ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

今週のまとめ  

子どもが朝から吐いて付き添いです。
なんてこったい。
ノロウイルスではないと思うのですが。
我が家でパンデミック…。嫌だー。


さて、今週読んだ本。
モーツァルトとレクター博士の医学講座
http://birdbookreading.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

パンデミック新時代―人類の進化とウイルスの謎に迫る
http://birdbookreading.blog.fc2.com/blog-entry-75.html

ベクター・ケースファイル
http://birdbookreading.blog.fc2.com/blog-entry-76.html

なにが見えてる?―フジキな子どもを育てるフツーのおかあさんのスピリチュアル奮闘記
http://birdbookreading.blog.fc2.com/blog-entry-77.html

雑誌も週刊アスキーとか。
指マウスは使い勝手良くないですね。慣れかな。
「なにが見えてる?」は、ファンジックです。嫌いじゃないなこういう世界の見え方。

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今週のSong
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崎谷健次郎「夜明けまでは」
http://www.youtube.com/watch?v=Akc7Lf_PYBo

健ちゃんって、時代が早すぎたと思うんですよ。
(我が家では健ちゃんって呼んでいるので、お許しを。
 いや別に仙人さんでもいいんですけど。)
POPセンスもいいし、ピアノ弾き語りで、ちょっと神経質そうで。


僕が初めて知ったのは、この曲。
上田浩恵さんのVocalで、でした。
曲名も知らず、「夜明けまでは」という言葉を頼りに、レンタルレコード屋で物色。
ふと見た健ちゃんのアルバムにあり、見事ビンゴだったときは感無量でした。

その後健ちゃんにはまり、
20代の頃、年末年始に冬の九州をうろうろしていましたが、
その時に健ちゃんのカセットテープを山ほど持ってって、ずっと聴いてました。

まだ現役で、ときどき最新盤を出してくれるのでありがたいです。

健ちゃんのホームページ
http://kenjirosakiya.com/

↓「夜明けまでは」収録アルバム
Botany of LoveBotany of Love
(1992/01/21)
崎谷健次郎

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↓最新アルバム
PIECE OF DREAMSPIECE OF DREAMS
(2010/09/01)
崎谷健次郎

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category: 雑記:今週のまとめ

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なにが見えてる?―フジキな子どもを育てるフツーのおかあさんのスピリチュアル奮闘記  

なにが見えてる?―フジキな子どもを育てるフツーのおかあさんのスピリチュアル奮闘記
じぇいど
【フシギ度】★★★★

なにが見えてる?―フジキな子どもを育てるフツーのおかあさんのスピリチュアル奮闘記なにが見えてる?―フジキな子どもを育てるフツーのおかあさんのスピリチュアル奮闘記
(2009/04/01)
じぇいど

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スピリチュアル系となると、頭から否定するグループ、いろいろ考えるグループ、頭から肯定するグループ、と様々である。健全な世界である。

ただ、信じる人を攻撃したり、逆に信じない人を哀れんだりする人がいる。
人は人である。
そんなめんどくさいことはせず、自分がそう思えばよいのではないだろうか。
自分の考えを人に押し付けてもどうしようもないと思うのだが。
全てにおいて。

僕は知らないで全否定する度胸も無いので、
スピリチュアル本も読む。
世に溢れるスピリチュアル系のどれが正しい(もしくはどれも正しくない)、という議論はめんどくさいし、
する気もない。

(ということで、本稿は単なるレビューです。僕に石を投げないでください。)


本書は、アメリカ在住の主婦による子育てエッセイ。
お子さんがいろいろ見える系ということで、その話。
ただ、霊ではない。
本書ではトーテム・アニマルという括りでいるが、スピリチュアルな動物や、
パワー・ストーンの話が多い。
日本でよく目にする内容とはちょっと異なる。
アメリカのパワー・ストーン市場の様子も見られて、そういう点で興味深い。

ただ、後半わりと飛んでいった話が多いので、
ついていく人を選ぶかもしれない。


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category: スピリチュアル

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ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (チャンピオンREDコミックス)  

ベクター・ケースファイル
藤見 泰高
【お手軽度】★★★☆

ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (チャンピオンREDコミックス)ベクター・ケースファイル 1―稲穂の昆虫記 (チャンピオンREDコミックス)
(2007/06/20)
藤見 泰高

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1話完結型。
昆虫に極めて詳しい主人公・榎稲穂が、その知識で周囲の事件・難題を解決していく。

存在をしって、とりあえず1巻だけ購入。

昆虫ネタとしては詳しく、ストーリーもそこそこ説得力がある。
ただ、アオバアリガタハネカクシ、知人が炎症を起こしたがものすごいミミズ腫れになった。
この程度の影響ですむかな、と疑問。

まあそれでも、十分楽しめます。
結構な巻数出ているので、古本でまとめて買うことになるでしょう。

ただ少年誌なためか、いいつくりなのに、むやみにお色気路線が多いのはやや閉口。


なお、類似種として、
いきものずかん
があります。

こちらもお手軽です。昆虫ネタ以外も多いので、ギュッとまとめて読みたい人向け。

また、レビューはしていませんが、僕のお気に入り 小山田いく には、
良質な動物ネタがたくさんあります。

とりあえず、
「風の宿」などどうでしょうか。Amazonwですら取り扱っていないので、
ブックオフとかで検索してください。

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category: 漫画

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モーツァルトとレクター博士の医学講座  

モーツァルトとレクター博士の医学講座
久坂部 羊
【雑学度】★★☆☆

モーツァルトとレクター博士の医学講座モーツァルトとレクター博士の医学講座
(2012/11/20)
久坂部 羊

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著者は、医者で小説家、とのこと。しかし僕はその著作を目にしたこともなく、
本書は医者による体の臓器ウンチク、として読んだ。

文筆家だからか、文書はこなれていて読みやすい。
心臓、肺、大腸など、臓器単位で働きやメカニズムが説明されており、
人体の仕組みを高校までしか習っていない人間としては、初めて知ることが多くあった。
各臓器の仕組み、代表的な異常(病気)のメカニズムをしておけば、
実際の診断はともかく、
他人から病気を聞かされたり、小説などを読む際に役立つだろう。

ただ、気になった点がいくつかある。
わりと筆者は、特に病気に対する姿勢や治療方法について、自己主張をはっきり述べている。
問題は、それが事実かどうかはわからないこと。
本書によって、筆者の断言に引きずられて、変な先入観を持つことがないようにしたい。

著者の主張に惑わされず、一意見として冷静に受け入れられる人にお勧めである。

【メモ】
P55
・呼吸中枢=脳幹
酸素濃度が下がると呼吸が速まる。
ただし感度は低く、酸素が半分くらいになってようやく速まる程度。
一方、二酸化炭素の濃度上昇には反応が早い。10%上昇しただけで、
呼吸数は3倍ほどになる。
つまり、身体は酸素を取り入れるより、二酸化炭素を出すほうを重視している。

逆にいうと、血液の二酸化炭素濃度が下がると、呼吸は抑制される。
=「過換気症候群」 息をしすぎて、二酸化炭素濃度が下がることで呼吸が抑制され、
より息苦しくなる。

P69
がんは、発見次第切除する。
よって、転移しないがん(元々死ぬ可能性が少ないがん)だったか分からない。

P84
大腸
上行結腸と下行結腸は腹腔の後面に固定されていて、位置も長さも変らない。
横行結腸とS字結腸はフリー。
慢性便秘の場合、横行結腸とS字結腸に便がたまり、大腸が伸び、さらに溜まるという悪循環。


P93
・ABO式血液型
 赤血球の表面にある「抗原」と、血漿中の「抗体」の種類によって決まる。
「抗原抗体反応」により、血液が固まる。
抗原と抗体=A、Bの2種類。
A型の赤血球=A型の抗原がある=血漿にはB抗体がある
 →A抗原+B抗体=固まらない
B型の赤血球=B型の抗原がある=血漿にはA抗体がある
 →B抗原+A抗体=固まらない
AB型の赤血球=AB型の抗原がある=血漿には抗体がない
O型 の赤血球=抗原がない=血漿にはAB抗体がある

 AB型=血漿に抗体がないので、どの血液(A抗原・B抗原)を入れても固まらない。
O型=赤血球に抗原がないので、どの血液(A抗体の持ち主、B抗体の持ち主)にも提供できる。


