ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

今週のまとめ(先週のまとめ)  

9月が終わります。
窓の外では虫の鳴き声が響いています。

ちょっと肌寒い日に、高く晴れ渡った10月の空を見上げていると、
吸い込まれるような気さえします。
僕は一年のうちでは10月が一番好きですが、皆さんはいかがでしょうか。

さて昨日、5月のリベンジで、
坂出市沙弥島へウミウシ探しに行きました。
なぜこの時期かというと、昔のフィールドノートで9月に見た記録があったから。

でも干潮がやや緩くて、目当ての海藻があるタイドプールが出現せず、結局またもウミウシには出会えませんでした。残念。
まだ海藻の発達も悪かったし、海水温が高いのかなあ。

ただ人気のない磯場でお菓子を食べるだけでも、子どもたちは非日常的で面白かったようです。
次はいつチャレンジしようか。巻き込まれる家族はかわいそうですが、
昨日のように、モスバーガーで許してもらいましょう。


■今週のBOOKS

JAMSTECフェアという感じですが、深海探査船の船長の話なんて、
やっぱり簡単に聞けるものではありません。
ぼくは「しんかい6500」のパイロット

どうして微生物界にはこんなに面白い人が多いのか。
生物学者・研究者になりたいという若い方は、ぜひ読んでください。
微生物ハンター、深海を行く

西洋絵画は「読む」ものだと痛感。1枚の絵を見るのにも、様々なバックデータが必要なことを知ると、
文化ってのは歴史の積み重ねだなあと思います。
聖書と神話の象徴図鑑

一時期よりは自己啓発本を読まなくなったのですが、
時々は読んだ方が、やっぱり向上心が刺激されます。工夫は大事。
「知」のシャープナー


■今週のMUSIC
中学校の頃、ラジオからボサノバが流れてきました。
それまで聴いたことがなく、慌てて録音。
大人っぽい感じに、しびれました(死語)。
中でも心地よかったのが、「Samba de soho(SOFOのサンバ)」
小野リサさんとかもカバーしてますね。
ただどの方も、かなりテンポが早い感じ。
アレンジで最も近いのがこのAstrud Gilbertoのですが、
ラジオで流れたのはこの2倍くらいスローテンポでした。本当はそっちが好きです。

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category: 雑記:今週のまとめ

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「知」のシャープナー  

「知」のシャープナー
御厩 祐司




日記、は難しい。
アナログの場合だと、書きやすいけれども、
多くは1年単位で別冊になる。
これでは過去の情報を活用することは難しく、単なる思い出にしかならない。
かといって、3年日記などにすると、とたんに重くなる。
僕も一度10年日記を購入したが、あまりの重さにやめてしまった。
では、デジタルならいいのか。
一昔前は、家や職場など、様々な場所で同一データにアクセスすることはできなかった。
そのためには、PCそのものを携帯する必要があった。

ところが近年では、クラウドサービスが普及している。
PCどころか、スマホで同期できる。恐ろしく便利な世の中になったと思う。

そのメリットを活かす日記システムが、本書のMY法である。

MY法とは、
縦軸に月日、横軸に年をとったマトリックス(Excel等で作成)を用いて、
デジタルな連用日記をつけるもの。
何を書くか、どう使うかは人それぞれだと思うが、一つのケーススタディとして本書は活用できるだろう。

その他本書では、「シャープナー」(鋭くする道具・磨ぐ道具)としているとおり、
著者が自らの「知」を研ぎ澄ますために用いているソフト・ハード両方の手法が紹介されている。
向き不向きもあると思うが、一読して参考にしても良いと思う。

さて、最後に僕の工夫を。
MY法はいいのだが、気になる点がある。

①仕事とプライベートが混在して良いのか。
情報管理が重要な今、業務記録を入力した記録を、クラウドベースでプライベートで共有してよいのか。
もしパスワードが漏洩すれば、公私ともども大変な事態になりかねない。
もちろん一人の人間の活動を分かつことはできないが、
僕としては、業務日誌とプライベートな記録は、完全分離しておく方が安心である。

②特定キーワードで抽出しにくい。
単純なリストデータであれば、Excelで抽出・一覧化は簡単である。
しかしMY法のように、縦横のマトリックスでは一覧化は難しい。
これでは、過去の記録を活かすのも一苦労ではないのか。

そこで、僕の記録方法も参考までに紹介しておく。
使用するのは同じくExcel。
項目として、
日付|作業名|サブ作業名|作業内容 を書く。

例えば、
H25.8.22(木)|○○会|○○会議|出席 という感じだ。
これを、どんどん上に挿入していく(つまり、下のほうが古いデータ)。
一方、将来の予定は今日よりも上に入れておく。

H25.9.5(木)|△△△|企画書|提出期限

H25.8.22(木)|○○会|○○会議|出席 ←今日
H25.8.21(水)|□□□|□□協議|説明資料作成

という感じ。これで10年くらい入力している。

これだと、例えば「○○会議」というキーワードで抽出すれば、
簡単に一覧化できる。
(もちろんこのデータは職場のPCにのみ保存。)

様々な方法があると思うが、
「知」の力を研ぎ澄ますために、様々な方法を活用する筆者の姿勢は励みにもなる。
なお、こうした「工夫」をする筆者が、いったいどのような手帳術を持っているのか。
システム手帳を使っているようだが、これも気になるところだった。

【目次】
はじめに~「知のシャープナー」とは?
第1章 理論編~「知のシャープナー」の土台づくり
 1 無限連用日記とは?――一生買い替えなくてもいい日記
 2 日記に込める知の7要素
 3 名づけて「MY法」――マトリックスは創造の母体
 4 私の日記遍歴
第2章 実践編~「知のビッグピクチャー」を描く
 1 なぜマトリックスの日記をつけるのか?
 2 マトリックスの日記はこうつける――知的な日記の5原則
 3 マトリックスの実例解説
第3章 応用編~「冴えるカタログ」を編集
 1 「サエカタ」とは?
 2 サエカタの柱I――環境を整える
 3 サエカタの柱II――アウトプットを磨く
 4 サエカタの柱III――健康力を高める
第4章 発展編~「ソーシャル・シャープナー」で社会に貢献
 1 知のリレー――親から子、前任から後任へ
 2 知のコラボ――チームシャープナー
 3 知のアセス――超エントリーシート
 4 知のコントリビューション――めざせ! 社会兼業家
 おわりに~想定問答集


【メモ】
p133
家(1st)、職場(2nd)と異なる隠れ家(3rd place)
隠れ家としているが、知的生産の場所
明確に把握することで、更なる知的生産が可能となる

p146
プレゼン SHORT 短く
Subject 主題
Humanity 人間性(情)
Originality 独自性
Reason 根拠(理)
Tempo 緩急

p168
義務的休養「睡眠」は天引き(必要経費と考える)
睡眠は個人差が大きいので、自分に合ったの睡眠スタイルを確立し、貫いていくこと

p182
市場で評価されて得られた財を、市場ベースに乗りにくい知の活動に分配することにより、知の多様な発展を図る
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category: 自己啓発

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聖書と神話の象徴図鑑  

聖書と神話の象徴図鑑
岡田温司



西洋絵画-特に神話や聖書、伝説を描いた作品は、寓意とシンボルのに溢れている。
一見よく分からない小物にも、様々な意味が込められている。
その多くは一定の約束事の上に成立しており、
その知識が西洋絵画を「読み解く」前提となる。
例えば、聖人とあわせて描かれる属性(アトリビュート)。それを知っていれば、使徒とキリストを描いた作品でも人物の特定が可能となり、そこから絵画が描いた世界が分かってくる。

本書では、それらアトリビュートをはじめ、
様々な絵画を紹介しながら、それらに込められた寓意を説明していく。
オールカラーであり、西洋絵画に興味がある方には便利な一冊になるだろう。

それにしても、
皮を剥がれた聖人バルトロマイのアトリビュートが皮剥ぎナイフで皮革業や毛皮商人の守護、
ペンチで歯を抜かれて下顎を砕く拷問を受けた聖アポロニアのアトリビュートがペンチで歯医者の守護っての、
やっぱり悪趣味な気がする。そこは呪うところではないのか。

なお、類書に「名画でたどる聖人たち もう一つのキリスト教世界」(レビューはこちら)がある。
こちらは聖人に特化しており、聖人に興味がある方にはこちらをお勧めする。

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category: 美術

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ぼくは「しんかい6500」のパイロット  

ぼくは「しんかい6500」のパイロット
吉梅剛



微生物ハンター、深海を行く」(レビューはこちら)でも書いたが、
「しんかい6500」を有する独立行政法人海洋研究開発機(JAMSTEC) がらみの書籍の刊行が続いている。

本書の表紙写真も、「微生物ハンター、深海を行く」と全く同じ「しんかい6500」の写真。
「ああ前にも見た本だな」と思って間違われそうである。

で、本書はそのものズバリ、「しんかい6500」のパイロットの自伝的活動紹介である。
人に歴史ありっていうけれど、皆さん色々な紆余曲折とドラマを経ているなあと改めて感動した。

ダイオウイカ調査や高井研氏とか、当たり前のように「しんかい6500」で潜っているけれど、
このレベルの潜水調査船を維持・運用する大変さ、裏話が本書で綴られている。
なかなかドラマチックであり、世が世ならプロジェクトXであろう。

こうした見知らぬ分野のスペシャリストの話って、本当に面白い。
しかもこれほど深く潜れる有人潜水調査船は
世界で7隻のみ。
(アルビン(米) / ノチール(仏) / ミールI&II(露) / しんかい6500(日) / コンスル(露) / 蛟竜号(中) )
もちろん日本ではこれ1隻だから、
大深度有人潜水調査船の話としては、本書は日本唯一である。これを読まずにいるのはもったいない。

