり、社会で「存在しないもの」として扱われるようになる。
いわゆる"禁句"扱い。

p24
「制御安全」
 機械やシステムを常にセンサーでチェックし、異変が現れたら察知し、停止(回避)する仕組みで安全確保すること
 近年の安全社会は、この「制御安全」が中心

p26
制御安全は想定外の事態生じれば無力。

p30
回転ドア:元々は寒さの厳しいヨーロッパで暖房効率を上げるためのもの。
日本では高層ビルのドラフト現象(煙突効果により、外から風が吹き込む現象)対策や、ビル風防止が目的となった。そのため材質がアルミからスチールになったり、ステンレス化粧が施され、ヨーロッパの3倍の重さ(2.7トン)になった。

p35
「本質安全」機械そのものの働きを、どんなときでも安全側に向かうようにする方法。
致命的な被害が起こる確率を減らせる。

回転ドアでの死亡事故後、「本質安全」の考え方をふまえて事故を防ぐ回転ドアが開発された。
しかし2009年の商品化後、1年間全く売れていない。
改良・改善がなされても、一度事故が発生すると黙殺されたり信頼されなくなる。「絶対安全社会」の負の面ではないか。

p66
制御安全の限界
 機械の性能は、設計者が使用環境に配慮しながらどこまで想定してロジックを作っているか。

p77
メーカーが想定した製品寿命を超えて使用することは、危険が増大し、また万一の際のメーカー負担も無制限に続きかねない。

p81
機械式駐車場での事故のように、使用者の不適切な行動が原因の事故は報道されることが少ない。
それが、逆に同様の事故が発生する原因になっている。
身近に起こっている事故情報をきちんと発信することが必要。

p84
原子力やロケットなど、開発・使用の歴史が浅い先端分野は、どうしても経験不足(人間のその分野に対する知見の積み重ね)により生じる危険がある。

p94
製品故障=初期不良が多く、ある時期から安定使用でき、しだいに経年劣化の不良が増加
→U字のグラフになるため、「バスタブカーブ」という。
エレベータの保守では、このバスタブカーブの底(安定時期)を狙った保守セールスも多い。
その時期は保守の手間がほとんどかからない。経年劣化が増大する頃には契約しなくなる。

p111
群衆雪崩;
「体が空中に浮いている感じ」→両方から押され、人間がアーチのようになる。どこかの圧力が抜けると、とたんに崩壊する。
アーチ作用が強く働くのは、10人以上/㎡。13人以上/㎡になると死亡事故の危険性。

p157
遊具の危険は遊具そのものの改良もあるが(本質安全の設計)、メンテナンスも問題。
管理者の問題だが、そもそも日本の社会全体がメンテナンスを軽視。

p162
万一事故が起これば、現在の日本では管理者が徹底的に責められる風潮。
そのため安全管理が、「危険の管理」ではなく「危険の排除」になる。
しかし使用者の禁止行為や想定外の行動、未知の要因などの場合、これらを検証することが社会の利益になる。

p164
最近、作り手が想定していない使用方法での事故が増加。
安全であることが当たり前となり、誰もが危険に鈍感になり、
「何をやっても大丈夫」と思って無茶なことを平気で行う。
これによって、様々な要因が重なると事故になる。

p183
日本の法体系は、「責任追及」と「原因究明」がセットになっているため、
責任追及されないために原因を隠す、
誰の過失でもない(責任追及が不要)場合には原因究明も止まる(もしくは開示されない)などの弊害がある。

p187
アメリカには業務上過失致死傷罪のような刑事罰がない。
よって民事裁判で被害者が損害賠償請求を行うしかない。

p197
人間が異常を感じた時、最後に
人間の判断を優先する→ボーイング型
機械の判断を優先する→エアバス型
どちらも完全に安全な状態を作ることはできない。
ただし、どちらか一方に統一することが大事。
→実際に航空業界では、パイロットの操縦する機種を制限するのが常識となっている。

p209
リスク・ホメオスタシス理論は、便利で安全なものができると人間の行動範囲が広がり、
新たな危険に遭遇する確率が高まるというもの。
また、一応は警戒するが、注意力が継続しないために高まる危険もある。






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category: 事件・事故

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2014年2月25日  

カレー、オセロ、バンとアオサギ

息子のインフルに付き添うため、本日は休みを取得。
昨日までは39℃オーバーでしたが、本日は37℃程度に下がりました。
おかげで気分も良く、むしろ暇を持て余し気味。
オセロを挑んできたので負かしました。大人げないですね。

昼食はインスタントカレー。
病人にインスタント、しかもカレーってどうなのと思いますが、
一食だけですし、本人が楽しみにして食欲も出るので良いでしょう。

夕方、
「自宅近くの池の岸で、バンが2羽餌をついばんでいる」と帰宅した奥さんからお知らせ。
一日自宅で沈没していたので、気分転換に行ってみました。と言っても歩いて1分です。

20140225バン
バンはカモに似た水鳥ですが、カモの仲間ではありません。
香川県では一年中いる留鳥です。
お尻(尾の裏面、下尾筒)の白い模様と、緑の脚の付け根が黄色→赤色となっているのがチャームポイントです。
畦道とかを歩くときも、尾を上げて、この模様を目立たせます。
今日2羽連れ添っていたのは、ペアかな。

バンが飛び去ったあと、アオサギが来ました。
鏡のようになった水面に映っているのが印象的です。いつもながら、置物みたいですね。
哲学者みたいな雰囲気ですが、きっと何も考えていないでしょう。アオサギはそういうやつです。
嘴がやや赤みがかっているのは、婚姻色。もう繁殖気分です。
20140225アオサギ


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category: 雑記:日々のこと

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映画:LOOPER/ルーパー  

映画:LOOPER/ルーパー



近未来、タイムマシンは開発されていたが、その使用は禁じられていた。
しかし犯罪組織は、証拠を残さず殺人するため、ターゲットを30年前に転送する。
それを暗殺するのが、「ルーパー」。

ただ、ある日「30年後の自分」がターゲットとして送られてくる。
「30年後の自分」を殺したとき、「ルーパー」としての仕事は終わるが、
同時に自分の未来を30年後で断ち切ることになる。

主人公であるルーパーのジョーの元にも、
ある日ついに、「30年後の自分」が送られてくる。
しかし、その様子はいつもと異なり、「30年後の自分」は逃亡してしまう。

追跡する現在のジョーと、逃げる未来のジョーとの思惑。
そして、未来のジョーの目的とは?