P96
・心臓
 生後直ぐに増殖能力を失う。
=成長するに従い心臓が大きくなるのは、一つずつの心筋細胞が肥大している。

P100
「虚血性心疾患」
=動脈硬化または冠動脈の攣縮(痙攣してい縮む)による虚血(血液がながれない)
治療=ニトログリセリン=血管拡張作用
発見のきっかけ=ダイナマイトの製造工場に勤める狭心症の作業員が、工場では発作が起こらなかったため。

P163
視覚
・赤錐体、緑錐体、青錐体が、色に応じてヨードプシンという物質を放出
 →電気刺激となって脳に到達
・人によって、赤錐体、緑錐体、青錐体の比率、ヨードプシンの分泌能力も異なる
 →同じ色でも、違う色に見えている可能性もあるかもしれない

P168
・大相撲 69連勝の双葉山=右の視力が無かった
・左右の目が離れているほど距離感がつかみやすい

P170
モーツァルト
左耳に先天的な異常
 形態には諸説あるが、記録がない
ただし、肖像画は必ず右から描かせ、左側から描くときはカツラで隠した
息子フランツの耳も形態異常があり、モーツァルトの子と証明された

P172
ベタ耳は優性遺伝、かさかさタイプは劣性遺伝で伝わる
ベタ耳 
日本人 約16%(北海道約50%)
白人  90%以上
黒人  99.5% だそう。

P227
牛乳
1998年頃から、骨粗鬆症の宣伝が消えた
過剰反応
牛乳を飲む=急激なカルシウム濃度の上昇=排泄が進みすぎる=補うために、骨のカルシウムが溶けて血液に流れ込む
=アメリカ:高齢者の場合、逆に股関節の骨折が多くなる
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category: 医学

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パンデミック新時代―人類の進化とウイルスの謎に迫る  

パンデミック新時代―人類の進化とウイルスの謎に迫る
ネイサン・ウルフ
【感染症もすごいが人間もすごい度】★★★☆


パンデミック新時代―人類の進化とウイルスの謎に迫るパンデミック新時代―人類の進化とウイルスの謎に迫る
(2012/11/23)
ネイサン・ウルフ

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今週の大半は、本書に費やした。
先だっての新型インフルエンザでよく使われた言葉が、「パンデミック」である。
感染症はおそらく今後の人類史で大きな問題となるだろう。

それは本書で指摘されているとおり、
ある病気に感染した者が、数時間内に世界中へ移動できるという、
かつては想像できなかった大移動可能時代に突入しているからだ。

そこで筆者は、パンデミックを起こすだろう感染症を監視すべく、
センターを設立している。

そのセンターで、何を監視するか。
どうして、それを監視することがパンデックの監視となるか。
それを、感染症のメカニズムから細かく説明したのが本書である。

人類の人口が有史以前に激減した際に、人類の保有する微生物環境が貧弱となり、
それが逆に、近年の類人猿からの感染症の多発に繋がっている、という説明は、
現在の感染症を考えるうえで重要な前提となる。

それにしても、本書の意図とは異なるが、
こうした人物が育ち、こうした活動が可能となるアメリカの社会システムは、
本当に懐が深い。
日本ではここまでグローバルな人物はおそらく出現しないだろう、という事実に、
やや寂しい感を覚えた。

TEDに、ネイサン・ウルフのTalkがいくつかある。
興味を持たれた方は、ぜひご覧いただきたい。

・ネイサン ウルフ:探検すべきものに何が残っているのか?
http://www.ted.com/talks/lang/ja/nathan_wolfe_what_s_left_to_explore.html

・ネイサン・ウルフのウイルス退治
http://www.ted.com/talks/lang/ja/nathan_wolfe_hunts_for_the_next_aids.html


【メモ】
P59
SIV=サル免疫不全ウイルス
地球上のほとんどの生命形態
=DNAに保存した遺伝コードをRNAに転写し、RNAからタンパク質を作る

SIVなど
=RNAの遺伝コードを逆転写酵素を使ってDNAに転写する
=レトロ(逆の)ウイルス


P73
「ボトルネック効果」
ex)人類の祖先
感染症は拡散しなければならないが、人口が少ないと拡散は難しい。
人口が相当数減ることにより、遺伝的多様性の低い集団ができる。
このとき、その集団内の持っている微生物の多様性も失われる。

病原微生物=急性と慢性に分けれられる。
急性:はしか、ポリオ、天然痘など
   病気の期間は短く、感染者に死をもたらすか、免疫を作らせる。
比較的大きな人口を必要とする。でなければ、死か免疫だけが残り、
その病原微生物が持続できない。
慢性:HIV、C型肝炎など
   長持ちする免疫をもたらさない。宿主の体内に長く居座り、ときには生涯続く。
よって、少ない人口でも生き残れる可能性が高い。
それでも、大きな人口減少の時には、慢性病原性微生物さえも死に絶える。
P76
火を使った調理の普及も、微生物が減少する。

P85
人間は微生物の多様性を失ったことに伴い、それらに対する防御メカニズムも失った。
一方、類人猿では微生物が保管されていた。
人類の人口増加により、類人猿の微生物による感染症の可能性が増加しているが、
それらに対する防御メカニズムがない。

P81
マラリア
・鎌形赤血球の遺伝子を持つ保因者(キャリア)はマラリアにかからないが、
 25%が身体を衰弱させる病気を発症させる。
マラリアの多い中央アフリカ西部にこの遺伝子を持つ人が多い。

P116
「パンデミック」
毒性とは関係ない。パンデミックとは、微生物が広がる能力の指標。


P149
・HIVの起源
 HIV=2種類のチンパンジーのウイルスからなるハイブリッド・ウイルス。

P163
・狂犬病の人-人感染=10件強の記録
 大半は角膜移植によるもの。
狂犬病ウイルス=中枢神経系に広まる。
角膜=唯一移植されている神経系細胞


P181
「パイオエラー」
事故による病原微生物の放出・拡散
ドン・バーク(2009)
 1977.11にソ連、香港、中国東北部で広がったインフルエンザ
=20年以上前に流行し、その後現れていなかったもの
調査の結果、どこかの研究所のウイルスが事故で研究者に感染し、
そこから感染した可能性が高いと結論。

P231
ジョン・スノウによるイギリスのコレラ感染の事例紹介
感染地図、GISのはしり

P237
パンデミック予防の3つの目的
・感染症を早期に特定する
・感染症がパンデミックに発展する可能性を評価する
・致死的な感染症がパンデミックになる前に食い止める

P244
「グーグル・フルー」
Googleによるインフルエンザ予報
検索者の検索する単語データ等の分析によるインフルエンザ流行の早期発見


P249
コマユバチとヒメバチ=イモムシの背に卵を産む
卵は濃縮されたウイルス(ポリドナウイルスの一種)で包まれている
ウイルスはハチには無害、イモムシの免疫系を抑制して殺す

P288
「同様に、日本では病気のときに人前でマスクをつける習慣があるが、これも病原性微生物の拡散を抑えるだろう」
→外国ではしないの?


 
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category: 感染症

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今週のまとめ  

 昨日・今日とちょっと暖かい一日です。
クリスマスが近づいてきて、年末はやることが多いですね。
暖かいと身体が動きやすくて、ちょっとはかどります。

 さて、今週はちょっと雑誌が多くなりました。
 「ダ・ヴィンチ」は時々読むのですが、ちょっとフィクションよりすぎて、
僕にはしっくり来ないことが多いのです。
 今週のヒットは、「ぢべたぐらし」。
「とりぱん」が好きでまだ未読の方、ぜひお読みください。


ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方
 
ダ・ヴィンチ 2013年 01月号
 
MONOQLO (モノクロ) 2013年 01月号
 
日経ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 12月号
 
ちょっと知りたい雑草学
 
ぢべたぐらし あひるの生活
 
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category: 雑記:今週のまとめ

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ぢべたぐらし あひるの生活 〔春夏編〕〔秋冬編〕  

ぢべたぐらし あひるの生活
マツダユカ
【あひるキュート度】★★★★★


ぢべたぐらし あひるの生活 〔春夏編〕ぢべたぐらし あひるの生活 〔春夏編〕
(2012/06/20)
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(2012/11/20)
マツダ ユカ

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ダ・ヴィンチ 2013年1月号」で紹介されており、速攻で入手。

野鳥マンガとしては「とりぱん」が有名であり、こちらも全巻持っている。
ただ最近の「とりぱん」は、「東北暮らし」という側面もあり、100%野鳥マンガではない(ただ、それが良いという感じもする)。