【目次】
はじめに
第一章 「しんかい6500」と深海への旅
第二章 深海で出会った生きものたち
第三章 そして、「しんかい」のパイロットへ
第四章 「しんかい6500」での初潜航
第五章 整備点検も自分たちの手で
第六章 「しんかい2000」で訓練を積む
第七章 深海に生まれしもの
第八章 逃げる潜水船、喜ぶ研究者
第九章 調査潜航までの長い道のり
第十章 潜航中止を決断するとき
第十一章 深海に挑んだ人びと
第十二章 音響を制する者が深海を制す
第十三章 「しんかい6500」の未来像――新しいステージへ
おわりに
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category: 技術

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微生物ハンター、深海を行く  

微生物ハンター、深海を行く
高井研



近年、科学界のインディ・ジョーンズこと長沼毅氏によって、
深海や南極・北極、砂漠という極限環境の生物がクローズアップされている。
特に深海生物、チューブワームとかシロウリガイとか好熱菌とか、
これまで語られることがなかった生物までTVで聞くこともある。

そこに、ダイオウイカである。
この巨大生物のおかげで、一挙に深海ブームとなったらしい。

この流れに乗って、深海探査の立役者、
「しんかい6500」を有する独立行政法人海洋研究開発機(JAMSTEC) がらみの書籍も刊行が続いている。

本書もその一環だなあ、と思い軽く手に取ったのだか、
予想を裏切られた。

長沼氏に劣らず強烈なキャラクター、
天才(だってご本人のツイッターがそうだから)であり、
スタンドはスター・プラチナである(「ジョジョの奇妙な冒険」をご存じでない方はごめんなさい)。
高井研氏の登場である。
何で深海関係ってこんなに濃い人が多いのかなあ。

本書は高井研氏が研究を志し、現在に至るまでの試行錯誤・研究遍歴をあからさまに綴ったもの。
その文体は独特であり、ジャンプとか漫画ファンなら楽しめるが、
人によってはかなり拒絶するかもしれない。

でも、一人の最先端研究者の人生という、希有な読み物である。これを読まない手はない。

また高井氏も書いている通り、そもそもこの本は研究を志そうかなあという若い方こそ、
読んでおくべきだろう。

研究者になるにはどのような苦労があるか、ということも綴られている一方、
どんなにワクワクする出来事があるか。

努力と工夫次第で、道が拓けるかもしれない可能性は、誰にでもある。
もし研究者になりたいという夢があるなら、とにかく若いうちはそれを追いかけてもいいんじゃないだろうか。そんな気にさせてくれる、応援歌のような本でもある。

僕はもちろん高井氏のターゲットである読者層ではないけれども、
調査研究したいなあという昂ぶってきたし、
とても楽しく読ませていただいた。

本当に、高校生と大学生には、強くお勧めする。






【目次】
第1話 実録! 有人潜水艇による深海熱水調査の真実
第2話 JAMSTECへの道 前編
第3話 JAMSTECへの道 後編
第4話 JAMSTEC新人ポスドクびんびん物語
第5話 地球微生物学よこんにちは
第6話 JAMSTECの拳―天帝編―
最終話 新たな「愛と青春の旅だち」へ

特別番外編
特別番外編1 「しんかい6500」、震源域に潜る
特別番外編2 地震とH2ガスと私
特別番外編3 極限環境微生物はなぜクマムシを殺さなかったのか
特別番外編4 25歳のボクの経験した米国ジョージア州アセンスでのでんじゃらすなあばんちゅーる外伝
特別番外編5 有人潜水艇にまつわる2つのニュース

【メモ】
p39
「科学の原動力は感動であることを再認識した。」玉木賢

p57
超好熱菌 80℃以上の高温で一番活発、中には100℃を超えないと動かいない細菌もいる
これらの菌のタンパク質は100℃以下ではカチカチに凍ったような状態
20種類のアミノ酸の組み合わせで、その繋ぎ方が違うだけで一方は100℃で機能を失った変性タンパク質になり、一方は活発に機能する。

PCR法は、好熱菌や超好熱菌が持っている、高温で壊れずに働くDNAポリメラーゼというタンパク質がキモ。


<近縁としてお勧め>










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category: 菌類

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今週のまとめ(先週のまとめ)  

再びの三連休でした。皆様いかがお過ごしでしょうか。
僕はあれをやろう、これをやろうと思っていましたが、
なかなか捗りませんでした。

とりあえず、気になっていた家の片づけは、少しだけやりました。

不要と思われる箱とか服とかを、どんどん処分しました。
断捨離とまではいきませんが、少なくとも不要なものをずっと持っておくというのは、
やはり経済的にも精神的にも良い状態とは思えません。
寒くなったら動きたくなくなるので、ここ2カ月が片付けの勝負と思っています。

さて、合間を見て少し家の周辺を散策しました。
シオカラトンボの雌に遭遇。よく見ると、羽根がボロボロでした。
シオカラトンボ 雌
頑張って生きてきたんだな、と実感。
でも最近、越冬のために自宅周辺にかなりの数のモズが渡来して来ています。じきにその餌になるのかもしれません。
残酷なようですが、現在いるモズも、今年生まれた幼鳥がほとんど。
いい縄張りと十分なエサがなければ、冬を越すことはできません。

夏に繁殖した昆虫が疲れ、死んでいく時期に、
越冬のための野鳥が増加する。
当たり前とはいえ、生き物は日本の四季をうまく利用しているなあと思います。

こちらは3羽いたトビの幼鳥のうち1羽。分散時期なのかもしれません。
鳴き交わしながら飛び回っていたら、ハシブトガラスに怒られてた。こっちも頑張れ。
若いトビ

■今週のBOOKS
非常に身近な物質、炭素。それがどれほど人間に役立っているのか、
とても具体的に教えてくれます。
炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)

荒俣氏の好奇心は、すごい。
各ジャンルの第一人者も、すごい。
すごい人のすごい話

よくみかけるダンゴムシ。
その全てがここにあります。変な生き物好きにはお勧めです。
ダンゴムシの本 まるまる一冊だんごむしガイド ~探し方、飼い方、生態まで

■今週のMUSIC
僕はビートルズより、ビーチボーイズが好きな人間なのです。
最初期のもいいですが、高校の頃見つけたアルバムが、
「ザ・ビーチ・ボーイズ '85」 (The Beach Boys)。
ビーチボーイズ特有の美しいハーモニーが楽しめる一枚です。
お勧めは、She Believes in Love Again 。
ブライアン・ウィルソンではないですが、切ないラブソングです。


ついでにもう1枚。
大学の頃、ウィンダム・ヒル・レコード(Windham Hill Records)が流行りましたが、
その陰でひっそりあったレーベル、ナラダ・プロダクション(Narada Productions)。

そのコンピレーション・アルバムとして、「NARADA Acoustic」がありました。
その中でも、一際リリカルな音色だったのが、David LanzのNocturne。
秋から冬の夜に、ぴったりの一曲です。
>


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category: 雑記:今週のまとめ

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ダンゴムシの本 まるまる一冊だんごむしガイド ~探し方、飼い方、生態まで  

ダンゴムシの本 まるまる一冊だんごむしガイド ~探し方、飼い方、生態まで
奥山 風太郎,みのじ



久しぶりの「変わった生物」の本である。見つけた瞬間、心の中で喝采であった。ダンゴムシだよ。
なるほど良く見かけるけど、ほとんど何にも知らない。別に知る必要もないけど、もしかしたら面白いかもしれない。いたね、こんな生き物。
そんなダンゴムシの魅力を、期待に違わずこれでもかと紹介してくれる一冊。
こんな本が出版されるとは、何という楽しい時代だろうか。

さて、ダンゴムシ。よく見かけるのはたぶんオカダンゴだが、これすら帰化種だったとは驚きである。
どおりで近所のお年寄りは「そんなん知らんがな」と言うはずだ。たぶんその方が若い頃は、このあたりにはいなかったのだろう。
またオカダンゴを初め、多数の帰化種がある一方、日本にはこれほど多種多様なダンゴムシがいたとは。

図鑑部分では、約40種を掲載。ページをめくるたびに驚きである。多くの在来種の生息域は森林らしいが、奥ゆかしい雰囲気である。
また、各種ダンゴムシの走るスピードも、単位:od(オカダンゴムシ)で比較。各種を飼育した筆者ならでは視点だが、それぞれの種をイメージするのに役立つ。

おかげで今度山道で石をひっくり返す喜びができた。
まずオカダンゴの特徴をだけを覚えておいて、それと違う種が出たら要チェック。
四国にしかいないナミベリハヤシワラジムシも見てみたいものだ。

それにしてもこういう風に、
知らない世界の生物多様性をぱーっと見せてくれると本当に楽しいものである。
日本の生物相の魅力をまた一つ発見という感じであった。

本書は大人向けで、
写真もダンゴムシが生理的に嫌いでなければキュートに感じるクオリティ。
ダンゴムシに関する類書は、ほぼ全て児童書なので、生き物好きには力強くお勧めの一冊である。


【目次】
はじめに~なぜ、ダンゴムシは人気者なの?
1 ダンゴムシって?
 ダンゴムシのからだ
 まるまるダンゴムシ
 ダンゴムシの一年
 ダンゴムシの赤ちゃん誕生
2 ダンゴムシと仲間たち図鑑
 図鑑の見方
 ダンゴムシ
 Column No.1 何の仲間?
 ワラジムシ
 フナムシ
 Column No.2 ヨーロピアンです
 ソノホカ
 まるまる仲間たち
 Column No.3 青いダンゴムシ
3 ダンゴムシを愛でる
 飼育に必要なもの
 ダンゴムシ飼育の基本
 樹上性ダンゴムシの飼い方
 ハマダンゴムシの飼い方
 ダンゴムシの食事
 コンクリがお好き?
4 ダンゴムシを探してみよう
 必要な道具、採集方法
 身近な場所でダンゴ探し
 沖縄でダンゴ探し
 浜でダンゴ探し
 Column No.4 からだの大きさ
5 ダンゴムシが好き!
 ダンゴムシグッズ
 ダンゴムシ本
 ダンゴムシと出会える施設
 あとがき