という感じの、タイムトラベルもの。
実際の舞台は、ちょっと先の近未来。

現在と未来の自分が、それぞれ相反する立場に陥るというアイデアが俊逸。
映像的には突き抜けたものではないが、
脚本は良く、ドラマとしてじっくり楽しめた。


ただし、やはり僕の中のタイムトラベルものベストは、
「オーロラの彼方へ」。

いつか見直してレビューしたいが、
大作ではなく派手ではないが、きっちりとした物語がある。
殺伐としたものではなく、父と子の親子愛の物語。
機会があれば、ぜひこちらをご覧いただきたい。


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BIRDER (バーダー) 2014年 03月号 「職業=野鳥」な人たち/春のタカの渡り観察ガイド【特別付録 春の干潟で見られる主なシギ・チドリ類の識別早見表】付き  

BIRDER (バーダー) 2014年 03月号 「職業=野鳥」な人たち/春のタカの渡り観察ガイド【特別付録 春の干潟で見られる主なシギ・チドリ類の識別早見表】付き



今月号は野鳥を職業にする人たち。ちょっと変わった切り口で面白いが、
率直に言って、BIRDERを購読する層のニーズに合っているかは疑問なところ。
1冊1,000円する趣味雑誌を買うのって、大半社会人じゃなかろうか?

それなりに興味深かったが、残念ながら家族とローンを抱えて転職できるわけもないし、
知人に保護団体の専従とかレンジャーとか野鳥ツアーの案内人とかいるだけに、
むしろストレスフルである。羽ばたきたい。

さて、Young Gunsの野鳥ラボは、「アカモズとその近縁種」。
セアカモズだのオリイモズだの、近年ややこしい識別グループである。
僕もセアカモズについて鳥学会誌に報告文を書いたが、
あの個体の識別についても、たぶん次号で色々指摘されると予想する。

何で「色々指摘される」と思うかというと、簡単に言えば
「セアカモズ」は近年になって日本で記録されだした野鳥なので、
圧倒的に情報不足の中で、結論を出したからである。
すなわち、
 ・日本で記録がないから、日本語で書いた文献がない
 ・国外の文献だと、世界のモズに関する本があるが、ヨーロッパ圏の文献なので、
  どうしてもユーラシア大陸東部についての記述は詳しくない
 ・そのくせ、似た種が交雑する
という、困った種なのである。
(世界のモズ図鑑として、例えば以下の文献がある。)


だから人によって、解釈と手持ち資料が異なれば、ツッコミたくはなるだろう。
僕としては可能な限り調べ、翼式という最も信頼できるポイントを根拠にして識別したつもりなので、
何を書かれても構わないが(それもまた識別力の向上である)、ドキドキではある。

付録の「春の干潟で見られる主なシギ・チドリ類の識別早見表」は、シギ・チドリ類が初めての方は、
参考までに持っておくと良いレベル。
なお、これほど典型的な個体ばかりではないので、注意は必要。

そうそう、こっそり「♪鳥くん」の図鑑の予告が掲載されていた。これも期待。

【目次】
第1特集 「職業=野鳥」な人たち
私が、「職業=野鳥」な人間として生き続けられた理由  文・写真●松田道生
野鳥プロフェッショナルたちの「仕事の中身」 環境省のレンジャー(自然保護官) 山本以智人(環境省やんばる自然保護官事務所)
日本野鳥の会レンジャー 大久保香苗(三宅島自然ふれあいセンター・アカコッコ館)
大学教授 上田恵介(立教大学)
研究機関の研究者 小高信彦(独立行政法人 森林総合研究所九州支所 森林動物研究グループ 主任研究員)
環境コンサルタント会社勤務 小野田信彰(仮名)
野鳥保護団体職員 岡安栄作(日本鳥類保護連盟 普及啓発室)
バードウォッチング専門店勤務&鳥類調査員 續ユキ子(ホビーズワールド/㈱日本鳥類調査)
バードウォッチングツアーガイド 田仲謙介(㈱ワイバード)
ネイチャーツアー会社勤務 橋場みき子(アルパインツアーサービス㈱)
エディトリアルデザイナー 國末孝弘(ブリッツ)
獣医 伊藤圭子(奄美動物病院)
博物館学芸員 小田谷嘉弥(我孫子市鳥の博物館)
動物園の飼育係 高橋幸裕(東京都恩賜上野動物園 飼育展示課 東園飼育展示係)
野鳥カメラマン 戸塚 学
イラストレーター 箕輪義隆
映像作家 平野伸明(つばめプロ)
雑誌編集者 杉野哲也(株式会社 文一総合出版)

第2特集 秋だけじゃない! 春のタカの渡り観察ガイド
東北〜九州発、春のタカの渡りの見どころレポート
伊良湖岬(愛知県) 文・写真●山形則男
龍飛崎(青森県) 文・写真●久野公啓
高知県のサシバ 文・写真●西村公志
鳴門海峡(徳島県) 文・写真●臼井恒夫
佐賀関城山(大分県) 文・写真●衛藤 豊
九州北西部 文・写真●伊関文隆