一方本書は、完全な鳥マンガである。人間は出てこず、舞台もフィクションの場所。
いろんな種類の鳥が描きたいというのもあり、北方種も南方種も一緒に出てくる。
だから、本書で野鳥のウンチクが得られる、ということは全くない。

主人公は、あひる。
あひるが、様々な野鳥と出会い、えーと、何か色々ある。
海に行ったり山に行ったりもする。

フィクションであるのだが、
野鳥好きから見ても、
「ああ、この種はこんな感じだよな」というツボは、ぴったりとはまっている感がある。
純粋に「おとぎばなし」として面白い。ブラックユーモアもあるし、せつなさもある。

短時間で読めるし、「何か面白いマンガないかな」と物色している方に特におすすめする。

また、「春夏編」・「秋冬編」どちらもフルカラーである。
絵のタッチもとてもキュートなのだが、それに加えて、
とても優しい色合いである。原色そのまま、というのが少ない。
だから、見ていてとても心和む。

なのに、上巻である「春夏編」は、紙質がやや悪いせいか、色が沈んでいる。
一方で、下巻である「秋冬編」はコート紙であり、とても美しい。
できれば版元には、上巻もコート紙で出してほしいものだ。
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category: 野鳥

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ちょっと知りたい雑草学  

ちょっと知りたい雑草学
日本雑草学会
【興味をそそられる度】★★☆☆

ちょっと知りたい雑草学ちょっと知りたい雑草学
(2011/09)
日本雑草学会

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「雑草」に関する、複数の著者による本。
雑草の調査方法から始まり、
外来種や帰化植物との関係や、雑草と作物の関係など。
単なる「防除のしかた」だけでなく、雑草がどのように有用か、
という観点もある。
P45、規制緩和が外来種の増加の原因のひとつであること、
P58、コムギの改良に雑草が関与していたこと、
P80、雑草と作物を比較すると、多くは雑草の方がより効率的な光合成メカニズムをもっていること、
などを新しく知った。

手軽な本であり、軽く読むには最適である。
ただしどうしても寄せ集め的な印象は否めない。1,900円という価格はちょっと高すぎるだろう。

なお、後半に防除剤メーカーの方の章がある。
個人個人の考え方があるのだが、
どうしても「防除剤は安全なのだ」という主張のための文章となっていると感じた。
メモにも入れているが、
天然物質の比較表において、天然物質中最強毒から記載するのはフェアではないだろう。




【目次】
第1章 雑草のくらし
第2章 雑草から学ぶ自然のしくみ
第3章 雑草をコントロールする
終章 座談・雑草との共存を目指して

【メモ】
P40
弥生時代の稲栽培や、作物導入に伴い帰化した植物
=「史前帰化植物」前川文夫,1943
 カナムグラ、イヌタデなど。


P45
昭和~平成にかけて
家畜飼料の穀類が大量に輸入され、規制緩和に伴い直接飼育現場に持ち込まれるようになった。
=混入種子が糞に混じり、畑に撒き散らされる事例が増大。畑に新参雑草が大繁殖。

P58
コムギ
1960-70年代、水や肥料をたくさん与えても大きくなりすぎず倒れることがなく、高い収量を上げる品種が開発される
この品種によるコムギ増産=人口の急増に対応=「緑の革命」
品種改良にかかわったノーマン・ボーローグ博士は、ノーベル平和賞を受賞。
この「大きくなりすぎない性質」は、日本のコムギ在来品種の遺伝子によね

P60
1万年ほど前に、
二粒系コムギ(一つの小穂に穎果を二粒つける)+タルホコムギ(雑草)
=コムギ(普通系コムギまたはパンコムギ)
この系統を明らかにしたのは、木原均博士

P80
水田の雑草 タイヌビエは、イネよりも成長が早い。
イネはC3(3は小さく下に書く)植物(C3型の光合成 カルビン・ベンソン回路のみ)
タイヌビエはC4植物(カルビン・ベンソン回路とC4回路)

C4植物の方が二酸化炭素の取り込み能力が高い
ex)夏の晴天時
C3植物:光の最大値の20~30%で光合成が頭打ちになる
C4植物:50~100%まで光を利用できる
作物の多く=C3植物、トウモロコシやサトウキビはC4植物

P108*
天然物質と除草剤成分の比較表(LD50)
天然物質 ボツリヌス毒素、テトロドトキシン、ニコチン、カプサイシン、カフェイン、食塩
除草剤成分 アラクロール、アトラジン、ベンスルフロンメチル、グリホサート

意見:数値はともかくとして、比較表にボツリヌス毒素、テトロドトキシなどの最強毒を記載して、
天然物質にも危険なものがある、と示すのは意図的なミスリードではないか。
また、ニコチン・カプサイシンや食塩も「摂りすぎると毒になる」から、天然だから安全という穂毛ではない、という論理になっている。しかし、ニコチンはもとより、食塩を体重50kgで150g一度に摂取するのはありえない。この章の筆者も「まずいないでしょうが」と書いている。その通り、天然物質は致命的な量まで摂ることはまずない。
しかし除草剤は、不適切な使用により大量に残ることはありうる。
また、化学成分が複合的に作用した場合の影響もありうる。
筆者は本章で、「天然物だから安心とはいえない」とまとめている。
その先には「だから人工物である除草剤のみ心配して、むやみに天然物に頼るのはおかしい」
「だから人工物である除草剤も使用してよい」という方向にもっていく感じがある。

しかし、「天然物の安心性」と「人工的化合物の安心性」は、全く別の話である。
表に現れている通り、筆者はことさらに天然物の潜在的な危険性を上げているが、
それにつられて、安易に「人工的化合物」の方が安心だ、と思わないようにしたい。
「天然物」の安心性が減れば、「人工的化合物」の安心性が高まるというものでもないことには注意しておきたい。


P139*
「第3章にも書きましたように、販売されているほとんどの除草剤は劇物でも毒物でもない普通物で、動物に対しては食塩と同程度の毒性しかありません。また、環境中の生物、とくに魚類や甲殻類、藻類といった水生生物に対しては、環境中の予測濃度が毒性値を上回ることのないように使用方法が定められ、それに違反して使用した場合には逮捕を含む厳しい罰則を受けるしくみになっています。」

意見:農業従事者は守るだろうが、家庭菜園でそこまで守るかどうか。また家庭菜園から流れ込む水路・池などはどうなのか。安易な使用によって適量を超え、自己消費した場合、その過程の子どもから影響がでかねない。そうした危険性を除草剤は持っているのであり、その点、天然物(特に食品)とは全く異なる。
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category: 植物

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日経ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 12月号 [雑誌]  

日経ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 12月号


日経ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 12月号 [雑誌]日経ビジネス Associe (アソシエ) 2012年 12月号 [雑誌]
(2012/11/09)
不明

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整理術と手帳術は、本誌の定番である。

今号では、プロフェッショナルや達人の整理術、という紹介であったが、
正直、どこかで見たような方法が多い。
日常的に整理・整頓の技術や、効率化の方法を気にかけている人には、
やや物足りないと思われる。

ただ、昔に比較して、
「できるだけ捨てていく」という方向が端々に見られた。
これは最近の片付け術の影響だろう。

あと何の偶然か、
今号では特集以外でも、名刺の整理を取り上げた記事が多かった。
名刺の整理に悩んでいる人には良いかもしれない。

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category: 情報誌

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MONOQLO (モノクロ) 2013年 01月号 [雑誌]  

MONOQLO (モノクロ) 2013年 01月号



MONOQLO (モノクロ) 2013年 01月号 [雑誌]MONOQLO (モノクロ) 2013年 01月号 [雑誌]
(2012/11/19)
不明

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本誌も定例的な総括号である。
「ベストバイ オブ・ザ・イヤー」と題して、様々なジャンルのベストバイが並ぶ。

とは言え、今号で改めて比較・選出したのではなく、
年間の各号で選出したベストバイを並べたものである。
だから、定期的に購読していない人には、コストパフォーマンスが高いだろう。

使い方としては、とりあえず本書で「ベストバイ」とされている商品をについて、
そのメリットが、自分にとってのメリットに一致しているかどうかを確認することになる。
本誌は広告がなく真に中立的だ、ということを売りにしており、
その心意気は買うが、
本誌の価値観が自分にあっているかどうかは別の話である。

ただ、取り上げられている商品は多岐に渡るので、手元にあれば便利である。
「あれ欲しいな」と思ったとき、とりあえず良い一品がわかれば、
自分の選択がしやすくなるだろう。