【メモ】
p15
体は半分ずつ脱皮する。数時間以内に両側を脱皮した例は筆者は見たことがなく、ほとんどは翌日に脱皮する。半分ずつ脱皮するのは、乾燥防止と捕食防止のためか。

p23
ダンゴムシの移動速度のスケールとして、個体のサイズ×10倍の距離を進む時間を使用。
10mmのオカダンゴムシが10cm進む速度が1od(オカダンゴムシ)。
フナムシの15odは、2.7秒/100m。

p59
マダガスカルのダンゴムシ トゲトゲがある。でも丸くなれる。

p71
ナミベリハヤシワラジムシ 四国のみ産。

p25、90
オカダンゴムシ:全国に普通だが帰化種
…ヨーロッパ原産 いつ日本に入ったかは不明。明治頃から目につくようになった。
明治18年頃に横浜港で発見。だいたい100年くらい。
そのため、「マルムシ」と他いくつかくらいしか方言がない。
また人(特に高齢者)によっては見たことがない。

ハナダカダンゴムシ
…ヨーロッパ原産 90年代後半に神戸で発見、2010年頃までは横浜で見られる。
ただ現在進行形で増えつつある。

オカダンゴムシ、ハナダカダンゴムシ、ワラジムシ、クマワラジムシ、オビワラジムシ、ホソワラジムシ
全て帰化種、日本以外でも様々な国で見られるので「世界共通種」と言われることもある

p103
青いダンゴムシ
 イリドウィルス科の病原体に感染した個体、通称イリドダンゴ
 一緒に飼育しても1%未満しか感染しないので、特定の遺伝子を持つ個体に感染するのか?(筆者)
 進行に伴いどんどん青くなる。目に見て青い個体は、1-2カ月以内に死ぬ。
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category: 節足動物

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炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす  

炭素文明論 「元素の王者」が歴史を動かす (新潮選書)
佐藤 健太郎



炭素、C。鉛筆でもお馴染みで、ダイヤモンド、炭、石油と、何となく分かっているような気がする物質。

しかし、その原子は単純・安定的であるがゆえに、恐ろしく多彩な化合物になる。
何と、天然又は人工化合物として知られている約7000万以上の物質のうち、
約80%が炭素化合物という。

地球の地表及び海洋での炭素が、重量比で0.08%しかないにもかかわらず、
我々人体の構成元素の18%は炭素。しかも水分を除いた体重の半分は炭素ということだから、
地球生命とは炭素化合物生命体と言える。

本書では、その多彩な炭素化合物について、
その性質はもとより、人との関わり、歴史的変遷なども踏まえて紹介していく。
【目次】を見ていただければわかる通り、
それぞれの炭素化合物はとても身近な物質ばかりだ。
これらがいかに人の歴史に関与したか。

先ほど生化学的な意味で、地球生命は「炭素化合物生命体」と言ったが、
本書によってヒトの歴史も「炭素化合物との関わり史」であることを痛感する。

これほどまでに、ヒトが特定の原子とその化合物に、依存というか囚われた存在だとは知らなかった。
「炭素文明論」という大上段のタイトルだが、それに反しない充実した本である。
世界を見る一つの角度として、本書の内容は押さえておきたい。


【目次】
元素の絶対王者
第1部 人類の生命を支えた物質たち
 文明社会を作った物質―デンプン
 人類が落ちた「甘い罠」―砂糖
 大航海時代を生んだ香り―芳香族化合物
 世界を二分した「うま味」論争―グルタミン酸
第2部 人類の心を動かした物質たち
 世界を制した合法ドラッグ―ニコチン
 歴史を興奮させた物質―カフェイン
 「天才物質」は存在するか―尿酸
 人類最大の友となった物質―エタノール
第3部 世界を動かしたエネルギー
 王朝を吹き飛ばした物質―ニトロ
 空気から生まれたパンと爆薬―アンモニア
 史上最強のエネルギー―石油
炭素が握る人類の未来

【メモ】
p15-16
地球の地表及び海洋での炭素=重量比で0.08%

しかし、化合物を作るという面では恐ろしいほど多彩
天然or人工化合物:約7000万以上 うち約80%が炭素化合物

人体の構成元素の18%は炭素(水分を除いた体重の半分は炭素)

p17
炭素は+にも-にも偏らない安定性を持っていることが決定的に重要
電子に偏りがない:炭素同士で結合してもはじき合わない
最も小さい部類:短く緊密な結合が可能、単結合・二重結合・三重結合など様々な結合が可能

p34
デンプン:水を加えて加熱することで、グルコースの間に水分子が入り込んで膨張する(糊化)。
ex)炊いた米、蒸かした芋
デンプンの鎖が緩んでいるので消化しやすくなる。

火を使った料理のため十分な炭水化合物が得られるようになり、大脳は発達

一方、糊化していないデンプンを消化する能力を喪失。

p43
縄文時代終期:日本の人口は60万人程度→3世紀:250万、9世紀6-700万
ヨーロッパ諸国を上回る人口=米によるもの

p56
ヨーロッパ:中世、トマス・アクィナスが「砂糖は食品でない(消化を助ける薬)」としたため、キリスト教における断食の日にも口にできるようになり、需要増大
一方、サトウキビは寒冷地で育たない=ヨーロッパでは育たない

コロンブスによるアメリカ発見:サトウキビの産地化
ただしサトウキビは土地を痩せされるため、頻繁な植え替え、製糖作業が必要
16世紀半ば
ヨーロッパ→武器→アフリカ→奴隷→アメリカ→サトウキビ→ヨーロッパ
の三角貿易が発達

p66
甘味:人工甘味料の発達
1879.サッカリン 砂糖の300倍 他、ズルチンやチクロ→毒性または毒性の疑い
アスパルテーム 砂糖の200倍
→反対運動:アスパルテームを構成する2つアミノ酸の一つ、フェニルアラニン
 フェニルアラニン:フェニルケトン尿症という遺伝病を持つ新生児が摂取すると知能障害の可能性
 ただし、
 ・フェニルケトン尿症=8万人に1人、埋まりた時に必ず行われる試験で判明
 ・フェニルアラニン:あらゆるタンパク質に含まれる
 ・新生児がアスパルテーム入りの菓子・飲料を口にす可能性がほぼない
現在:スクラロース 砂糖の600倍
2007年に日本でも新認可 ネオテーム 砂糖の1万倍
ラグドゥネーム(未認可) 砂糖の約22万倍

p65
甘味を感じる物質の構造には共通点がない。
クロロホルムやニトログリセリンなども強い甘味があるが、構造の共通点がない。
どういう分子が甘味を感じさせるのか、糖尿病の発症メカニズム、体内での糖の役割も未解明の部分が多い。

p70
香辛料の化学構造;ベンゼン環(いわゆる「亀の甲」)に酸素分子が結合した「フェノール」というユニットを持つものが多い。
これは消毒剤クレゾールなどにも含まれており、香辛料がある程度の殺菌力を持つのも納得できる。

p76
唐辛子:ヨーロッパでは流行らなかった
    アジア 16世紀以降にポルトガル人がもたらしてから流行(インドでもタイでも韓国でも。)

唐辛子:カプサイシン:体内でTRPV1という受容タンパク質に結合→痛みを感じる→熱さを感じる
唐辛子は痛覚と温覚
痛覚→それを癒すため脳内麻薬エンドルフィンが放出→満足感

p80
麻薬分子はカギとなる窒素原子を持つが、香辛料の分子はこれがない。
よって香辛料が強い向精神作用を持つとは考えられない。

p94
グルタミン酸は重要な神経伝達物質であり、この化合物がなければ人間は記憶も学習もできない。

p95
グルタミン酸は長らく欧米科学者からは「無味」とされていた-
欧米人が常食する肉などのうま味はイノシン酸(日本のダシに当たるブイヨンもこれ)。
欧米人はこれに慣れていた。
イノシン酸はグルタミン酸と一緒に口に入れると相乗効果があり、うま味を極めて強く感じることができる(昆布+鰹節は理に適っている)。
この作用があったため、欧米人は「グルタミン酸は他の味を変えるだけの物質であの、単独の味覚ではない」とされていた。
2000年、マイアミ大がグルタミン酸の受容体が舌の味蕾にあることを発見し、ようやく基本味であることが確定した。

p104
ある種のアルカロイドが毒になる理由
アルカロイドは窒素原子を含み、これはタンパク質と結合しやすい。運悪く生体に不可欠なタンパク質に結合した場合、その働きが阻害され、最悪死に至る。
ex)ストリキニーネ 脳内のグリシン受容体というタンパク質に結合し、中枢神経を異常に興奮させ、痙攣や呼吸麻痺を起す。
一方、窒素原子を含む化合物の多くはアルカリ性を示し、これを生態は苦みとして受け取るよう進化した。
アルカロイドの分子構造は千差万別だが、その多くは苦く感じられるから、これは理に適っている。

p123
コーヒー、紅茶、緑茶、コーラに共通するもの カフェイン
チョコレートにもカフェイン

p126
普段からカフェインを摂取していると、脳内のカフェイン受容体が増える=慣れる
初めてカフェインを摂取すると強い心拍上昇や血圧上昇があるが、それが次第に収まる。
カフェインが入るのが遅かった欧米では、今もカフェイン耐性が低い人が少なくない。
=カフェイン抜きコーヒーの普及

p130
カカオは、カフェインとわずかに構造が異なるだけの化合物テオプロミンを多く含む。その作用はカフェインより弱いが、一緒に摂取すると相乗作用がある。

p142
尿酸=痛風の原因
多くの哺乳類は尿酸を分解する酵素を持っており、痛風という病気は存在しない。
霊長類と鳥類、一部の爬虫類だけがこの酵素を失っている。理由は不明。
なお鳥は白い糞として尿酸を排出している。

p157
エタノールは興奮性の物質ではなく、いわゆる「ダウナー系」の薬物。
酒を飲むと人格が変わるのは、興奮して人格が変わっているのではなく、
本性を隠す能力が弱まり、本来の姿を出している。
「酒が人間がダメをするんじゃない、人間はもともとダメだということを教えてくれるものだ」立川談志