ENJOY BIRDING
Young Gunsの野鳥ラボ[アカモズとその近縁種] 構成●Young Guns
鳥の形態学ノート[ヨタカ口] 文・イラスト●川口 敏
Field Report[Fukushima 2] イラスト●水谷高英
私のケッサク!“鳥”写真[第16回入賞作品] 写真●読者の皆さん 選評●叶内拓哉
Bird Tracking[獣道] イラスト●赤勘兵衛
ぶらり・鳥見 散歩道[浅川の畔をのんびりと散策(東京都日野市・国立市)] 文・写真●♪鳥くん
野鳥圖譜[ヒバリ] 画・文●佐野裕彦
BIRD CHALLENGE for ビギナーズ[地面にいる地味な色の小鳥(ヒバリ、タヒバリ、カシラダカ)] 文・写真・イラスト●神戸宇孝
伝説の翼[スフィンクス(Sphinx)] 画●長島 充 文●斉藤ヒロコ
唐沢流・自然観察の愉しみ方[荒川と都市農業公園の魅力] 文・写真●唐沢孝一
東北の鳥たちは今[南三陸沿岸のコクガン(2/2)] 報告●嶋田哲郎
今月のプレゼント
全日本“鳥”フォトコンテストin JBF2013 入賞作品
オリンパス STYLUS 1が変える野鳥撮影スタイル[野鳥撮影だって手軽がいちばん!] 文・写真●小田切裕介
ケンコー「MILTOL 400mm F6.7 ED」インプレッション 文・写真●中村利和
「ヤン探」に参加して、仲間と楽しく鳥を見よう![井の頭公園Young探鳥会 with BIRDERレポート] 取材●♪鳥くん
あなたの記録が絶滅危惧種を救う!〜干潟でヘラシギを探そう!  取材●神戸宇孝
鳥獣採集家「折居彪二郎」という人  文●大畑孝二
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category: 野鳥

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2014年2月23日  

会誌作成、インフルエンザ、ブラック・ジャック

今週末は、月例の野鳥保護団体の会誌作成。
また、2年間更新していなかった総目次集も整理して、アップしました。
現時点で10年以上、134号継続していますが、これで文献資料として検索しやすくなるはずです。
僕らの会はもとより、香川県の野鳥保護・調査に活用されることを期待したいと思います。

一方息子は、昨日から発熱。本日検査したところインフルエンザB型でした。
僕はワクチンを打っていますが、次の感染者は誰か、戦々恐々です。

さて、子どもたちが漫画を漁る年齢になったので、
先日ブックオフで、「ブラック・ジャック」の1~3巻を購入しました。
内容の是非もあるし、時代的な制約もありますが、
とりあえず「ブラック・ジャック」も読んだことの無い人間には育ってほしくない。
一度読んでおけば、何かしらの判断材料にはなるでしょう。

そうそう、この「ブラック・ジャック」、文庫版がお手軽ではあるのですが、
収録順が発表順ではありません。
だからピノコとか、ブラック・ジャックの生い立ちとかが、わかりにくい。
割愛されたエピソードもありますが、
これから買い集めるのでしたら、「新装版」をお勧めします。


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category: 雑記:日々のこと

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第2図書係補佐  

第2図書係補佐
又吉 直樹



僕は堀辰雄を読んだことで、人生が変わった。
堀の「風立ちぬ・美しい村」を読んで抱いた驚きと疑問。
それに自分なりに回答を出すために、10代後半から20代前半までを使った。
自宅の書棚の奥底に、堀辰雄だけを集めた一角があるが、
何だか、自分の一部がそこに眠っているようだ。

もちろん他の作家も読んだし、推理小説や冒険小説も読んだ。
だが堀辰雄に代わるほどの衝撃は得られなかった。それは他の作品が劣っているという意味ではなく、
僕の中の何かに最も合うのが堀辰雄だったというだけだ。

文学にしろ何にしろ、フィクションを好む人間には、「誰々が好き」というのがある。
その理由なんて誰にも分からない。本人にもたぶん分からない。
ただ、ある作家が好きと自覚することは、自分の中に、その作家に近しい「何か」が有ると気づくことだと思う。

フィクションを読むのは、自分の心を彷徨うようにもの。
ノンフィクションを読むのは、自分の外の世界を彷徨うようなものではないだろうか。

「第2図書係補佐」は、又吉氏が読んできた小説について、
そのエッセンスからエッセイを展開し、最後に各小説を紹介するもの。
具体的な内容紹介はほとんどないが、たぶんそれは優しさだろう。
ネタバレを避けようと思えば、これくらいしか紹介しようがない。
それでも各小説が読みたくなるのは、又吉氏の正直さゆえかもしれない。

又吉氏は太宰系列なので、やや僕と系統が異なるのが残念だったが、
人によれば、かなり良いブックガイドになると思う。

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category: 読書

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この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義  

この日本で生きる君が知っておくべき「戦後史の学び方」 池上彰教授の東工大講義
池上彰




僕が各書籍に抱く感想は、もちろん僕固有の知識・体験に影響される。
読書論に話を広げるつもりは全くないが、一つのテキストに対して、読み方は千差万別だろう。

ただ、フィクションならともかく、
ノンフィクションにおいて、同じテキストに対する読み方が様々なというのは、あまり有り得ない。

もし発生すれば、それはテキストの質か、読み手のバックボーンが原因だろう。

もちろん、「知らないことを読む」のがノンフィクションの醍醐味だから、
読み手のバックボーンが著者と一致するはずはない。
しかし、著者が常識と思っている事項については、読み手との溝は、読み手が埋めるしかない。