さて、今号オリジナルの比較記事は、はやりのタブレット。
パソコン誌とは異なり、ややおおざっぱな比較記事である。本当に細かく比較したい人は、
別の雑誌を買うほうが無難だろう。

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category: 情報誌

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ダ・ヴィンチ 2013年 01月号 [雑誌]  

ダ・ヴィンチ 2013年 01月号


ダ・ヴィンチ 2013年 01月号 [雑誌]ダ・ヴィンチ 2013年 01月号 [雑誌]
(2012/12/06)
不明

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年末になると、月刊誌は総集編やベスト特集となる。
年間を通して買うより、このときに買うほうが、情報の密度は高い。
もちろん反比例して鮮度は低くなるが、良いものは鮮度など関係ないはずである。

ということで、本誌の特集はBOOK OF THE YEAR 2012。
良い本を見つけたく、入手した。

しかし何ですな、
本誌の志向は基本的にフィクションである。
ノンフィクションは弱く、あってもルポ系がほとんどで、
知識系は相手にしていないようである。

まあ知識系は、読者の知識量と興味の度合いによって面白さが変わるので、評価は難しいだろう。
それにしても、生物、歴史、数学、医学等など、おおまかな括りでも
ジャンル別ノンフィクションもとりあげてほしかった。

その点で、残念賞である。

なお、僕がとりあえず気になったのは2冊。

○「ぢべたぐらし あひるの生活」マツダユカ
ぢべたぐらし あひるの生活 〔春夏編〕ぢべたぐらし あひるの生活 〔春夏編〕
(2012/06/20)
マツダユカ

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アマゾン限定特典付 ぢべたぐらし あひるの生活 〔秋冬編〕アマゾン限定特典付 ぢべたぐらし あひるの生活 〔秋冬編〕
(2012/11/20)
マツダ ユカ

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 アヒルを主人公とした鳥マンガである。
「とりぱん」が有名どころだが、
・人間が一切でない
・世界はフィクションである
という点が異なる。早速購入して読了したので、後で紹介したい。おもしろかった!

○ 「楽園のカンヴァス」原田マハ
楽園のカンヴァス楽園のカンヴァス
(2012/01/20)
原田 マハ

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画家アンリ・ルソー の名作「夢」と瓜二つの絵をめぐる物語、らしい。
入手はしていないが、いつか読むでしょう。
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category: 情報誌

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方  

ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方
宇高 寛子、田中 寛
【ナメクジの繁殖にびっくり度】★★★☆

ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方ナメクジ―おもしろ生態とかしこい防ぎ方
(2010/06)
宇高 寛子、田中 寛 他

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ナメクジ嫌いな人すみません。
でも、「ナメクジの言い分」でちょっと興味がわいたところに、
本書を発見してしまったので。

本書では、チャコウラナメクジの生態を調査した結果である前半部と、
本当に効果的な防除対策は何か、具体的な試験を繰り返した結果の後半部とになる。
なお、P18ではキイロナメクジの最終確認例が1963年とされているが、
ナメクジの言い分」では、最終の目撃情報として、
・1982年11月、香川県観音寺市大野原町の矢野重文氏の観察を最後に目撃されていない。
とある。
ある外来種が日本から消え去ったという興味深い事例であるだけに、
20年近い差があるのはちょっと問題である。
本当はどうなんだろうか。
また、本当にキイロナメクジはいなくなったのだろうか。

さて、前半部ではチャコウラナメクジの繁殖時期(冬から春)と、
産卵数・孵化数などのデータが示されている。
なかなかナメクジを根絶するのは難しいということがわかる。

しかし、そのままではいけないので、後半部、様々な防除製品を用いた
効果測定がなされている。論理的に組み立てられた試験の結果に基づく話であり、
ナメクジに悩む人には参考になるだろう。
ビールトラップは効果があるように見えるけど、実際は役に立たない、
というのをデータで示しているのも有益である。

それにしても、ナメクジの世界は奥が深い。

【メモ】
P18 キイロナメクジと断定されている個体 1963年、山口県(狩野,1996)

P35 飼育下のチャコウラナメクジの最初の産卵 11/2、最後の産卵5/15
  産卵数=11月、12月、2月下旬~4月中旬に多い
この実験では60匹の個体から計16,796個の卵、孵化したのは6,285個、
平均 産卵数約300個/匹、孵化100個/匹


P63 特定地域の特定種の個体数の算出方法=除去法
例)池の魚
 第1回目の捕獲数 a
第2回目の捕獲数 a2  累積捕獲数 a+a2
第2回目の捕獲数 a3 累積捕獲数 a+a2+a3
これを繰り返し、グラフに示す。
縦軸:各回の捕獲数
横軸:累積捕獲数

すると、右肩下がりの回帰直線が描ける。
この線とx軸の交点が、推定生息数

※前提:調査期間中の繁殖、死亡、移入、移出がないこと
 →この影響がないような調査地を選定することも大事

P73
 ナメクジ防除剤:マイキール=メタアルデヒド剤
薬液がかかった動物の遺体は全て「メタアルデヒド剤に化ける」
ナメクジが出会う確率が高くなり、防除率が高くなる

→それだけに問題があるのではないか?


P86
 ピールトラップ=実験の結果、3mも5mも離れたナメクジを誘引する力はない。
実際のナメクジの生息密度は高く、ビールトラップで捕れていても、
実際に効果が出るほど捕獲できていない。
費用対効果も低い。

P103
 サポニン:溶血作用があり、魚毒性が高い
数年前、「椿油粕がジャンボタニシに効く」という記事があったが、
魚毒性が強いこと、農薬取締法からみても違法。
ここから、
→ ジャンボタニシに効くなら、ナメクジにも効くのでは
→ サザンカ油粕の性質は、椿油粕に近い
→ ナメクジ用のサザンカ油粕を成分とする「ナメ逃げ」が作られた。
しかし実験の結果、防除効果は低い。
しかも、サポニンが川や池に流れ込むと、魚が死ぬおそれもある。
(注意書きにも書いている。)

・ナメクジ防除剤は、ある程度とれる(成果が見える)方が効果が高いように見えるが、
 それがそこに生息するナメクジ全体の生息数を減らすほど効いているかは別。

P107
庭などでは、1gのナメキールをしかけたトラップ(紙やサランラップの上に置く)を設置し、誘殺数が3匹以上の場合、防除する。
※誤飲・誤食に注意!
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category: 軟体動物

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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今週のまとめ  

北海道等での爆弾低気圧、東北の地震など、
年の瀬が押し迫っていますが、大変な方々も多いことと思います。
残念ながら僕には何もできないのですが、
少しでも多くの方が、落ち着いた年末を迎えられるようお祈りしております。

さて先日、高松市の中央公園で、シジュウカラが「ツツピー」とさえずっていました。
「さえずり」とは繁殖期のための鳴き声であり、本来は春なわけです。
ただホオジロのように、秋季にさえずることで縄張りを確保したり、
カワラヒワのように秋季のペアになる種もいますので、
「秋だから『さえずり』ではない」、とは言えません。
僕の知らない理由があるのです。

とはいえ、

 あらゆる生物にとって、夕暮れは悲しく、夜は危険に見ている。
 だから、朝になって恐怖がすぎ去り、闇が消えうせ、小さな薮までが日に照らされてあかるくなったときは、幸福に満ちている。
 そして鳥は、その喜びを、全ての生物に代わって歌い上げている。
 すなわち、「鳥は、自然全体に代って、朝の讃歌と昼の祝祷とをうたう。」

とした、ジュール・ミシュレ(「博物誌 鳥 (ちくま学芸文庫)」,いつか紹介しましょう。)の考えを、僕はとりたい。
やはり冬の寒い日々の中、ふと暖かい朝を迎えたよろこびが、そさえずりになっているのではないか。
野鳥を擬人化するのは研究面からはアウトですが、個人的にそう感じるのは、許されることでしょう。


さて、今週読んだのは、以下のとおり。
「ドールズ・ハウス」は、美しい写真が満載で、じっくり楽しめる一冊。
「化石から生命の謎を解く」は、テーマがちょっと広がりすぎですが、興味深い章が含まれています。

新・環境倫理学のすすめ
文明の星時間
ドールズハウス―ミニチュア世界の扉を開く
謎解き フェルメール
化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで




-------------------------------
今週のSong
-------------------------------
「A te」 Jovanotti

http://www.youtube.com/watch?v=KXK5XawBXbs
※リンク先はYOUTUBEです。

昔、NHKのイタリア語講座で、イタリアの音楽を紹介するコーナーがありました。
(ジローラモと板谷由夏さんの頃。)

BISCA 99POSSEとJovanottiが紹介され、いや、イタリアの音楽っていいなあ、と実感しました。

そこからYOUTUBEで探していて、出会ったのがこの一曲。
洋楽といえば英語ばかりですが、ぜひ一度聴いてみて下さい。
とっても素敵なラブ・ソングです。

なお、当時紹介された曲で、記憶にあるのは下記のとおりです。
全部YOUTUBEで視聴できるはずです。もし探している方がいれば、ご参考まで。

BISCA 99POSSE  「Scetateve Guagliù」
883 「Una canzone d'amore」※エンディング
Jovanotti  「L'ombelico del mondo」、「Serenata Rap」、「Tanto Tanto Tanto」


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category: 雑記:今週のまとめ

thread: 日記 - janre: 日記

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化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで (朝日選書)  

化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで
化石研究会
【わくわく度】★★★☆

化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで (朝日選書)化石から生命の謎を解く 恐竜から分子まで (朝日選書)
(2011/04/08)
化石研究会

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化石学、というか古生物学に関する研究手法は日進月歩で、様々な「常識」が覆されている。
立っているときの姿勢もそうだが、現在は小型恐竜に羽毛があったという見解が多く、
最近の復元図ではそのように描かれていることも多い。
では、どのような研究手法で、そうした新発見がなされるかというと、
化石を「化石」というカテゴリー内で研究するのではなく、現生生物と同様の視点からの研究が、新しい地平を開いているようだ。

本書の著者は「化石研究会」。耳慣れないグループだが、
次のような研究者の集まりという。

p4 
・現生の生物と同じような手法で化石を調べる→「古生物学の近代化」
 「化石研究会」は、「古生物学の近代化」を掲げている。

そして本書は、様々な研究者が、自らのテーマについて解説した小論の集合である。
章によっては、(その小論内では)全く化石と関係ない、というのも含まれる。

僕としては、
カイギュウ類が小型→大型化した経緯(第1章1)、
メタセコイアの識別に関する話(第1章2)、
紫外線の増減と生物の絶滅との関係(第3章15)、が興味深かった。

メタセコイアについては「メタセコイア」である程度知ってはいたが、
識別の内容については本書の方が詳しい。葉の付き方(対生か互生か)が、
セコイア・メタセコイア・ヌマスギでは、種子の鱗の付き方にも一致している、という、
植物の識別に関する新しい「見方」を得られたのは収穫である。

また、第3章15では、昼行性動物と夜行性動物のビタミンD生成メカニズムの違いから、紫外性量の影響を示し、隕石落下による紫外線量の減少が、昼行性動物であった恐竜の絶滅につながった、という説を示す。
隕石落下だけでは、なぜ(一部は鳥類として残ったといえ)恐竜だけが絶滅し、哺乳類や一部の爬虫類等が生き残ったのかよくわからない。
そのメカニズムをビタミンD生成システムという面から解き明かす、かなり説得力のある説と感じた。

【目次】
第1章 同定から復元へ
1 「人魚」の化石-「人魚」が海牛へ姿を変えたわけ
2 生きている化石メタセコイア
3 ベールを脱ぎ始めた深海ザメ化石
4 フライドチキンで骨学を
5 絶滅動物の復元法
6 形態的特徴と遺伝情報で探る生物の類縁関係
第2章 生活を復元する
7 世界最小の肉食恐竜モノニクス類の謎に迫る
8 ミクロの化石-有孔虫の化石から過去の環境を知る
9 ナウマンゾウは津軽海峡を泳いで渡ったか
10 深海生クモヒトデの古生態
11 恐竜の足跡から生態を復元する
12 古病理学への招待-貝の化石に残る病変から古代生物の苦闘の跡を読みとく
第3章 起源と進化を探る
13 歯の起源をさらにさかのぼる
14 生きている化石で探る魚の歯の進化
15 恐竜の絶滅-光の世界の破綻
16 顔の成り立ち
第4章 ミクロの世界
17 真珠貝の謎-石灰化のメカニズムを解く
18 細胞の判断-細胞にも意思がある
19 動物がつくる鉱物-「生体アパタイト」とは?
20 分子化石が語る生命と地球の歴史

【メモ】

P39
・植物の葉、互生は1節に葉が1枚つくが、枝のまわりに一定の角度でずれながらついている。葉がついている部分をたどると「らせん配列」になっている。「らせん配列」の葉のずれ方は、フィボナッチ数になっている。
 フィボナッチ数=0、1、1、2、3、5、8… Fn+2=Fn+Fn+1
ex)アラカシ
 5枚目に同じ位置に葉がつき、その間にらせんは2回転している。
 →2/5葉序。フィボナッチ数=2/(2+3)

P41
メタセコイア等=種子はウロコ模様。

ヌマスギ  葉=互生(らせん配列)、球果のウロコ模様=斜めに並ぶ=らせん配列
セコイア  葉=互生(らせん配列)、球果のウロコ模様=斜めに並ぶ=らせん配列
メタセコイア 葉=十字対生がねじれた対生、球果のウロコ模様=十字対生

P48
・植物化石の種類
圧縮化石=植物体がそのままに近い状態で残っている
印象化石=植物体が消失し、痕跡しか残っていない
鉱化化石=植物体が珪酸や炭酸カルシウムで置き換えられた化石 珪化木など

P53
・三木博士が、化石だけでメタセコイアが落葉性と指摘した根拠
「メタセコイアの化石の枝の長さは一定で、枝の先端に芽がない」
セコイアのような常緑樹は秋に枝先に、冬を越し翌年に伸びる芽(越冬芽)をつける。
このため、枝は1年ごとに段をつくる。
メタセコイアにはこれがない。

P146
ナウマンゾウ 温帯の落葉広葉樹林の森に棲む。
マンモス   寒冷な地域の草原に棲む。
北海道は、両者の分布において、南限・北限だったたため、気候変化によってナウマンゾウとマンモスが入れ替わっている。

P170
四足動物の足跡における「内輪差」
大型恐竜など重心が後ろよりの動物=前足で舵取り=カーブでは、後ろ足が前足の内側を通る。
ゾウなど重心がやや前よりのの動物=後ろ足で舵取り=カーブでは、前足が後ろ足の内側を通る。

P190
サメの皮膚=トゲ状のウロコ(楯鱗)、これが口の中に広がり、大きくなったものが歯


P212
・あえて対候性能を下げて、紫外線の透過性をよくしたビニールシートが、イチゴやナス栽培で使用されている。=受粉昆虫(ハチなど)は紫外線を利用するため、紫外線を除去すると、活動の妨げになる。

P215
爬虫類、鳥類、哺乳類の多くは、ビタミンD3の生成を陽光中の紫外線に依存している。
ex)ヒトの表皮:プロビタミンD3(7-デヒドロコレストロール)が250μg/g
 プロビタミンD3+UVB(B域の紫外線、波長280~315nmの電磁波)+一連の熱異性化反応=ビタミンD3
ビタミンD3=カルシウムやリンの吸収、骨形成に重要な働き。

一方、紫外線は有害なので、体表のメラミン色素で遮る防御機構もあり、微妙なバランスが保たれている。
∴アフリカやインド亜大陸のヒト→シカゴやロンドンなどの高緯度地方では、紫外線を遮る方が強く、ビタミンD3欠乏症(クル病)が多く起きている。

日中に活動する昼行性の動物=紫外線を遮る防御機構が強い。
夜行性=紫外線に依存しないビタミンD生成システムを持っている
岩の隙間、密林、水中=わずかな紫外線でビタミンDを生成する

→紫外線の減少は、昼行性の動物にダメージを与える
→「紫外線減少イベント」は、地球の歴史上何度も発生した。

古第三期のどこかで発生した「紫外線減少イベント」で、昼行性の祖先的なサルの絶滅が生じ、これに代わって夜行性から昼行性へ進化したのが人類を含む旧世界ザルとリスザルなどの新世界ザル。

ビタミンDの過剰な蓄積は毒。
生成を紫外線に依存することは、適応的な意味がある。
昼行性の動物=紫外線依存型のビタミンD生成システムを持つ。

旧世界ザル→夜行性から昼行性になる段階で、紫外線依存型のビタミンD生成システムの復元に失敗し、爬虫類や鳥類、新世界ザルでは、抗クル病活性のないビタミンD2にも抗クル病活性を示すようになった。