p162
高濃度の蒸留酒は悪条件でも保存がきく。大航海時代に船によく積まれた理由。

p164
新大陸でのサトウキビ栽培=砂糖の廃液(糖蜜)から作った酒がラム酒
「喧噪」を意味するイギリスの方言「ラムバリオン」(ルンバの語源でもある)から

p176
ニトロ基(-NO2)を含むニトロ化合物/火薬等

p188
より多くのニトロ基を狭い空間に詰め込むへく、スパコンで分子設計・結晶化法が研究されている

p192
空気中の窒素個体反応
1 稲妻により窒素分子を破壊し、酸素と結合させる
2 マメ科植物の根の特殊な細菌 これが持つ酵素ニトロゲナーゼが窒素分子をアンモニアに変換する

p195
1856年 アメリカ
「グアノ島法」アメリカ市民なら誰でも、グアノのある島を発見すれば領有権を主張してアメリカの領土にできる法律
ウェーク諸島やミッドウェー島などの太平洋の島々がこれにより領土化

p201
窒素不足の危機→食糧生産の危機
1913年 ハーバー=ボッシュ法 アンモニア合成プラント 人工窒素固定の装置
我々の食料に含まれる1/3の窒素を供給している
これが無ければ食糧増産は不可能だった
1918 ハーバー、1931ボッシュ ノーベル賞受賞

p204
ただし、ハーバー=ボッシュ法は恐ろしくエネルギーを消費する
原料の水素生産にもエネルギーが必要
→膨大な二酸化炭素排出

p205
リン不足 DNAやRNA合成に不可欠
島国ナウル リンを産出 21世紀に枯渇し暴動発生、一時は国ごと音信不通になった
このままだと2060年頃リン枯渇 

p216 
炭素 1つ メタン 都市ガス
炭素 3-4 液化石油ガス(LPG)
炭素 5-10 ガソリン
炭素 11-15 軽油
それ以上   重油
残油 アスファルト

石油は多くの成分に分けられ、それぞれが無駄なく利用できる理想的な資源

p218
石油:有機起源説と無機起源説 未だ由来不明
無機起源説:ロシアのドミトリ・メンデレーエフ
地球生成時に閉じ込められた炭化水素が変成したもの
この場合、想定よりも多く、地球深部から湧き出していることになる
・枯渇した油田を放棄していると再び湧くことがある
・産地による組成がほぼ一定
・生物とは無縁と思える超深度でも原油がある

p221
シェールガス:頁岩と呼ばれる粒子の細かい岩石に天然ガスが含まれている
世界の需要の300年分

シェールガス 炭素1:水素4 二酸化炭素排出量 石炭の55%
石油 炭素1:水素2 二酸化炭素排出量 石炭の80%
石炭 ほとんどが炭素

アメリカでシェールガス増産→中東の天然ガスが余剰→3.11後の日本が買い付けしている
3.11以前 天然ガス3割→ 3.11後 天然ガス5割

p231
現在の太陽電池:ケイ素結晶を用いる
フラーレン(炭素60個のサッカーボール型形態)を用いる→薄くて軽く、印刷するように生産できる 研究中

1991年 飯島澄男 カーボンナノチューブを発見
あらゆる原子結合中最強

p244
オーランチオキトリウム 1/1000mmの藻類
2009年 筑波大学 渡邉信教授 沖縄で発見
炭素化合物を食い、スクアレンを作る
スクアレン=炭素30個を含む炭化水素、本質的には重油と変わりない

適切な環境なら4時間ごとに倍増する



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category: ノンフィクション

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すごい人のすごい話  

すごい人のすごい話
荒俣宏



荒俣宏氏は、博覧強記の人として知られている。

しかし博識というのは結果であり、
膨大な蔵書と読書量というのは手段である。
時間と資金と場所と記憶力があれば、物理的には誰でも可能だろう。

荒俣氏が異なるのは、その好奇心である。
幅広く、オリジナルな好奇心があってこそ、それを知ろうとする意欲が発生する。
好奇心がないところに、博覧強記はあり得ない。

その好奇心を満たす方法が読書だと思っていたが、
ナマの人間から学ぶという方法も荒俣氏が取っているのは知らなかった。

いや、未知のことを知るためにはいかなる手段でもとるという、
荒俣氏のエネルギーには圧倒されるばかりだ。

で、本書はその荒俣氏の「押しかけ弟子入り」を側で聴く体験ができる一冊となっている。

収録された人は15人。
その分野が幅広いことはもとより、
「ハゲ研究」という、おそらく知的興味というよりは荒俣氏の極私的興味に基づくピンスポットな分野でさえも、その筋の第一人者から学ぼうというスタンスは恐れ入る。

ノンフィクション好きは結構好みの分野が偏ってくると思うが、
新しいワクワクする世界を知る入門書として、最適である。

これだけ様々な分野から「すごす人のすごい話」をつまみ食いできるのは滅多にないし、
それを全て深い関心をもって聴いていく荒俣氏も、やはりすごい人である。



【目次】
第1章 新しいからおもしろい、未知と未踏
I 竹村公太郎さんと楽しむ土地からの発想
 公益財団法人リバーフロント研究所代表理事 竹村公太郎さん
II 西成活裕さんと体を張って実験する渋滞学
 東京大学先端科学技術研究センター教授 西成活裕さん
III 高田礼人さんと追跡する「変わり者」ウイルスの戦略
 北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 国際疫学部門教授 高田礼人さん
IV 板見智さんと検証するハゲの噂
 大阪大学大学院医学系研究科教授 板見智さん

第2章 知れば知るほどすごい、日本の底力
I 鈴木一義さんと発掘する幕末大名の幅広い知性
 国立科学博物館理工学研究部 科学技術史グループ長 鈴木一義さん
II 林公義さんと推理する天皇陛下の自然学
 横須賀市自然・人文博物館 専門委員 林公義さん
III 船曳建夫さんと聴き惚れる演歌の神髄
 文化人類学者 船曳建夫さん
IV 町山智浩さんと解析するコミック王国アメリカの影響力
 映画評論家・コラムニスト 町山智浩さん

第3章 生き物は生き物に学べ、生命の叡智
I 鈴木晃さんと発見するオランウータンの高度な社会
 オランウータンと熱帯雨林の会理事長 鈴木晃さん
II 小松正之さんと誇る日本人の深いクジラ愛
 政策研究大学院大学客員教授 小松正之さん
III 福岡伸一さんと再確認する生命の無常と有情
 生物学者 福岡伸一さん
IV 浜辺祐一さんと覚悟を決める「人の死に方
 都立墨東病院救命救急センター部長 浜辺祐一さん

第4章 挑戦して悔いなし、人生の壁と坂
I 迫慶一郎さんと乗り込む中国での街づくり
 建築家・SAKO建築設計工社主宰 迫慶一郎さん
II 四至本アイさんと突破する近代日本の大きな障害
 コラムニスト 四至本アイさん
III 早坂暁さんと白装束で巡る死出の旅路
 脚本家 早坂暁さん

【メモ】
p23
秀吉は最終的に配下の武将に土地を分けられなくなっ朝鮮に出兵したが、
家康は関東平野を肥沃にし、「内なる土地」を作った。

p28
忠臣蔵の四十七士が葬られた泉岳寺は、江戸で唯一家康が創建した寺。
そこに葬るには、間違いなく幕府の同意が必要だった。

p57
渋滞を解消するために新しく道を作ると、それまで車を持っていない人まで利用することがある。
「誘発交通」、予測不可能。

p104
人間の体毛に季節変動が全くないわけではないが、他の動物のように顕著でない。
なぜそうかは不明。
唯一の例外は、1歳前後の新生児脱毛。この時だけすべての頭髪が抜け落ちる。

p137
青は世界中で好まれるが、それが大衆レベルで最も使われたのは日本。
ペルシャンブルーはとても高価だった。
それをなぜ浮世絵に大量に使えたのかはわからない。

p187
日本の歌の特徴に、男が女に、女が男になって歌うというのがある。欧米では考えられない。

p262
愛媛県西予市の明浜町には「鯨塚」という供養塔がある。天保の大飢饉のときに浜へ打ち寄せられた鯨を食べて救われた住民が建てたもの。
表には「鱗王院殿法界全果大居士」と、殿様につけるような戒名がある。
この文字は、第七代宇和島藩主伊達宗紀(むねただ)の書という。

長門の向井岸寺清月庵にある「鯨墓」
鯨を殺したとき胎内から出た70数体の退治に全て戒名をつけ、海を向けて埋葬している。
この寺には1000頭もの鯨の戒名をつけた過去帳もあり、毎年法要が営まれている。

p402
関ヶ原のときも遍路は歩いていた。
「太平洋戦争末期の昭和二〇年。うちのそばに大きな遍路宿があって、宿帳が残っているんです。昭和二〇年は完全な空白。唯一、お巡りさんが、スパイや徴兵忌避の人間が遍路になってまぎれていないかを調べに来た。でも、そのころはお遍路さんは一人も来なかったそうです。これを知ったとき、ぼくは、ああ、あの戦争で日本は国の底をさらうようにして戦ったんだと思いました。底力なんてものじゃない、底の底をたたいて戦争をした。」
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category: ノンフィクション

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今週のまとめ  

台風通過中ですが、皆様のところは大丈夫でしょうか。
本日は野鳥観察会を企画していましたが、残念ながらスタッフしか集まりませんでした。残念。
雨の中、野鳥たちは相変わらずでしたが、やはり開けた場所に出ている個体は少なく感じました。

気温も低下しており、今年巣立った幼鳥には厳しい試練になりそうです。無事生き抜けることを祈っています。

■今週のBOOKS
カカトアルキのなぞ―世紀の発見88年ぶりの新昆虫 (ドキュメント 地球のなかまたち)
まだまだ世界には知られていない生き物がいると実感。もっと深く知りたいと思いました。
それにしてもカカトアルキとは、変な生き物だなあ。