現実において、他者や、この世界を理解することも、そういうことかなと思っている。

自分のまわりには深い溝がある。
それを埋められるのは、自分だけ。

ただ、できる限り埋めても溝が残り、理解しえないのなら、
それは仕方がないと思う。

僕が若い頃は文学畑だったのに、
いつしかノンフィクションや実学に傾倒していったのは、
たぶん溝の存在と深さに圧倒されて、焦っているためかもしれない。

本書は、「池上彰教授の東工大講義 学校では教えない「社会人のための現代史」」(レビューはこちら)の姉妹編。

2011年以降の課題である「復興」、「原発」、「対中国・韓国」、「バブル(アベノミクス」)などを足掛かりとして、戦後史のポイントを説明するもの。

「社会人のための現代史」と同様、池上氏らし完結で丁寧な説明がなされている。
主観を語る時も、公平性・客観性・中立性に配慮した書きぶりで、「記者」としての立ち位置の堅実さに安心感を持って読める。

僕が自意識を持ったのは80年代以降。だからあさま山荘事件とかまでは、全く記憶にない。
しかし、学校では深く教わっていない。
でも現代は、戦後体制のうねりの結果だから、やはり戦後史を知らないとよく分からない。
本書はその溝を埋める「教科書」として、特に2014年現在、45歳くらいまでの世代に役立つと思う。

ただ本書では、オウム真理教や各種犯罪についての言及は少ない。
たぶんそれらも、今後の日本を理解するには、重要なポイントになると思う。
これらに対する解説はあるのか、探してみたい。

【目次】
1 事故からわかる「想定外」のなくし方
2 どうやって敗戦の焼け跡から再生したのか?
3「軍隊ではない」で通用するのか
4 55年体制から連立政権ばかりになったわけ
5 米軍は尖閣諸島を守ってくれるのか?
6 エネルギーが変わるとき労働者は翻弄される
7 “普通の関係”になれない日韓の言い分
8 学校では教えない「日教組」と「ゆとり教育」
9 日本はなぜ不死鳥のように甦ったのか
10 経済発展と人の命、どちらが大事ですか?
11 米軍基地はどうして沖縄に多いのか
12 1968年、なぜ学生は怒り狂ったのか
13 日本列島改造は国民を幸せにしたか
14 アベノミクスはバブルの歴史から学べるか
15 なぜ日本の首相は次々と替わるのか
内容(「BOOK」データベースより)
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category: 歴史

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映画:パシフィック・リム  

パシフィック・リム


日本の特撮(怪獣・巨大ロボット)大好きギレルモ・デル・トロ監督による映画。
でっかい怪獣が出てきて、でっかい巨大ロボットで戦う。それが全て。

日本の特撮・アニメの王道的展開のため、話の先は読めてしまし、
人物の発言・キャラクターは、正直言ってクサいほどアニメ的。
(俳優の演技ではなく、脚本の問題。)

でも、こういう映画はエンターティメント。素直にその世界を楽しんだ方が良い。
これほど巨大ロボット×怪獣の戦いがリアルに見られるとは思わなかった。
日本の特撮やアニメを、正当に評価し、正当に進化させた映画として一級品である。

週末に何か楽しめる映画が見たいなあ、という方には、お勧めである。

監督:ギレルモ・デル・トロ、2013年公開。
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category: メディア:映画

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2014年2月 野鳥観察会  

野鳥観察会@栗林公園

本日は、栗林公園(高松市)で野鳥観察会を開催。
梅のつぼみが膨らみ、お茶会やカメラマンで賑わっていました。
観察会も、お馴染みの方・久しぶりの方・初めての方まで、
こちらも賑やかな観察会でした。

先月に続き、上空をミサゴ、ハイタカ、ノスリなどの猛禽類が飛びます。

ミサゴというワシタカ類は魚食性で、全国的には準絶滅危惧(NT)ですが、
ため池や穏やかな瀬戸内海で魚が多い香川県では、わりと良くいる野鳥です。

「ミサゴが巣にほったらかした魚が発酵して、それがうまいくて寿司になったという伝承をふまえて、
 『みさご寿司』っていう屋号を使う寿司屋さんがあります。
 栗林公園のすぐ近くにも「みさご寿し」っていうのがありますよ」など、
地元ネタを披露しつつ、楽しく回りました。

今回は、香川県では冬鳥のルリビタキ(♂)が見られたのが良かった。
(写真が小さくてすみません。僕は写真派でないので…。)
ルリビタキ前20140216

ルリビタキ横20140216

ルリビタキは、幼鳥は地味な褐色ですが、
雄は年々青い羽根に換羽し、
生まれて4年後の冬に、翼まで真っ青になります。
今回出会えたのはたぶん3年目(第3回冬羽。翼がまだ褐色)。
野鳥(特に小鳥類)は平均寿命が短いので、この齢でもなかなか出会えないと感じています。
元気に冬を過ごして、来年にも会いたいものです。


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category: 雑記:日々のこと

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本当にあった 奇跡のサバイバル60  

本当にあった 奇跡のサバイバル60
タイムズ



サバイバル。正式な定義は知らないが、
おそらく極限状態にあって、正気を保ち、生き延びること。
「事実は小説よりも奇なり」というが、時折り、信じられないサバイバルストーリーを聞くことがある。
本書は80のエピソードを収集し、アウトラインを紹介する。
1エピソードにつき、2~4ページで、時折カラー写真や地図が収録されており、細切れの時間でも読めるだろう。

80もあると散漫になりそうだが、収録されたエピソードのいくつかは、書籍化・映画化されているため、視聴したものも多い。
また「ハドソン川の悲劇」、「チリの33人の鉱山生き埋め」など、記憶に新しいエピソードも多い。。