恐竜:隕石落下による紫外線の減少により、ビタミンD3の生成ができなくなったのではないか。

P232
嗅覚:無脊椎動物にも備わっている原始的な感覚で、脊椎動物でも真っ先に鼻ができる。
水中では左右に離れ、どちらから臭いがくるか突き止めていた。
空気中では臭いは拡散するため、鼻がによる位置確認はできず、鼻は中央に寄る。
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category: 恐竜

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謎解き フェルメール (とんぼの本)  

謎解き フェルメール

林 頼子、朽木 ゆり子 他
【良かった度】★★☆☆

謎解き フェルメール (とんぼの本)謎解き フェルメール (とんぼの本)
(2003/06)
小林 頼子、朽木 ゆり子 他

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「謎解き」とあるので、どんな謎が解かれるのかと思って読んだが、
一般的な入門書+アルファという感じであった。

筆者は、フェルメールがカメラ前身である、レンズを通して実物を投影するカメラ・オブスキュラを利用したか否か、という点について否定的である。

しかし紹介された再現図と実際の絵を比較すると、僕としては使ってない、とも言い切れないと感じた。
ただ、そのままではない。
カメラ・オブスキュラを使いつつ、その上に絵画的修正を加えているのではないか、と思ったのだが、
まあ根拠のない感想である。

正直なところ、「なぜフェルメールに多くの人が魅かれるのか?」というのが、僕にとっての最大の謎であり、それは解けなかった。
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category: 美術

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ドールズハウス―ミニチュア世界の扉を開く  

ドールズハウス―ミニチュア世界の扉を開く
新美 康明
【ためいきが出る度】★★★☆




ちょっと前に、NHK「美の壷」で、ドールハウスを取り上げていた。
モッツ・コレクションの様々なドールハウスが紹介され、奥深い世界だなと感銘を受けた。

本書は、フルカラーでドールハウスの歴史、様々なドールハウス、また作家を紹介する、日本におけるドールハウス総合入門書というべき一冊である。

著者は、縁あって世界の二大コレクションであるモッツ・コレクションと、ヴィヴィアン・グリーンコレクションの一部を入手している。極東の島国にこれらが流れてきたのはアメリカ・イギリスにとっては損失だろうが、日本としては、やはり実物を見られることに勝る学びはない。ありがたいことである。

いつか手に入れたい、というのは無理だが、
こういう世界が存在する、ということを知っておくのは、人生にちょっとした滋味を与えてくれるような気がする。


【メモ】
p34
・記録に残る最古のドールハウス=1558年、ドイツの地方国家であるバイエルン王国の侯爵あるブレヒト5世が愛娘のために作ったもの(ミュンヘンの大火で消失)。
・現存する最古のドールハウス=1611年作といわれているもの。
ドイツの隣国オランダでも、ドールハウスが作られていたという。
なぜ16cや17cにオランダやドイツでドールハウスが作られるようになったかは不明。

・オランダ:優秀な技術を持つキャビネットメーカーが製作→キャビネット型ドールハウス(開き戸)。

・1686-1705年に作られた、P・オルトマン夫人の注文によるドールハウス=キッチンの磁器は、中国や日本で作らせたもの。(日本=鎖国下)
 1716年に、ロシアのピョートル大帝が気に入って購入しようとしたが、あまりに高額だったためキャンセルしたほど。

P42
・イギリスの発展に伴い、ドールハウスも移入。
・「メアリー女王のドールハウス」1921-1924年、1,500人のアーティストが関与。
1/12というスケールが確立。
・イギリス型ドールハウス=前面の壁も作成する。

P58-
・世界の2大コレクション
1:ヴィヴィアン・グリーンコレクション(イギリス)
2:モッツ・ミニチュアコレクション(アメリカ)
20世紀末に、どちらも維持できなくなりオークションにかけられた。

著者は、両コレクションのうちのいくつかを入手。
ex)モッツ
・デモイン・バンガロー
・モッツ雑貨店

p164-
日本の名工たち
・美しいミニチュア・ポーセリン (長島みゆき)
・森につながる木工家具 (青木實)
・風呂桶製作のかたわら10分の1の世界に (三浦宏)
・音色が聞こえるミニチュア楽器 (吉田和則)
・手編みの技術をミニチュアで表現する (普入みあき)
・'いのち'あるものを作る (木村浩之・美海きょうこ)
・名建築の構造美をミニチュアで表現 (小林孝心)
・小さな小さな野生動物を作る (高梨匠)
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category: 趣味

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文明の星時間  

文明の星時間

茂木 健一郎
【落ち着きがある度】★★☆☆

文明の星時間文明の星時間
(2010/03/06)
茂木 健一郎

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茂木健一郎氏の随筆集の一冊である。

あまり脳科学と直結していないテーマも多く、茂木氏のファンでなければ、さらっと読み流す程度かと思う。ただテーマは低俗な世界とは縁がなく、文章もそれなりにこなれていて、ゆとりある時間に楽しむには良い一冊である。

なお、中に「鼻行類」の一冊に、茂木氏が騙された、という話があった。
僕も高校生か大学の頃にこの一冊を入手し、「さすがに嘘だろう」と思いつつ、しばらく釈然としなかった経験がある。茂木氏の経験に納得であった。

【メモ】
p156 「鼻行類と先生」
日高敏隆

p172
「人間は面白いもので、認識において学ぶことができないことを、行動を通して習得することができる。」
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category: エッセイ

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新・環境倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)  

新・環境倫理学のすすめ
加藤尚武
【勉強になる度】★★☆☆

新・環境倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)新・環境倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)
(2005/09)
加藤 尚武

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 加藤尚武「環境倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)」の続編である。
 前著は「世代間倫理」などの柱となる理論があり、これを中心としてわりとグローバルな視点からの検討がなされ、非常に参考になった。
 一方本書は、「京都議定書」や「持続可能性」「石油問題」など、個々の問題について個々具体的に検討するものである。よって、各テーマの専門的分野について、著者の射程範囲が異なるため、ものによってはちょっと引っかかる部分もある。しかしそうした事を含めて、各問題について検討できるよい機会が得られる。
 しかしながら、加藤氏が実際の生物学・生態学に詳しくないためか、途中ちょっと引っかかる箇所もあった。
 例えば下記である。

P71*
「生態系の評価基準を、一定の地域内の生物種の数が多い(種の多様性)、生物間の相互依存性が豊かである(相互関係の豊かさ)、珍しい動植物が生き残っている(希少生物の生存機会)、動物・植物の物質代謝量が多い(量の豊かさ)というような指標によって定めて、「より優れた生態」の概略を定めることは、可能なのではないだろうか。」

 私見であるが、それぞれの地域にはそれぞれ長い歴史がある。現在の環境だけでなく、長い歴史的時間(それこそ地球がかたちづくられて以降すべての歴史的時間)における変遷の結果、今その場所の環境が成立しており、そしてその環境にあうべく、長い歴史をかけて成立したのが現在の生態系である。
 すなわち、いかなる場所であれ、その地点固有の生態系が存在し、それは他地点とは代替することができない固有の価値をもつ。
 あらゆる地点の「異なり」こそが多様性である。
 例えば砂漠の生態系と熱帯雨林の生態系を比較すると、
①種の多様性
②相互関係の豊かさ
③希少生物の生存機会
④量の豊かさ
のいずれにおいても、熱帯雨林が優位であろう。
とすると著者の意見にそえば、熱帯雨林こそ「より優れた生態」である、と評価される。
仮に砂漠と熱帯雨林のいずれか一方しか保全できないとなれば、熱帯雨林を選択する、となってしまう。
しかし、これは現在通用している多様性の観点からすれば、誤りであろう。
砂漠には砂漠の生態系があり、また熱帯雨林には熱帯雨林の生態系がある。
日本国内の限定的な地域にしても、海岸、湖沼、草原、森林、それぞれに固有の生態系がある。
これに著者のいう「評価基準」を適用することはできない。

また多様性には、生態系の多様性のみならず、種の多様性、個体の多様性、遺伝子の多様性等様々な視点がある。

著者の応用倫理学の視点は確かに多くの蒙を啓いてくれるが、現在の生物学・生態学的知識が反映されていない部分に及んだとき、ちょっと納得しかねる箇所があった。

 それでも、一読しておく価値はあると思われる。ただしもし前著「環境倫理学のすすめ (丸善ライブラリー)」を未読であれば、まずそちらを読まれたい。そちらは間違いなく、思考のベースとなるものである。