クビナガリュウ発見!―伝説のサラリーマン化石ハンターが伝授する化石採集のコツ
日本の絶滅古生物図鑑」(レビューはこちら)、「日本の恐竜図鑑:じつは恐竜王国日本列島」(レビューはこちら)で、その活躍に惹かれた宇都宮氏による採集歴読本。ワクワクする一冊です。 

BIRDER (バーダー) 2013年 10月号 キュートなカラ類
毎月届くBIRDERですが、今号は僕としては楽しめる一冊でした。カラ類好きだし。

究極の文房具カタログ【マストアイテム編】
文房具をいかに効率よく使うか、ということは生産性に繋がります。むやみに効率を求める必要はないでしょうが、知らないままに非効率に生きていくのも残念な話。いつも改善は心がけていたいと思います。


■今週のMUSIC 
応援したいアーティスト特集。2回に分けても良かったのですが、我慢できないので。

★シャンソン歌手 別府葉子さん
Official Web Site →http://www.beppuyoko.com/
一時期ちょっとご縁があって同じ職場でした。お元気で活動どころか、どんどん活躍されて嬉しい限りです。
シャンソンというジャンルに馴染みはなかったのですが、おかげで時々聴くようになりました。といっても別府さんの歌ばかりですが。


情感溢れる曲。別府さんて凄い歌手なんだなぁと実感。


綺麗な声と曲が見事にマッチ。好きな一曲。

CDも発売中! Amazonで購入できます。



★津軽三味線とヴァイオリンのユニット hanamas
Official Web Site →http://ameblo.jp/hanamas-blog/
香川県でのイベントで、生で聴かせていただきました。迫力あったし、楽しかった。
異色の組み合わせですが、実際に聴いてみると「ありだな」と感じます。
こちらもCDも発売ですが、ライブ会場にて販売。行こう!


オリジナル曲。三味線とヴァイオリンの持ち味がいい感じ。


とっても楽しい。疲れも飛びます。
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category: 雑記:今週のまとめ

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BIRDER (バーダー) 2013年 10月号 キュートなカラ類  

BIRDER (バーダー) 2013年 10月号 キュートなカラ類



初めて野鳥を見るためだけに行動したのは、大学1年生の時だった。

まだ経験者にも出会ったこともなく、ただ1冊の図鑑を手に、
歩きなれた坂出市笠山へ登った。双眼鏡も持っていなかったと思う。
笠山は100mあまりだが、香川に多いおむすび山で、北から見るときれいな三角形をしている。
よく人が歩く割に、登山道はさほど整備されていなくて(木道などはなくて)、
山を歩いているという感覚が楽しい。
東斜面から登ると、すぐなだらかな丘にでる。
そこには鉄塔があり、下が少し裸地になって開けている。

そこで、エナガに出会った。

エナガはものすごく小さなカラ類で、体のみだと成人男性の親指くらい。
そこに長い尾が付いた、とてもキュートな鳥だ。
それが10羽くらい、視線と同じ高さの灌木に降りて、しばらく目の前で採餌していた。

肉眼でもエナガとわかったが、その小ささと、こんな鳥が生きていることに驚いた。

それまでにも、エナガという野鳥の存在は図鑑で知っていた。
しかしそれが自分の身近に生息しているということは、全く結びついていなかった。
この世界には知らない生き物がたくさんいる。野鳥なら、自分でそれを見つけていけるんじゃないか。そう思ったことが、野鳥の世界に入っていくきっかけの一つだった。

本号では、そのエナガを初め、カラ類を特集している。
主なカラ類は一年中日本国内で生息し、街中でも出会えることができるから、
野鳥に軽く興味がある方は、ぜひカラ類だけでも知ることをお勧めする。
日常の楽しさが増すこと間違いなしである。
また特集では混群など、カラ類ではお馴染みの生態も説明されている。初心者の方でも楽しめるだろう。

さて、本号では他に、
埼玉県で出たズアオホオジロの記録がある。貴重な記録である。
それにしても毎号毎号、どこかしらで何かが良く出るものだ。
というよりも、鳥屋が増えたこと、デジタルカメラで記録が容易ななったこと、携帯で情報が飛び交うようになったから、見つけられやすくなったのだろう。他にも埋もれた記録はたくさんあるのだろう。
きちんと記録化されれば、日本の野鳥分布の知見はずいぶん進むと思う。

また面白かったのは、千葉県で部分白化らしい「白いエナガ」が複数繁殖しているらしいこと。
こういう個体変化がどのように蓄積されるのか、継続して見てみたいものである。

お馴染み・期待のYoung Gunsの野鳥ラボは、
ショウドウツバメと、最近別種扱いされだしたウスショウドウツバメの識別。
香川県では役立つシチュエーションは少なそうだが、細かい識別点が整理されており、
今後にかなり有用と思う。資料としてはこれだけでも買いと思った。

【目次】
特集 キュートなカラ類 この秋、彼らと出会えば「ほっこり、ほのぼの」
・BIRDER GRAPHICS[読者が撮影したキュートなカラ類たち] 写真・文●読者の皆さん 寸評●植田睦之、志賀 眞、中村忠昌、BIRDER
・カラ類はなぜ“カワイイ”のか?  文●秋山幸也 写真●堀本 徹
・カラ類(シジュウカラ科+α)のプロフィール集 文●大西敏一
写真●井上大介、江口欣照、大西敏一、大橋弘一、國友靖彦、神戸宇孝、谷 英雄、戸塚 学、西村光真、西村美咲、野村 明、福丸政一、本若博次、山田芳文、吉田 巧、BIRDER
・オールシーズン「美声」が楽しめる鳥たち カラ類の声を聞き分けよう!  文・写真●松田道生
・カラ類の混群観察  文・写真●石塚 徹
・猛禽類やヘビの襲撃から身を守るカラ類たちの「防衛戦略」  文●植田睦之
・千葉県北西部に出現する「白いエナガ」の謎  文●柴田佳秀
・世界カラ類化計画〜“普通”の姿形に隠された真相〜  文・写真●川上和人
・樹幹を歩く鳥、キバシリとゴジュウカラの歩きかたの違いとは?  文●藤田祐樹
・なぜ、こんなところに?! 街なかにある風変わりなシジュウカラの巣  文●柴田佳秀
・東京の街なかでエナガを追う  文・写真●川内 博
・カラ類と「四季」を一緒に撮ろう! ベストシーンをモノにするための撮影術  文・写真●中野泰敬
・特集別体 ヤマガラの芸はいまどこに?  文・図●小山幸子

ENJOY BIRDING
・Field Report[秘密のフィールド] イラスト●水谷高英
・Young Gunsの野鳥ラボ[ショウドウツバメとウスショウドウツバメ] 構成●Young Guns
・鳥の形態学ノート[オオコノハズク足] 文・イラスト●川口 敏
・私のケッサク!“鳥”写真  写真●読者の皆さん 選評●叶内拓哉
・Bird Tracking[ハクセキレイ(雛)] イラスト●赤勘兵衛
・ぶらり・鳥見 散歩道[晩秋の多摩川中流域をのんびり歩く(東京都多摩市)] 文・写真●♪鳥くん
・野鳥圖譜[ヤマガラ] 画・文●佐野裕彦
・どこでもバードウォッチング[緑の多い公園] 文・写真・イラスト●神戸宇孝
・伝説の翼[文魚(Bunyougyo)] 画●長島 充 文●斉藤ヒロコ
・唐沢流・自然観察の愉しみ方[夜の奄美、アマミノクロウサギに出会う] 文・写真●唐沢孝一

BIRDER NEWS
ヤンバルクイナたちの今!
文・写真●戸塚 学 取材協力●NPO法人 どうぶつたちの病院 沖縄
埼玉県志木市で観察された本土初のズアオホオジロ
文●BIRDER 写真●森 秀一 考察●五百沢日丸

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category: 野鳥

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究極の文房具カタログ【マストアイテム編】  

究極の文房具カタログ【マストアイテム編】
高畑 正幸



昔、「B-TOOL」という文房具の雑誌があった。
内容も濃く、創刊号から廃刊まで全号持っていたが、処分してしまった。惜しいことをしたと思う。

その雑誌で、
学生時代の文房具観-単なる筆記用具というイメージから、
用途に応じて様々なジャンル・レベルの文房具が存在し、
それを適切に選び、使うことで世界が改善されることを楽しく学んだ。

以降、面白そうな文房具はチェックして、使ってみるようにしている。

そうした進化する文房具を追うことも楽しいが、
「定番」を使うこともまた正しい。定番には定番の理由があるからだ。

といっても、それが「定番」となり得た理由は、実は素人には分かりにくいものである。
あまりにも普遍的過ぎて、その「良さ」が当たり前になっているのだ。

それを再認識させてくれるのが本書。
文具王・高橋氏による、書く・消す等の各動きに対応した定番商品について、
だいたい1品2Pで紹介している。

なぜそれが定番足り得たのか。それを知れば、
その類の商品を選ぶポイントも学ぶことができる。
そうした入門書としても、本書は役立つだろう。

自分に適した文房具を使うことは、実は非常に重要なことだ。
ストレスを感じたり、不便な文房具を使ったロスする余裕は、僕らには無い。

たかが文房具だからこそ、それに振り回されないよう、
適切な知識を持っておきたい。
2006年初版の古い本だが、定番アイテムを取り上げているため、
現在でも十分有用である。ほとんどの品が、普通に入手可能だろう。

機会があれば、ぜひ1度目を通す価値はある。

【目次】
書く
消す
切る
貼る
綴じる
はかる
整理する
その他

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category: 整理整頓

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カカトアルキのなぞ―世紀の発見88年ぶりの新昆虫  

カカトアルキのなぞ―世紀の発見88年ぶりの新昆虫 (ドキュメント 地球のなかまたち)
東城 幸治




昆虫の新目発見、というニュースには覚えがあった。
「マントファスマ目」。
新しい目だけあって、海外の研究者のつけた目名をそのまま持ってきたんだなあ、
もうちょっと日本語の目名にすればいいのにな、と思った記憶がある。