気が付く中からいくつかピックアップしてみたので、収録内容の参考にされたい。
この他にもアポロ13号、古くは「アルカトラズからの脱出」や「パピヨン」などの元となった話もある。

さて、本書の特徴としては、「誘拐・人質」という犯罪がらみのサバイバルが収録されていること。
いわゆる事故や探検によるものではないが、確かにサバイバルには違いないだろう。
ただ、一個人(ないし組織)のつまらない欲望に命が翻弄されるのは、堪らなくつらい。

そう考えると、本書で生き延びた人々の背景に、何十万人が命を奪われている事実に気が付く。

また、現在もなお、アフリカなどで飢餓や内乱など、報道すらされないサバイバルもある。

「サバイバル」という言葉につい油断して惹かれてしまうが、
(自ら冒険・レジャーを求めた結果は別として、)
実際のところ、普通の人々がサバイバルをしなくてすむ世界の方がいい。

【目次】
第1章 サバイバル―極限からの生還
第2章 脱獄―脱出の大活劇
第3章 戦争―命をかけた逃走
第4章 難破―漂流の果てに
第5章 誘拐・人質―不条理な拘束

◯アンデス山脈での航空機墜落
人肉を食べて生き延びた点ばかりが強調されがちだが、この極限状態を終えた生存者たちのそれぞれの人生が考えさせられる。よって映画より文庫の方がお勧め。





◯骨折し、クレバスに落ち、仲間も去ってしまう
主人公の這ってでも進む姿に、早く助かってほしいと願うことしきり。

◯岩山ハイキング中に峡谷に滑落。右手が岩に挟まれて動けなくなる。
右手イタイ。

◯ナチスの収容所からの大量脱走
映画としても有名。スティーブ・マックィーンは子供の頃のヒーローでした。

◯南極探検の失敗、だが全員生還

◯ポル・ポト派による悲劇

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category: ノンフィクション

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2014年2月15日  

崎谷健次郎、PC復旧
崎谷健次郎の新譜が届きました。2013年10月に販売。知らなかった…。

最近は新しいCDも買わずに、昔買いためたものばかり聴いています。
(1965-75のアメリカのロック、さだまさし、佐野元春等々。)
ただ唯一、新譜が出たら買っているミュージシャンが、崎谷健次郎氏。

軽やかで、かつ抒情的なメロディーライン。
斉藤由貴の井上陽水カバー「夢の中へ」をご存知の方は、その軽やかな編曲が印象的かと思いますが、
この編曲が崎谷氏でした。

崎谷氏自身の楽曲では、高い声質とあいまって、ポップスの王道といえる雰囲気です。
でも、安っぽくはありません。
ソロデビューが1987年と早いのですが、たぶんあと5年遅ければ、
槇原敬之のような受け入れ方をされたのではないだろうか、とよく思います。
洗練されたポップスとしては、何しろ時代が早すぎた。

崎谷健次郎氏のオフィシャル・ホームページはこちら。
Kenjiro Sakiya.com

僕は98年頃から聴きはじめました。最初に知ったのはこの曲。
なんて穏やかな曲なんだろう、と感動しました。
>

就職したての頃、野鳥を見るため県外へ行った時には、
よく深夜の高速をジムニーでぶっ飛ばしてたのですが、
いつも崎谷健次郎のアルバムを聴いていました。

だから崎谷氏の曲を聴くたびに、あの頃の、何でもできそうな気持ちと、
どこまでも続く夜の高速を思い出します。
ああ、旅に出たいなあ。


ところで、PCがまた不調。今度は内蔵のブルーレイ/DVDドライブを認識しませんでした。
(デバイスのプロパティを見ると、
「レジストリ内の構成情報が不完全であるか、または壊れているためこのハードウェア デバイスを開始できません。 (コード 19)」と表示されます。)
この症状は、2回目です。前回は再起動で復活しましたが、今回はダメでした。
試行錯誤の結果、レジストリをいじる方法で解決しました。
僕自身のメモと、誰かの参考になるかもしれないので、僕のやった方法を記載しておきます。
ちなみにOSはWindows8.1。PCはNECのLavie LL750/Jです。

・チャームの検索で「regedit」を起動
・順番に、
 HKEY_LOCAL_MACHINE
 →SYSTEM
 →CurrentControlSet
 →Control
 →Class
 →{4D36E965-E325-11CE-BFC1-08002BE10318} を開く
・UpperFilters を削除 して、レジストリエディタを閉じる
・「デバイスマネージャー」を起動
・認識できていない(!マーク)ブルーレイ/DVDドライブを「削除」
・「DVD/CD-ROM」ドライブを選択し、
 「操作(A)」→「ハードウェア変更のスキャン」を実行
これで、「!」の付いていないブルーレイ/DVDドライブが戻ってきました。

また発生しそうな嫌なエラーですが、1度復旧できたということは、
また復旧できるということだ、と自分を慰めておきます。

上記の対策の参考にしたホームページを紹介しておきます。
ゆめとちぼーとげんじつと 
と~る@TroubleMakerの日常 

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category: 雑記:日々のこと

thread: 今日の出来事 - janre: 日記

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2014年2月14日  

本日も雪です。驚きです。

かなりの積雪が予報されていましたが、皆様の地域は大丈夫でしょうか。
我が家の子どもは休校になりました。

僕はといえば、まず通勤途中にぱらぱらと読んでいた、ミステリ作家・森博嗣氏の「MORI LOG ACADEMY〈1〉 (ダ・ヴィンチ ブックス)」を読了。
内容は、ブログ日記と、国語・算数など五教科にジャンル分けしたエッセイです。
単独のレビューまでは書きませんが、シンプルで正直な語り口で、かつ下世話な話題がありませんので、
安心して気軽に読めます。
少なくとも、週刊誌やTVを見るよりは、ずいぶん気持ちが良い時間が過ごせるでしょう。