【メモ】

P23
「『成長か持続可能性か』という選択の可能性はない。成長を続けていれば、必ず持続不可能という自体に到達するのだから、『成長から持続可能性へ何時自覚的に転換するか』という選択の余地があるだけである。」

P36
「高学歴化は、エコロジカル・フットプリントが大きくなるという結果を引き起こす。」
(ある劇における女性検察官役の主張について)
「人口が増加すればエネルギー消費量も増加する。出生数が減ればエネルギー消費量が減る」という一見、自明な前提に基づいているのだが、実は「出生数を減らすためには高学歴化によってエネルギー消費量を増やさなくてはならない」という因果関係を見落としている。」

P49
(エネルギーの消費効率が高くなる速度の方が、エネルギー資源の枯渇よりも早い、という主張に対して)
「これらの理論が気休めに過ぎないということは、エネルギー消費効率が高くなっても、一向にエネルギー消費の総量が減っていないという事実をみればすぐに分かる。しかも、残存の石油うまい増量が減れば減るほど、技術開発によってエネルギー消費効率がよくなるという相関関係が成立しているわれではない。」

P50
「持続可能性の基礎的な設計構造の中に技術予測を参入してよいか。この問題の根底には、技術予測は原理的に可能なのかという問いが含まれている。」

P51『「原理の発見とその応用例の開発の時間差は短縮される」という法則が存在するとしたら、核融合の制御技術はその影響力において最大の例外となるだろう。』


P134
・1990年代のルアンダ 人口14%のツチ族が85%のフツ族を支配。
 言語は共通、結婚も可能、成功したフツ族はツチ族になれ、ガス抜き装置のついた差別構造。
 ベルギーが植民地化したとき、1993-94に国勢調査を行い、身体的特徴で民族を固定した身分証明書を交付した。

P155
・市場経済が有効に機能していないところで政府が営利活動を行なわせても、それに伴うリスクに国民は耐えられない。
市場経済が有効に機能するためには、リスク負担の制度が整備されていなければならない。

P160
・石油価格の上昇に伴い、コストがかかる新たな化石燃料もエネルギーとなりうるが、その価格に耐えられる国の数は限られている。

P165
・「何もしない」ということはリスク=0ではなく、何もしないことによって生じるリスクとコストが発生する。

P199
・ベトナム戦争中、米軍機は敵の潜む森林が復活しないように、枯葉剤による枯死のあと、焼き払い、ブルドーザーによる表土の削り取り、除草困難な雑草(アメリカン・グラス)を撒いた。




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category: 環境

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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今週のまとめ  

昨日は午後から冷たい雨。冷え込んできました。
今週はミヤマガラスの群にも出会え、ちょっと野鳥観察欲が満たされました。
(昨日はサーバーメンテナンスで投稿できませんでした。)

さて、今週は以下の4冊を読了。
もう少し読めるかな、と思っていましたが、昼休みが2回消滅したこと、
あと「暗号解読」がかなり厚かったことで、ちょっと進みませんでした。
でもこの本、知的興奮度は十分です。

となりの席は外国人
パラダイス・ロスト
暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
戦争倫理学

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今週のSong
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The Doors - Break on Through (To the Other Side)
リンク先はYOUTUBEです。

http://www.youtube.com/watch?v=cJQwnAhXnBk

60-70年代のアメリカン・ロックで欠かせないグループが、
The Doors。
ジム・モリソンの独特のヴォーカル、ジャズやクラッシックの味わいもある
レイ・マンザレクの曲。
初めてこのアルバムを聴いたのは高校生の時でしたが、
こんな曲が20年以上前に存在していたことに衝撃を受けました。
まさに、日常の世界から、突き抜けるテーマ曲。
突き抜けた先に何があるのかはわからないけど、
突き抜けられずにはいられない、不安といらだちと期待。
そんな雰囲気の曲です。

収録されたアルバムは、ドアーズの最初のアルバム。
有名な「ハートに火をつけて」(村上春樹氏のいうように、
「ハートに火をつけろ」という感じですが)も収録されています。
ドアーズの魅力がぎっしり詰まった1枚です。

このアルバムを聴くのは夜。
悩み多き時に、ぴったりです。

ハートに火をつけてハートに火をつけて
(2005/08/24)
ドアーズ

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category: 雑記:今週のまとめ

thread: 日記 - janre: 日記

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戦争倫理学  

戦争倫理学
加藤 尚武
【考える足腰を鍛える度】★★★☆


戦争倫理学 (ちくま新書)戦争倫理学 (ちくま新書)
(2003/01)
加藤 尚武

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 加藤尚武は、「環境倫理学のすすめ」を読んだことがある。
 本書も応用倫理学という分野になるようだが、現実の諸問題に対し、倫理学という立場から「考える足場」を明確に整理してくれるのは、自らの思考を深めるためにも非常にありがたい。自分の狭い視野だてげなく、例えば「環境倫理学」では「世代間倫理」という新たな視点を教えられることで、様々な問題についてそれこそ応用できる視点が得られた。
 
 本書は、「戦争」の「倫理学」である。この組み合わせは本書以外に見たことがなく、かなり衝撃的なタイトルであった。
 著者は、「戦争倫理学」とは、次のようなものと説明している。

P08「もしもあなたが突然、戦争に巻き込まれ、兵士として戦場に参加することを余儀なくされたら、正気を失うことに慣れる以外に、生きることが不可能であることを知るだろう。
 世界中の「世論」が、戦争に向かって走り出したときに、踏みとどまって、世界が狂気に陥っており、自分こそが正気であると言えるために、私たちは自分自身の位置を正確に測定できるような、羅針盤を持たなくてはならない。それが『戦争倫理学』である。」

 著者の視点や立場に対しては、異論を抱くこともあるかもしれない。
 しかし、「戦争倫理学」という一貫性の元に著者が展開する主張に対して、冷静に自らの立場から検討を重ねていくことは決して無益ではない。
 国家間または対国家への戦争ないし武力行為が頻発する現状では、冷静な議論こそ必要なものである。そのために、まず本書で思考の枠組み、土台をしっかりと作っておきたい。

 私としては、かっては存在した「正義の戦争」という枠組みは「過去のもの」と感じる現状が、倫理的な検討・変化の結果ではなく、兵器の開発と兵器使用の「慣れ」という「戦争技術の変化」によっ生じたものであるということを明確に教えてくれた点だけでも、本書を読む価値があったと感じている。


【目次】
第1章 戦争に関する正気とは何か
第2章 戦争の二種類のルール-戦争目的規制(jus ad bellum)と戦闘経過規制(jus in bello)
第3章 連続テロに対する報復戦争は正当か-私の第一の反戦メイル
第4章 国家という猫には誰も鈴をつけられない-トーマス・モアの処刑とグローティウスの戦争論
第5章 アメリカの良心は「ヒロシマ」に「ノー」と言った-ロールズの原爆投下批判
第6章 ゲルニカを忘れないで-私の第二の反戦メイル
第7章 鉛の兵隊さんはどうして美しい制服を着ているのか-傭兵軍から国民軍への転換
第8章 カントの「永久平和論」
第9章 人は共和国のために命を捧げる-ヘーゲルの考えた国家と戦争の関係
第10章 戦争をした日本は有罪か-「東京裁判史観」と東京裁判の問題点
第11章 不戦条約のパラドックス-すべての戦争は違法である
第12章 「集団的自衛権」は自己矛盾か
第13章 ガンマンの正義-相手の先制攻撃を見てから撃つ
第14章 日本国憲法九条の問題点-読んで分からない憲法は変えるべきだ   
第15章 平和は消極的な状態か
エピローグ 私の第三の反戦メイル


【メモ】

P028
「戦争目的規制(jus ad bellum)と戦闘経過規制(jus in bello)という言葉は、戦争倫理学のもっもと基本的な枠組みである。」
・戦争目的規制=開戦条件規制、戦闘経過規制=戦時中規制
・「戦争目的について完全に自由であると主張する学説(無差別主義)はあるが、戦闘経過について略奪も強姦も虐殺も認められるとする学説は存在しない。」


P37
戦争目的規制(開戦条件規制jus ad bellum)のおおまかな分類
・絶対的平和主義 … 自衛権を放棄し、いかなる軍事行動も行なうべきでない
・戦争限定主義 … すでに起こっている戦火を静めるための軍事行動だけは認める
・無差別主義 … 戦争は主権国家の固有の権利