そしたら、現在は「カカトアルキ目」となっていた。
分かりやすさ抜群だが、一方でなんじゃそりゃ感も満載である。

この目が新記載されたニュースは、2002年4月だったようだ。
1914年にガロアムシ目が発見されてから、新しい目レベルの発見は88年ぶりとのこと。

なお、ちょっともったいないな、と思うは、
この大発見をタイトルでも「88年ぶり」と書いていること。
「○○ぶり」という表記は、基本的に繰り返す可能性があるものに使う。
しかし、昆虫の新目発見なんて、現実的には「ほとんど無い」と考えられていたものだ。
約100年たてばまた発見できるというものでもない。
もうちょっと良い書き方はなかったのかな、と思う。


さて、カカトアルキ。もう名前の通り、カカトで歩く変な虫である。
分類的な類縁関係とかは本書でお読みいただくとして、
今回の発見は、ヨーロッパの標本研究が端緒であった。
そして新目として記載されてから改めて調査すると、
アフリカ南西部に数種が生息していることなどがわかっている。
見る「目」と見る「気持ち」がなければ、発見できないものがあるという良い例である。

また、カカトアルキは極めて乾燥したシビアな場所に生息している。
これはカカトアルキがそこを好んでいるのではなく、
他の生物種との競争の結果、そこに残ったということのようだ。

さらに化石の調査結果から、この小さな虫が、大陸移動の生き証人でもあることが明らかとなっている。
生物分布とは、本当に面白いものだと感じた。

本書では、こうした発見の経緯から、現在の研究状況までが
コンパクトにまとめられている。
大判で子ども向けに書かれているので、図書館でも児童書のコーナーにあった。
もっと詳しく知りたいと思ったのだが、
Amazonで検索しても、「カカトアルキ」または「マントファスマ」でヒットする本は本書しかない。
つまり、本書はカカトアルキについて書かれた一般書としては、おそらく日本で唯一のもの。

生き物好きなら、確実に押さえておきたい一冊である。
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category: 昆虫

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クビナガリュウ発見!―伝説のサラリーマン化石ハンターが伝授する化石採集のコツ  

クビナガリュウ発見!―伝説のサラリーマン化石ハンターが伝授する化石採集のコツ
宇都宮 聡




日本の恐竜図鑑:じつは恐竜王国日本列島」(レビューはこちら)、「日本の絶滅古生物図鑑」(レビューはこちら)の著者の一人である、化石ハンターの宇都宮聡氏による化石発見記。
これらの2冊に挿入されている発見記に心がときめいた方には、強くお勧めである。

本書はより個人的な内容となっており、
宇都宮氏がいかにして化石に出会い、各地の化石を探したか、
そして九州初のクビナガリュウの化石をいかに発見し、どのような経緯で発表したか等が綴られている。

恐竜等の生態を知りたいという人には向かないが、
化石発掘という行為に興味がある方には、またとないバイブルになるのではないだろうか。
本書を読むと、化石を探しに行きたくなること間違いなしである。

それにしても、宇都宮氏とは3歳違いで、
香川県の五色台が最初のフィールドとのこと。
同世代・同場所で過ごした人間として、氏の化石発掘史は羨ましい限りである。

香川県の化石がこれほど魅力的だとは知らなかった。
僕も化石を見つけたいところだが、
既に出遅れること20年。
すでに産出のピークも過ぎており、宇都宮氏のような感動を得ることはなかなか難しいだろう。

それでも、本書はまだワクワクする気持ちを伝えてくれる。
僕の子供にもいつか読ませて、おそらく出ないにせよ、一緒に化石を探しに行きたいと思った。



【目次】
化石の虜になる―徳島県上勝町
化石の師匠に出会う―香川県さぬき市多和兼割
海に潜ってアンモナイト採集―兵庫県西淡町(淡路島南部)
化石修行の学生時代
なんと四国最古のサメの歯化石だった!―愛媛県西予市魚成田穂上組
実はめずらしいアンモナイトが採れる場所―愛媛県宇和島市保手
念願のニッポニテス!―北海道芦別市幌子芦別川
日本最大級のアンモナイトだ!―北海道夕張市白金沢
西日本最古の新種サンゴ化石発見―宮崎県五ヶ瀬町鞍岡~祇園山
サンゴ化石に自分の名前がついた!―宮崎県五ヶ瀬町鞍岡~祇園山
クビナガリュウ見つけた!!―鹿児島県長島町(旧東町)獅子島幣串
クビナガリュウの基礎知識



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category: 恐竜

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今週のまとめ  

東京にオリンピックが決定した、というニュースが入りました。
嬉しいことですが、前回の東京オリンピック時、
整備のため多くのひずみもあったようです。

「春の小川はさらさら行くよ…」で有名な「春の小川」、
このモデルとされている河骨川も、この開発で暗渠とされてしまいました。

これから東京の再開発が始まるのでしょうが、
「東京オリンピックを成功させよう!」というスローガンのもとに、
様々な弱いものを損なわいようにしなければなりません。

また同時に、忘れてはならない歴史と、現在の様々な問題も放置しないことを願ってやみません。

さて、今週。紹介した本は少ないですが、いずれも「ちょっと興味がある」方なら、
ぜひお読みください。どれも読み応え十分です。

特に「妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻」を…と言いたいのですが、
この本、たぶん「永遠の0」公開時頃、本屋で平積みになりそうな気がします。

ですから、より見過ごされそうな「二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ」を、
過ごしやすい夜のためにお勧めします。
何というか、日本産トキ・コウノトリに続き、ライチョウまで絶滅させたら、
日本人はおしまいだなという気がします。

○立山室堂のライチョウ
本当に、すぐ目の前にいます。
もし行く方は、追いかけたり驚かしたりしないようにしましょうね。



■今週のBOOKS
こんな事実は知らなかった。
「永遠の0」を読んだ方に、こちらもお読みいただきたい。
妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻

切腹って日本人としては時代劇等でお馴染みですが、
改めて整理されると、ものすごく不思議な風習だなあと実感。
切腹の日本史 (じっぴコンパクト新書)

実際にライチョウを見ましたが、こんなに美しい鳥が、人間を恐れず生活しているって、
本当に奇跡的です。
この光景を、いつまでも残したいものです。
二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ


■今週のMUSIC
「朝日のようにさわやかに」というタイトルのJAZZ。
Milt Jackson Quartet - Softly, as in a Morning Sunrise

父親がソノシート(!)が3枚くらい付録についたJAZZ本を持っていまして、
その中に収録されていた1曲。
中学生の頃見つけました。
スピーカーからバチバチバチ…というノイズとともに、この曲が流れてきた時、
その美しさというか、「雰囲気」にとても感動した記憶があります。
JAZZの中で、とても好きな曲です。よろしかったらご視聴ください。
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category: 雑記:今週のまとめ

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二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ  

二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ
中村 浩志




以前にも書いたが、ライチョウを見るために立山室堂に一泊したことがある。
ライチョウ
一面の銀世界の中、堂々と縄張りを見張る雄のライチョウは、本当に神々しかった。

こうした光景は、長い奇跡的な歴史の積み重ねである。
特に人を恐れないという生態は、世界的にも極めて珍しいものだ。

そのライチョウの生態・歴史を長きにわたり研究してきた鳥類学者・中村 浩志氏による集大成、
それが本書である。
ライチョウの全てが集約されていると言ってもよいだろう。
そして現在ライチョウが直面している危機が、具体的なデータをふまえて提示されている。
ライチョウは現在、高山への野生動物の進出や温暖化により、確実に個体数が減少し、約2,000羽が生息するのみ。
しかも、もし平均気温が3℃上昇すれば、それだけでほぼ絶滅状態に陥るという。

日本人はライチョウを救うことができるのだろうか。

           

さて、同様に絶滅に瀕した野鳥としては、トキが思い浮かぶ。
しかし携わっている個々人の皆さんの努力を否定するつもりはないが、正直なところ、
日本のトキ保護施策は道を誤ったと考えている。
2003年に日本産個体のトキ「キン」が死亡した時点で、
素直に「日本産トキは絶滅、保護は間に合わなかった」と総括し、
野生動植物の保護は、危機的状況に陥る前にしなければならないという教訓にすべきだった。

ところが幸か不幸か中国産トキが1980年代に再発見されたため、
いつしか「日本産トキ」の保護は種「トキ」の保護となり、現在は中国産トキを増殖し、野外に放鳥している。
この構図はコウノトリでも存在する。日本産個体のコウノトリは途絶え、現在は中国やロシアから導入した個体によって増殖・放鳥が図られているのだ。
それを日本では、あたかも「トキ復活」「コウノトリ復活」とみなしている。

根本的に誤りである。

もちろんトキやコウノトリという種の存続は重要である。
しかし既に国内に繁殖地も繁殖個体もいない状況では、
日本で保護増殖活動を行う必然性はない(施設や経験を活かす・蓄積するというメリットはある)。


本書では、生息地における保護を生息域内保全、別場所での増殖等を生息域外保全として明確に整理している。

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 野生動植物の保全は、その動植物が生息、あるいは生育している現地での「域内保全」が基本である。
 絶滅危惧種を保全するには、どんな要因がその種を絶滅の危機に追い込んでいるかを野外で解明し、生息域内で適切な対応をとることが重要。
 生息域外保全は、あくまでそれを補完する役割を果たすもの。
 域外保全が効果を発揮するのは、まだ野生の個体群がある程度まとまった数で存在する段階。人が育てた個体でも、その地域で生息する先輩の個体がいれば、域外保全は野生復帰に大きく貢献できる。
---------------------------------------------

トキやコウノトリでいれば、「日本」における生息域内保全は完全に失敗したのである。
そしてそれは、間違いなく、近代日本が起こした過ちの結果なのだ。
しかしそれを海外個体でごまかしたため、
「日本人の動植物の絶滅に対する危機感の喪失」というかたちで影響している。
「ライチョウだって、絶滅すると言うけど、何とかなるんじゃないか。」
そんな声が聞こえそうだ。
しかし、ライチョウ(亜種ニホンライチョウ Lagopus muta japonica )は日本固有亜種。
海外から導入することはできない。
代替は無いのだ。