さて、空いた時間に、溜まっている資料をPDF化しようと思ったら、Scansnap S1300をPCが認識しない。
正確には、認識するけど「無効」。復旧に時間を消費してしまいました。

思い当る原因はあります。パソコンは不必要にいじるまいと思っていたのに、
ある日悪魔が囁いて、Windows8.1にアップデートしてしまったのです。
以降、iPodを認識しなくなったり、複合機のスキャンソフトが対応しないなど、トラブル続出。
個人的には、Windows8.1×既存のソフトウェアの未対応 → そのソフトで動作するハードウェアの無効化、という悪循環を感じています(あくまで個人の感想)。

昔は、1つのハードには1つのドライバだけで対応してたので、不具合が出ればそのドライバ1つ再インストールすれば良かった(これも個人の感想)。思えばあの頃(Windows95以前)はシンプルでした。

今のトラブルは、いくつものドライバが関わっていて、解決が大変。そもそも解決できる気がしません。
新しいOSには新しいハードウェアということでしょうが、そう簡単に過去のハードは捨てられないし、
今後もOSとハードの世代間トラブルは増大しそうです。

そうそう、Scansnap S1300は、結局「再起動」で復旧しました。時間よ戻れ。


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category: 雑記:日々のこと

thread: 今日の出来事 - janre: 日記

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もたない男  

もたない男
中崎 タツヤ



どっちかといえば、僕はコレクションタイプ。
本だと、その著者の本を全部揃えたくなる。
野鳥の羽根や巣の標本も多数。
1993年前後には沙弥島で貝殻を拾い(その頃はとても様々な種類の貝を拾えた。今は養浜のために砂入れされて全くダメ)、切手もあるし、化石も買ってしまう。
際限なく物が増えるので、実家にいた頃は本当に足の踏み場もなかった。
子供の頃から、多数の蔵書とコレクションに囲まれた生活がしたかった。

しかし結婚後、なんとなくモノの溢れた生活が気になりだして、
わりと捨てる人になった。捨てられないコレクションはコンパクトに収納して、
それ以外は捨てる。書類も捨てる。いろいろ捨てる。
本も、10分の1くらいになったのではないだろうか。
でも、まだまだモノが多い。
どうにかしたいと思いつつ、また今年を迎えたしだいである。


さて、本書「もたない男」というタイトルどおり、著者中崎氏は持たない。

何でも捨てる。

昨今の整理術とは異なるのは、捨てられないモノは、部分的にでも捨てるところ。

椅子の背もたれは、不要だからカットして捨てる。

ボールペンは、使い終わった部分をカットして捨てる。

読み返すと思って残した新書と文庫が揃っていないのが気になる。
ホームセンターで万力と金尺を買ってきて裁断し、
新書の余白をカットして捨てる。
それだけ苦労したのに、それも全部捨てる。

今は、本は、読んでいる端から分解して捨てているらしい。
丁寧に、表紙は減った分に見合うようカットする。
でも最後には全部捨てる。

全部捨てるなら、途中で捨てなくてもいいじゃんと思うのだが、
氏の感覚では許されないらしい。

何かポリシーが在っての「持たない男」かと思っていたら、
ポリシーも何もない、ただ気持ちが赴くままのロックな「もたない男」なのである。
まさに想像を超える捨てっぷり。

掃除や整理やシンプルライフの技術的な参考には全くならないくせに、
読後、我が部屋のモノを見境なく全部捨てたくなる。
とても危険な本なのであった。
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category: 整理整頓

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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御茶請け  ファミリーマートの「ファミマプレミアムバウム」  

「100種類のバウムクーヘンを食べる」計画進行中。

今回は、 ファミリーマートの「ファミマプレミアムバウム」を食べました。6種類目です。
よろしければ、ご覧下さい。

「100種類のバウムクーヘンを食べよう!」
♯006 2014年1月13日 ファミリーマートの「ファミマプレミアムバウム」
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category: 雑記:日々のこと

thread: スイーツ - janre: グルメ

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雪の一日。  

休日だったとはいえ、昨日の雪に苦労された方も多かったのではないでしょうか。
風邪、怪我、被害など無ければよいのですが。

雪に苦しめられている地域の方には申し訳ないのですが、
香川の内陸部では、積雪は数年に一回。
我が家では、子供たちと共に、朝は雪合戦・雪だるま作りなどをしました。

たくさん作った雪だるまたち。

ちっこいのが載ってます。
2014snow2

いい湯かげん?
2014snow1

目はキンカン。
2014snow4

目は、小さなタマネギ。口はトウガラシです。
2014snow3

ちっこい雪だるまも並べました。
2014snow5

午後、子供たちは譲り受けたチケットで、高松であった吉本新喜劇・漫才へ(渋いなあ)。
席が2人分しかなかったため、入口以降は付き添いませんでした。
子供たちだけで大丈夫かドキドキしましたが、しっかり満喫できたようです。

朝から夜までスペシャルな一日。
子供の頃の楽しい記憶は、たくさんある方が良いと思っているのですが、
この日が、彼らの思い出に残ることを願っています。
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category: 雑記:日々のこと

thread: 日記 - janre: 日記

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ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸 - メーヴェが飛ぶまでの10年間  