P40
第一次世界大戦&第二次世界大戦=無差別主義
戦争への反省→厳しい限定主義=国連憲章第二条四項


P73
「テロリストが無差別殺人をしたとき、空爆によって、テロリストを客人として扱うタリバンの支配下にあるアフガニスタン国民を無差別殺人に処することは、報復でもないし正義でもない。「報復」ではないのは、アフガニスタン国民は加害者ではないからである。「正義」でないのは、「無差別殺人は不正である」という共通の原則が守られていないからである。」
「ゲルニカに(略)無差別爆撃が行なわれたとき(1937)、(略)アメリカ合衆国フーバーは「非戦闘員の殺傷が不正であること」を再確認する書簡を発表した。
「しかし、アメリカが第二次世界大戦に参戦(1941)し、日本に対する空爆が有効な手段と見なされる段階になると「非戦闘員の殺傷が不正であること」という原則は事実上無視された。しかし、「現存する戦闘行為を停止させる不可欠の手段」として正当化された。
「もしも、テロリスト攻撃への報復という理由でアフガニスタンで空爆がなされるとしたら、もはや「現存する戦闘行為を停止させる不可欠の手段」という意味を持つことはない。」
以上、(「ゲルニカを忘れないで」2001年9月24日)

P76
「第二次世界大戦の終わり頃には戦争当事者の双方が非戦闘員の殺傷を当然視するという結果になっていた。戦争の初期段階では、非戦闘員の殺傷を回避することが「正義の戦争」のための不可欠の条件だとみなされていたということ自体が、ほとんど忘れ去られようとしていた。」

P85
「戦争の形態が歴史的に変化してきて、空爆が戦術の基本となるような時代に「非戦闘員の殺傷の禁止」を唱えることはアナクロニズムだという判断ほど、恐ろしい『慣れ』はない。」



 
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category: 戦争

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暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで  

暗号解読―ロゼッタストーンから量子暗号まで
サイモン・シン
【充実度】★★★★




 暗号。昔から魅かれるものがある。単純にオトコのロマンなのかもしれない。
 ただ世界の所学問から考えれば、人間が用いる暗号とは、完全に人間の知識の上にのみ成立するものである。
 言い換えれば、人間が言葉を操り、知識を伝達するからこそ発生した技術である。

 その発達過程については諸本出ていて、他の本を読んだこともあるのだが、直近の「量子暗号」まで言及しているというので本書を手に取った。

 アタリである。

 かなり分厚い本だが、それはシーザー暗号、ヴィジュネル暗号、エニグマ、RSA暗号から量子暗号まで、様々な暗号についてその暗号史と解読史だけでなく、エピソードや理論、具体例まで細かく記載しているからである。またビール暗号のような魅力的なエピソード、ヒエログリフと線文字Bという古代文字の解読も取り上げる。

 エニグマについてはメカニズムと理論を図解とともに細かく説明しており、はじめてこの機械が悪魔の機械とまでいわれる由縁(複雑さ)を実感することができた。

 また、RSA暗号についても分かりやすく解説されており、どのような歴史的要請と探索によって、この暗号が発明されたのか、なぜこの暗号が現在は解読不可能なのか、そしてなぜ量子コンピューターが実用化されれば解読されるのか、という諸疑問について、一定知識を得ることができた。
 
 ハードカバーでは500頁近い大著だが、非常に楽しい本である。
 本書は「暗号作成者」と「暗号解読者」に分けて整理することで、見事な暗号史を綴り上げている。この分野に興味がある方や、スパイ小説が好きな人は必読だろう。


【メモ】
P124「ビール暗号」1885年、アメリカ、トマス.J.ビールが残した財宝の場所を示した暗号文書をまとめた小冊子

P247
第二次世界大戦中、イギリスの暗号解読斑、「デイリー・テレグラフ」にクロスワードパズル掲載、12分以内に解ける者、→25人が回答→6人が後に暗号解読者として採用

P250
「庭仕事(ガーデニング)」、暗号を解読するための手がかりを得るために機雷を敷設する作業

P277
古代エジプト/
ヒエログリフ=3千年以上使用、394年に最後の使用、
デモティック=450年に最後の使用

キリスト教の普及、協会がエジプトの異信仰を断つべく、エジプト文字の使用を禁止
代用=コプト文字、ギリシャ語アルファベット24文字に6つのデモティック文字を追加したもの
コプト文字が圧倒的に普及し、ヒエログリフ、デモティック、ヒエロティックを読めなくなった。
11世紀、コプト語とコプト文字はアラビア語とその文字に代わり、完全に断絶する。


◎暗号鍵の受け渡しが問題
→基本的に暗号は、鍵による双方向関数
→一方向関数による暗号の探索、

P347
ex)一方向関数=モジュラー算術(時計算)

P358
◎暗号化と複合化で同じ鍵を使う=対称鍵
→暗号化と複合化で別の鍵を使う=非対称鍵

Aは公開鍵と個人鍵を持つ。
Bは、Aの公開鍵によって、暗号化した文書xを作る。
Aは、文書xを個人鍵によって複合する。
個人鍵→公開鍵は、一方向関数。よって公開鍵から、個人鍵を探索することはできない。

→この原理による現在の暗号=RSA暗号
(R=ロナルド・リヴェスト、S=アディ・シャミア、A=レナード・アルドマン)

素数 p、素数 q を選ぶ。
p×q=N、 Nが公開鍵となる。
Nが十分な桁数を持っていれば、現在は効率的(現実的)な素因数分解の近道はないため、
Nからpとqを導きくことは困難。
 ※十分な桁数=重要な銀行取引なら、10^308桁。

P372-
イギリスのジェイムズ・エリスらは、RSA暗号の原理を既に導き出していた。
ただしイギリス軍部での成果だったため、公表されていなかった。


P410
RSA暗号の安全性は、鍵のサイズ(桁数)にかかる。
アメリカでは鍵のサイズは制限されていない。
しかし暗号技術は軍事技術として輸出制限がかかるため、アメリカ国外の暗号は短い鍵しか扱えない(でも実用には十分)。
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category: 暗号

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

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パラダイス・ロスト  

パラダイス・ロスト
柳 広司
【楽しめ度】★★★☆

パラダイス・ロストパラダイス・ロスト
(2012/03/24)
柳 広司

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 「ジョーカー・ゲーム」、「ダブル・ジョーカー」に続くシリーズ第三作。

 第二次世界大戦前後の日本におけるスパイ組織「D機関」が中心とした短編集である。

 本巻では、D機関の組織員の話だけでなく、D機関の中心人物である結城少佐の正体を探ろうとするイギリスのスパイの話、またドイツの暗号機「エニグマ」が絡む、前・後編の作品もある。

 よって収録作品は5編あるが、実質は4作。
 ・誤算
 ・失楽園
 ・追跡
 ・暗号名ケルベロス(前・後編)
 
 どの話もじっくり楽しめる、良質のエスピオナージュである。

 なお、「暗号名ケルベロス」では、ドイツの暗号機「エニグマ」、イギリス情報部がドイツ暗号を解読するため、わざとある行為を行なう作戦「庭仕事(ガーデニング)」、また同情報部が暗号解読員スカウトのために、クロスワードパズルを新聞に掲載したというエピソードが取り上げられる。

 たまたま同時に、「暗号解読」(サイモン・シン)を入手しており、本作の後にこれを読んだ。
 すると、エニグマの理論、メカニズム、解読の歴史があり、非常に参考になっただけでなく、
 「庭仕事(ガーデニング)」と「クロスワード」のエピソードが(細部は異なるが)現実にあったことである、ということを知ることができた。
 これをふまえて本作を読み直すと、うまく虚構化したな、と感じることしきりであった。
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category: 冒険小説

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となりの席は外国人  

となりの席は外国人
あらた 真琴
【気楽に楽しめる度】★★☆☆


となりの席は外国人となりの席は外国人
(2012/04/02)
あらた 真琴

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 古本屋で入手。はやりの実話エッセイ漫画である。
 それなりに面白かったが、外国人だから、というエピソードと、
 単に現在の小学生なら、こんな事しでかしかねないな、というエピソードが混在している。
 後者についてはちょっと安易に笑い飛ばせず、うーん、
 私は「上質なフィクション」の「笑い」の方が好きだな、と再認識した。
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category: 漫画

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