本書を読み振り返ってみると、
トキであれ、コウノトリであれ、ライチョウであれ、
有史以来、日本人が見てきた動植物の「あり方」は、
それぞれが日本の風土史の一面なのだなと、痛感する。

それが絶滅するとき、日本の歴史の一部が、断絶する。
歴史の悲鳴が聞こえてきそうだ。

【目次】
第1部 画期的な調査方法
 すべてのライチョウを捕獲せよ!
 なぜ、ライチョウを捕獲するのか
 本格的な調査、はじまる
第2部 高山環境への見事な適応と進化
 いつ、何を食べているのか
 ライチョウは一年に三回換羽する!
 ついに解明された厳冬期の生活
 どれだけ生まれ、どれだけ育つか
 ライチョウの死亡原因と寿命
 明らかになったライチョウの社会
 日本列島での進化と絶滅の歴史
 日本最小の集団の謎
 分散で維持されている分布周辺の集団
 ライチョウに忍び寄るさまざまな危機
第3部 ライチョウは生き残れるか?
 ライチョウの保護活動
 野生動物の保護とは?
 なぜ日本のライチョウは人を恐れないのか?
 奇跡の鳥・ライチョウの未来

【メモ】
p24
特筆すべき先行研究:羽田健三氏らを中心にした北アルプス爺ヶ岳での連続調査
1961.5-10まで、ほぼ毎日夜明けから日没まで観察・記録。
1963.3-4は40日間の連続調査。
これらにより基本的な生活史等が解明された。
また個体数調査(なわばり分布推定等)も実施し、20年を経て1984年に調査終了、
日本での生息数は約3000羽とした。
しかし、捕獲調査だけは行わなかった。

p35
ライチョウ:J→1Wの秋季の換羽では初列風切の先端2枚は換羽せず、羽軸のまわりに黒いシミがある幼羽が残る。

p46
最北のスバールバル諸島にすむライチョウの体重の季節変化は、ツンドラ(標高の低い低緯度地方)に適応したものである(秋季に最大)。一方日本のライチョウは、むしろ冬は餌が取りやすい場所に降り、天敵が少ないため体重増加(春季に最大)。8月に最も軽くなる。→世界最南端の高山環境に適応。

p57
換羽は年3回。冬羽、繁殖羽、秋羽。
夏→秋:風切、尾羽等。年1回のみ。
年3回とも換羽するのは、体の上面や雨覆など。捕食者から目立たないため。

p74
厳冬期:森林限界付近まで降りる。年間を通じて高山で生活しているという通説を否定。
なお森林限界付近(2400-2600)で生息するのは雄のみ。より高山に近い方が、なわばり確保に有利。
雌は2200-2400付近で越冬。

p89
抱卵中の雌か否か:
抱卵中に一時採餌するときは、100回/分以上でせわしなくついばむ。
そうでない雌のついばみは、もっと遅い。

p106
12-3月の死亡率は雌雄とも1-2%。年間を通じて最も低い。
最も高いのは5月。雄9%、雌11%。

p112
内的自然増加率:1以上は増加、1以下なら減少
乗鞍の集団は1.047
白山、火打山・焼山は1以下。

p122
雄は雛が孵化すると、すぐにつがいを解消してしまう。
→雄が子育てで可能なことがない。雛は孵化した翌日から自分で採餌する。
 むしろ雄がいると捕食者に見つかる可能性が高まる。

p126
一般的に、鳥では雌がより遠くへ分散。白山で70年ぶりに見つかったライチョウも雌。

p134
日本のライチョウには6つのハプロタイプ(DNA配列のパターン)の系統が存在。

p185
各山のなわばりの下限を地図にプロットし、下限線を求めた。
年平均気温が1度上昇すると、森林限界線が154m高くなると仮定したところ、
1度上昇:30年前のなわばりの74.2%に減少
2度上昇:30年前のなわばりの38.2%に減少
3度上昇:30年前のなわばりの 6.4%に減少 ほぼ絶滅状態になる

p186
高山にニホンジカ、ニホンザル、ツキノワグマ、イノシシが侵入している。
サル→シカ→イノシシ→ツキノワグマ
お花畑は消失しつつある

p210
天敵から避けるための現在試行中の対策
日中は常時人が付き添う。天敵に襲われる危険の高い夜間は、野外に設置した大きなケージに誘導し(捕獲して入れるのではない)、捕食者や悪天候を避ける。
3名の専任担当者が交代で、常時2名が常駐する体制。

なお、こうしてライチョウを誘導できるのは日本のみ。国外のライチョウは狩猟鳥でもあり、近づけばすぐに飛び去る。日本でのみ有効な保護策。

p213
「以前、レッドデータブック作成にかかわる複数の委員から、『生息数が二桁(100個体以下)にならないと、国の保護増殖事業の対象にはなりませんよ』と平然といわれ、思わず耳を疑ったことがある。」

p215
「トキとコウノトリがわれわれに残した教訓とは、一体何だったのか。それは、一度その生息地で絶滅した動物を人の手で復元することは、きわめて困難だといことである。両種共に、保護に手をつける時期があまりにも遅すぎたのだ。」

p218
野生動植物の保全は、その動植物が生息、あるいは生育している現地での「域内保全」が基本である。
絶滅危惧種を保全するには、どんな要因がその種を絶滅の危機に追い込んでいるかを野外で解明し、生息域内で適切な対応をとることが重要。
生息域外保全は、あくまでそれを補完する役割を果たすもの。

域外保全が効果を発揮するのは、まだ野生の個体群がある程度まとまった数で存在する段階。人が育てた個体でも、その地域で生息する先輩の個体がいれば、域外保全は野生復帰に大きく貢献できる。

p243
ライチョウが氷河期に日本に移り住み、世界最南端の地で今日まで絶滅せずに生き残ってきたことは奇跡。
・高山帯の存在(日本の高山特有の強風と多雪)
・ハイマツの存在
・ライチョウの日本の高山環境への適応(体重変化、年3回換羽等)
・奥山信仰による保全(神の鳥として、狩猟の対象からの除外)


ライチョウって、見に行けるの? という方にはこちら(レビューはこちら)

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category: 野鳥

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切腹の日本史  

切腹の日本史 (じっぴコンパクト新書)
大野 敏明



切腹という死のかたち。殉死もあれば、責任をとってというのもある。
おそらく多くの日本人は、歴史上(実際は近現代もあるが)の切腹に対して、
その選択について賛否両論はあるにせよ、
そもそも「切腹」という死のシステム自体がおかしいとは感じないだろう。

極めて日本独自のものでありながら、そうとは感じないほど「当たり前」のシステムである。

しかし本書では、改めて
くの者が立ち会う「自殺」、
また介添え人がいる「自殺」というのは、世界的に非常に珍しいものだ、と指摘する。

なるほど確かに、思い当たるものはない。

こうした自殺システムがどのように歴史上運用され、
その結果、どのような「価値観」が付随し、現代にまでつながっているか。
そうした観点から、主要な切腹事件を収集・整理したのが本書である。
全部で第28章。「赤穂浪士」や「新選組」などの章もあるため、人数ではもっと多くなる。

「○○の日本史」というのは良くあるが、その「○○」というテーマ、
目の付けどころが最も重要である。
その点、本書はこれまで見過ごされていた、しかし極めて日本的なモノを見つけ出した。

惜しむらくは、事例集と著者の知見メモという範疇にとどまり、
文献や先行研究を踏まえたものには至ってはない。

それでも、切腹というシステムの不思議さと、
そこに存在する作法、
そして長い日本史の中で、切腹に様々な思いを込めた人々が存在することを改めて認識させられる、なかなか珍しい視点の本である。歴史・通史好きの方には、ぜひお勧めする。

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category: 歴史

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妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻  

妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻
豊田 正義



特攻という行為そのものを賛美するつもりはない。
しかし、当時の個々の隊員それぞれが、それぞれの想いを抱きつつ命を捨てた行為を、愚かなことと簡単に断じることは僕にはできない。

時代の重み、その世代の限界というものは確かにあり、それが後世の者が、後世の情報を前提に評価することは極めて困難だと思う。

もちろん、当時からしても、戦術的な無意味さは認識されていただろう。
しかし、それをもって、特攻した個々の隊員への批判に置き換えるのは筋違いだと思う。
文字通り命を捨てた人の想いは、その人の全人生を知らなければ、第三者が評価することはできないと思う。

さて、しかし僕も「特攻」といえば知覧基地からのものと思っていた。

だから、本書の表題には驚かされる。
「妻と飛んだ」-そんなことがあり得るのだろうか。
「8.19満州、最後の特攻」-なぜ終戦後なのか。なぜ満州なのか。

カバーには、まだ若い軍人と、その妻と思われる女性が写された写真が使用されている。
なぜ、この二人が特攻したのか。

日本人が知らない、しかし知っておくべき歴史が、本書に籠められている。

谷藤徹夫少尉(当時22歳)は、満州で、妻の朝子さん(当時24歳)と、
終戦後の満州で特攻した。
それは軍の命令ではなく、
所属隊の有志11名による、独自の特攻。相手はソ連の戦車隊。
特攻隊としての名は、「神州不滅特攻隊」であった。

それは「神州」日本や天皇を無批判に崇拝した行為ではなく、
当時の、終戦時の満州にあって、どうしても抑えられない義憤によるものだった。

彼らがどのように散ったのかは知る由もない。
それどころか、終戦後20年以上、その死は「自滅」とされていた程だ。
しかし当時の戦友・上官により、その「特攻」が語られるようになった。
その時初めて、妻の朝子さんは「戦没者」として認定されるに至った。