ナウシカの飛行具、作ってみた 発想・制作・離陸 - メーヴェが飛ぶまでの10年間
八谷 和彦,猪谷 千香



年に1回くらい、テレビでナウシカが放送される。
今は様々なイメージが氾濫しているが、
公開当時、ナウシカが作り上げた世界観はやはり強烈だった。

その中でも、王蟲とメーヴェは、ありそう(いそう)な雰囲気に溢れていた。

そのメーヴェに魅せられ、そんな感じの飛行具を作ってしまおうという人がいる。

とにかく、この動画をご覧いただきたい。

飛んじゃってるのである。ちょっと浮き上がっているだけと思うかもしれないが、
これが到達点ではない。
現在の試験飛行規制や技術開発から、これは正常なステップに過ぎないのだ。

このプロジェクトのリーダーは、いったい何を思い、どのようにして今日に至ったのか。
それを綴ったのが本書である。

単著者八谷氏は、収益があかる事業をそれなりに実施しながら、
本プロジェクトを続けている。

単なる思い付きではない。

技術的な停滞や資金的な停滞もあるが、それでも10年以上継続し続けている。
また、ハンググライダーや、
「トライク」というエンジン・プロペラ付のハンググライダーのようなもので飛行訓練をしたりと、
地道な努力も続けている。

羨ましくなるほどの「夢」だ。

ぜひ本書を読んで、このプロジェクトを知っていただきたい。

[付記1]
本書のおかげで、戦時中にあれほど進歩した国産飛行機が消滅した理由を知った。
さすがアメリカ(褒めているのではない)。やることが徹底している。

[付記2]
八谷氏の動画を検索していたら、ラジコンでラピュタのフラップター(こっちは虫みたいな羽ばたき飛行)を作ってしまっている人(角田和彦氏)も見つけた。

こっちもすごい。
この人、他にも変な(褒め言葉)ラジコン飛行機たくさん作っている。

羽ばたき機と超小型飛行機

八谷氏といい角田氏といい、個人がこんなもの作ってしまうんだもの、
日本人って本当にすごい。アメリカが恐れたのも当然である。


【目次】
プロローグ
第1章 プロジェクト始動
第2章 グライダー機を飛ばす
第3章 舞台裏
第4章 ジェットエンジン搭載
第5章 宇宙と空と
エピローグ
猪谷千香 八谷和彦さんは、なぜ飛行機を作ったのか?
あさりよしとお 無尾翼機のひみつ

【メモ】
p41
敗戦後、日本の高い航空技術を懸念したGHQは、飛行機を破壊し、製造・研究も禁止した。
「航空禁止令」
仕事を失った技術者やエンジニアが鉄道や自動車に転身したので、それらの性能が向上した。

p43
1952年のサンフランシスコ講和条約を経て、1956年に航空禁止令が全面解除。
「YS-11」計画が発足。
「零戦」の堀越二郎、「隼」の太田稔、「紫電改」の菊原静男、「飛燕」の土井武夫、「航空研」の木村秀政が参加した。

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category: 技術

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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雪が降っています。  

香川としては寒い一日です。珍しく雪模様。
通勤時間がある日があと1日ありますが、今週は3冊読了。なかなかの収穫でした。
タイトルを書いちゃうと楽しみ(誰の?)がなくなりますので、内緒です。いずれまた。

また、毎日2、3章ずつ読んでいる本もあります。
1章は4~5ページ程度ですが、知識や感性を動員してじっくり読むのが楽しくて、これが精一杯。
こういう読書は久しぶりです。
早く紹介したいのですが、読み終えるのがもったいない。
だからこれを紹介できるのは、ずいぶん先になると思います。

ちなみに、ちょっと前に触れた「封印サイトは詩的私的手記―I Say Essay Everyday (幻冬舎文庫)」ではありません。
まあ森 博嗣氏の日記本は、また別の(「MORI LOG ACADEMY〈1〉 (ダ・ヴィンチ ブックス)」)を並行して読んでいます。 こちらも気分転換には良いものです。

他にも読みたい本は山積。
でも読みたい本と、たぶんいずれ読む時間があると思えるのは、幸せなことですね。感謝。

さて、最近、ブログのタイトルを変えよう、と考えているところ。
理由は単純で、携帯でこのブログにアクセスしようと思ったら、ものすごく検索しにくかったため。
いいタイトルを模索しています。
そういう目で見たら、皆さんのブログ名はセンスいいですね。
いくつか候補は考えましたが、もう少し悩むことにしましょう。

明日も寒そうです。週末までに落ち着くと良いのですが。ではまた。
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category: 雑記:日々のこと

thread: 今日の出来事 - janre: 日記

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オオカミの護符  

オオカミの護符
小倉 美惠子



生物としてのニホンオオカミにはもちろん興味があるのだが、
日本人と動物との繋がり、そして日本人にとっての神という中で、
「オオカミ」という存在はかなり気にかかる。
スピリチュアル方面でも、三峯神社のオオカミは有名である。

しかし、長い日本の歴史の中で、
普通の人々がどのように山の神≒オオカミと関わってきたか。
今一つ、実感がなかった。

そこで非常に読みたかったのが、本書である。

地元の伝統行事を撮影し、記録し始めた著者。
その実家の土蔵の扉に貼られた一枚の「オイヌさま」の護符。
それが実家に有るのは、「御嶽」という伝統からだった。

御嶽とはどこか。
講とは、どんな行事だったのか。
そして平野に生きる人々にとって、「山」はどんな意味があったのか。

それを追求していく中で、しだいに著者は、
「山」と平野のつながり、そして山に住む人々にとっての「山」の意味を知り、
かつて、日本人が連綿と受け継いできた山への信仰、神とのつながりを明らかにしていく。

アカデミックな話ではない。
人と人との出会い、丁寧な会話が、失われた日本の心風景を甦らせていく。
かけがえがない。しかし、失われつつあるもの。
奇跡的なタイミングで、記録映画と、本書を残してくれたことに、感謝したい。

著者の会社はこちら(ささらプロダクション)。DVDも販売している。

また、本書の中でも語られているが、
明治維新でも、第二次世界大戦でも失われなかった古代からの信仰が、
今まさに失われつつある。
それも、誰も知らないところで、ひっそりと。
僕らは、日本という世界でも稀な歴史を有する国にいながら、
気が付かないまま「歴史の断絶」に立ち会っているのだ。



ところで、本書では生物としてのニホンオオカミについては、
絶滅したものとしてほとんど触れられていない。
しかし本ブログでも書いたが、ニホンオオカミは「見られていない」状況が継続しているだけであり、
国等による丁寧な調査がなされているわけではない。
むしろ、「ニホンオオカミではないか」という目撃譚がありながら、
それを「絶滅したからニホンオオカミではない」と否定する。
これは論理的なようで、思考停止した論理である。

そもそも、ニホンオオカミとはどんな特徴を持っているのか。
それすら知らないのに、どうして「ニホンオオカミではない」と言えるのか、すごく不思議なのだ。
(ニホンオオカミの特徴は、「ニホンオオカミは生きている」(レビューはこちら)中に今泉博士が詳しくまとめている。)

・本書は現時点で、最も客観的かつフェアにニホンオオカミの生存可能性を整理している本と思う。


また、ニホンオオカミを今も探索している人もいる。
ニホンオオカミを探す会の井戸端会議

このブログを見れば、今も「不確定な目撃情報」は続いている事実があることがわかる。
どうしてこれを検証せずに全否定できるのか。
日本の原風景の一部であるニホンオオカミを、安易に否定し、諦めるのはなぜだろうか。

心から、この方が何かを見つけることを期待している。
(また無責任に否定されるかもしれないが。)



【目次】
第1章 三つ子の魂百まで
第2章 武蔵の國へ
第3章 オイヌさまの源流
第4章 山奥の秘儀
第5章 「黒い獣」の正体
第6章 関東一円をめぐる
第7章 オオカミ信仰
第8章 神々の山へ
第9章 神々の居場所
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category: 歴史

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件  

殺人犯はそこにいる: 隠蔽された北関東連続幼女誘拐殺人事件
清水 潔



「北関東連続幼女誘拐殺人事件」といっても、知らない方の方が多いと思う。
現在連続事件とみなされているのは、次の5事件。

(1)1979年 栃木県足利市 5歳女児
(2)1984年 栃木県足利市 5歳女児
(3)1987年 群馬県新田郡尾島町(現・太田市) 8歳女児
(4)1990年 (足利事件) 栃木県足利市 4歳女児
(5)1996年 (失踪事件) 群馬県太田市 4歳女児

これらの事件には、次のような共通点がある。また犯行は半径10キロの範囲内。
・被害に遭ったのが4歳から8歳までの児童
・パチンコ店が行方不明の現場(3事件)
・河川敷で死体遺棄(3事件)
・金曜、土曜、日曜および祝日に事件が発生(4事件)
これがなぜ未解決なのか。
なぜ宮崎勉による「東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件」や、
「酒鬼薔薇聖斗」による「神戸連続児童殺傷事件」ほど認知度が低いのか。

それは、この事件が未だ、「連続誘拐殺人事件」としてきちんと捜査されていないためだ。

発生当時は、連続性が認められていた。
「足利事件」「菅家さん冤罪」などのキーワードは、記憶されているかもしれない。
(4)1990年のこの事件で、警察は菅家さんを(1)1979年、(2)1984年の事件でも逮捕。
ところが検察で、嫌疑不十分として不起訴になっている。

だが世間では、容疑者報道か菅家さんを(1)(2)(4)の犯人として認知。
そして菅家さんが(4)の事件で有罪となり、
事件は「何となく」解決したイメージとなってしまった。

しかし、著者清水潔氏の丁寧で徹底的な取材により、
実は菅家さんが冤罪であることが判明する。(4)の事件も未解決となったのだ。
(なお、著者はむしろ(1)~(5)が連続事件であり、未解決であると確信したため、
 菅家さんの冤罪を晴らした。)

著者は当時始まったばかりのDNA鑑定の齟齬、警察による不利な証拠の隠滅、
マスコミの「調べない報道」などを追及しながら、
真犯人と思しき人物にまで到達している。

だが、本書刊行時、まだ警察による捜査は行われていない。

この事件を再捜査すれば、警察の当時の捜査方法や、
当時のDNA鑑定の信憑性(中には既に死刑執行されたものすらある)が問題になるため、
警察は手をつけないように放置しているようだ。

だが、5人もの子供が犠牲になっているのだ。
もちろん人数が問題にはならない。たった一人であっても、徹底的な捜査は必要だ。
しかし、菅家さんを冤罪にしたことで、捜査が完全にストップしている。放置と言っていい。
それは被害者と、被害者の遺族にとって、余りにもひどい。

様々な問題はあるだろう。DNA鑑定を疑うことで、新たな冤罪の発覚もありうる。
しかしそれよりも、まずは「この犯人」を逮捕すること。それが警察の仕事だろう。

おそらく個々の刑事・警察官には、この事件を解決したい人もいると思う。
組織がそれを抑えているならば、
その組織を動かせるのは、いわゆる世論しか残っていない。

本書を著者が刊行したのも、様々な働きかけをしたが事態が動かないためゆえと思う。
ならば、一人でも多くの人が本書の存在を知り、できれば読み、
そのうねりが、改めて再捜査を求める動きとなることを願う。

今この時、日本人が読むべきノンフィクションというのがあるとすれば、
本書である。

【目次】
第1章 動機
第2章 現場
第3章 受託
第4章 決断
第5章 報道
第6章 成果
第7章 追跡
第8章 混線
第9章 激震
第10章 峠道
第11章 警鐘

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category: 事件・事故

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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