しかし現在に至るまで、この史実はほとんど認識されていなかったと思う。

本書では、満州国と関東軍という谷藤徹夫少尉を取り巻く環境について、
その歴史が紐解かれる。

また一方で、谷藤徹夫少尉と、
同郷の親友であり、同じく特攻に散った二瓶秀典大尉との交流という、個々人の歴史も詳細に語られる。

これらが複雑に絡み、時代の結果として谷藤徹夫少尉は特攻を選んだ。

この事実を認識し、その上で繰り返さないことこそが、
谷藤夫妻の想い応えることになると思う。

永遠の0」(レビューはこちら)もまた特攻を扱っている。フィクションではあるが、フィクションならではの感動により、多くの方の高評価を得て、映画化までに至っている。

本書は、事実である。

「永遠の0」を読んだ方のうち、一人でも多くの方が本書を手に取ることを願う。





【目次】
第1章 開戦―東條内閣、倒閣へ動く
第2章 結婚―航空将校となり、満州へ赴く
第3章 満州―関東軍、謀略をめぐらす
第4章 帝国―皇帝・溥儀、傀儡となる
第5章 夫婦―飛行教官として教え子を見送る
第6章 特攻―谷藤徹夫、朝子と征く

【メモ】
p21
終戦から23年後、元上官が遺族に対し、隊員の妻も同乗して特攻した旨の証明書を書き送っていた。

p226
大西瀧治郎中将は「特攻の創始者」等と呼ばれるが、大西がルソン島で特攻を提案する6日前、大本営の電報に「神風特攻隊」「敷島隊」「朝日隊」という具体的な特攻隊の名称を挙げ、体当たり攻撃を行うごとに部隊名を挙げて大々的に発表せよ、というものがある。
大西の独断での提案ではないことが確認できる。

p310
自主的に結成された神州不滅特攻隊は、軍の記録上存在しない「幻の特攻」であるため、戦没者とも認められていなかった。


p324
満州で同じ舞台だった戦友たちにより神州不滅特攻隊の名誉は回復された。しかし、この史実はあまりにも知られていない。

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category: 戦争

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今週のまとめ  

夏休みが終わりました。
いや僕は社会人なので関係ないのですが、子どもの夏休みが終わりました。
十分に思い出づくりを手伝えたとは思えませんが、
自分が小学生だった頃を振り返れば、まあこんなものだったかな、と思います。

もっと気持ちに余裕をもって子どもと付き合ってやりたいですが、
親は普通に仕事なわけで、なかなか無理ですね。
正直なところ、時間とお金が一番必要な子育て世代が、
一番時間とお金がないっていうのは、やっぱりおかしいと思います。

さて、夏はさすがに頭が働きません。
何冊か読みましたが、頭に入らないものも多く、紹介に至らなかったものもあります。
僕の集中力のせいもありますが、翻訳された洋書では、だらだらと記述(たくさんの実例を羅列していて、推測や結論がなかなか出てこない)が多くて、それもひっかかる原因でした。
とにかく分厚のが良いというのか、もう少し整理しろよってのも多くて残念。もう少し若かったら大丈夫だったかな。だとしたら悲しい…。

※リンクはレビューです。

古代遺跡の七不思議―Newtonが選ぶ新・世界の七不思議 (ニュートンムック Newton別冊)
古代の七不思議ってワクワクするテーマですが、そんなテーマでもこれほど真面目に解説できるのだなあと実感する一冊。良くも悪くもNewton節。


日本の恐竜図鑑:じつは恐竜王国日本列島
夏休みの自由研究のように、読んでいてとても楽しかった。
自分も化石を探しに行こう、そんなワクワクを抱かせてくれる本。日本でこんなに化石探しが楽しいとは思わなかった。

日本の絶滅古生物図鑑
上記と同著者陣によるもの。セットでおすすめします。こっちの方が、いわゆる化石(アンモナイトや三葉虫)の話も多い。

自然科学30のなぜ?どうして?―国立科学博物館の展示から
国立科学博物館に行く・行こうと思っている人にはお勧め。読んでから行く方が楽しめます。
東京出張の際に行くのであれば、行きの道中に読めるでしょう。

BIRDER (バーダー) 2013年 09月号 極める!! ハイタカ属
ワシタカの渡りを長らくじっくり見ていません。
1日中見上げていたのは、もう10年以上前になります。
それでも、様々な年齢層の人と、渡りゆくワシタカを1日中見送るというのは、楽しい経験でした。



さて、夏も終わりです。
去りゆく夏の気配を漂わせながら、しっとり聴かせてくれるこの曲を紹介します。
「明日いい事ある そんな風に信じよう」


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category: 雑記:今週のまとめ

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BIRDER (バーダー) 2013年 09月号 極める!! ハイタカ属  

BIRDER (バーダー) 2013年 09月号 極める!! ハイタカ属



秋、ワシタカ類の渡りの時期である。
また冬も近づいてくるため、鳥屋としては上空のワシタカ類が気になるところである。

そこで問題となるのが、迷いがちなハイタカ類。
香川県だとツミはめったに見ないので(私見)、オオタカかハイタカかということになり、かなり楽になる。
しかし全国的にはツミを含めて識別は難儀であり、BIRDER誌でも時折り識別記事が掲載される。

近年では、「ハイタカ属を見極めよう!」という3回連載があった。
・2009年 8月号 1 ハイタカの齢の識別
・2009年 9月号 2 ハイタカとオオタカの識別 
・2009年10月号 3 ハイタカとツミの識別
僕としては、結構これが有用だったのだが、
3年を経て今月号の特集も「極める!! ハイタカ属」である。

今回の特集としては、様々な種の特徴について、それを確認できれば例えばオオタカであると「○%」の確率をもって言えるか、といういわば信頼度の目安を導入しているところ。
とはいえ、60%と50%の違いは何かというと難しいわけで、
まあ一般的に、先達がどのくらい重視している特徴か、という意味で受け止めるべきかと思う。
そう考えると、図鑑に羅列された特徴の識別における軽重がわかるので、有用である。

ただ識別図鑑的なページは少ないので、この一冊でもちろん極められるものではない。
興味がある方は、前記の連載も参考にされたい。

さて、注目のYoung Gunsの野鳥ラボは「タカの換羽を読み取る」。
取り上げられた種はオオタカ成鳥、チュウヒ雄成鳥である。
雌雄による換羽の違い、また子育てによる換羽への影響など、野鳥を見る際にいい着眼点となりそうなテーマが紹介されている。

なお囲み記事として、緊張するオオタカとリラックスするオオタカそれぞれの写真を掲載し、
観察・撮影圧をかけないよう呼びかけている。同感である。
度を超えた観察・撮影圧はいかなる野鳥にもかける必要はないと思うが、
特にワシタカ類の場合、発見した「一個体」が長い間注目されやすい。
同じエリアで生息する個体であれば、生息シーズンを通して観察・撮影者が入れ替わり訪れることもある。
「皆も見ているから自分だけ我慢しても同じ」ではなく、
「皆も見ているからせめて自分だけは我慢しよう」と考えた行動を心がけていただきたい。
野鳥がいなくなればそれまでである。
(そう言うと、「いなくなるまでに撮っておけ」という人がいる。つまらない思考回路である。)



【目次】
特集 極める!! ハイタカ属
キャッチ:飛んでいるオオタカ、ハイタカ、ツミの違い、わかりますか?
解説:大きさや体の形、色などから、どこまで種を特定できるのか? といった「識別術」を中心に、詳しい観察地情報や、謎に満ちたハイタカ属の渡りルートの話なども紹介する。

・ひと目でわかる、ハイタカ属の大きさ比べ  構成●BIRDER
・ハイタカ属の識別〜初級・中級編〜[脱!初心者、ハイタカ属の識別に挑戦] 文・写真●伊関文隆
・ハイタカ属の識別〜上級編〜[ハイタカの個体変異を観察しよう] 文・写真●山形則男
・ハイタカ属とは、どんなタカたちなのか?  文・写真●若杉 稔
・完全ガイド 白樺峠、伊良湖岬、龍飛崎[3大「聖地」でハイタカ属の渡りを満喫しよう!]
・白樺峠〜「識別の基本」はここでマスターしよう!!  文・写真●久野公啓
・伊良湖岬〜ハイタカ属と小鳥の渡りが同時に楽しめる  文・写真●戸塚 学
・龍飛崎〜広い視界で、海を渡るタカをしっかりとキャッチできる!  文・写真●吉岡俊朗
・オオタカが推進した野鳥と生息地の保護  文●金井 裕
・エルニーニョ現象がアカハラダカを減少させる?  文●馬田勝義
・羽毛からハイタカ属の識別に挑戦!  文・写真●藤井 幹
・〈特集別体〉まだまだある! 特選ハイタカ属観察地ガイド  文・写真●川口 誠、古田慎一、本若博次

ENJOY BIRDING
・BIRDER Graphics[アオサギの子育て〜北の大地でとらえた知られざる姿〜]文・写真●内海千樫
・Field Report[カッコウが鳴く我が家]イラスト●水谷高英
・Young Gunsの野鳥ラボ[タカの換羽を読み取る]構成●Young Guns
・鳥の形態学ノート[オオコノハズク羽]文・イラスト●川口 敏
・私のケッサク!“鳥”写真[第14回募集 入賞作品] 写真●読者の皆さん 選評●叶内拓哉
・Bird Tracking[スズメ(雛)] イラスト●赤勘兵衛
・ぶらり・鳥見 散歩道[海を渡るノスリが間近で見られる島(三重県神島)] 文・写真●♪鳥くん
・野鳥圖譜[アナドリ] 画・文●佐野裕彦
・どこでもバードウォッチング[石の多い河原] 文・写真・イラスト●神戸宇孝
・伝説の翼[タカ(Hawk)] 画●長島 充 文●斉藤ヒロコ
・唐沢流・自然観察の愉しみ方[すばらしい奄美の海、森、そして固有種] 文・写真●唐沢孝一

BIRDER NEWS
・バンガード「エンデバー HD 65S」インプレッション  文・写真●神戸宇孝
・野鳥を身近に感じる! 根室のハイドは、ここが違う  文・写真●♪鳥くん 協力●根室市観光協会
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category: 野鳥

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