ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

ネコと亀のいる癒しの日々。「亀のひみつ」  

亀のひみつ
田中美穂



我が家の近くは、ありがたいことに未整備の畦道が残る田圃と池が多い。
写真は、側溝から出られずに延々と進んでいたミシシッピ。
20150520_カメ
このように、身近に生きものを楽しめるのは良いのだが、物事にはやはり限度がある。

夏場の夜。道路は、カエルとカメのパラダイスと化す。
ヘッドライトに照らされた無数のカエルと、いい場所(まさにタイヤが通るところ)で固まっているカメ。
どんな無理ゲーかというような障害物競争である。
我が家はできるかぎり避けて走っているのだが、明かりも少ない田舎道、そのくせ通勤車は多いので、
特に雨上がりの夜明けには車に轢かれたカメとカエルが点々とある。本当にいやんである。

歩き回るのはクサガメが多く、池でぷかんと浮かんでいるのはミシシッピアカミミガメが多い印象だ。
何でカメは道を渡ろうとするのか。その先に何があるというのか。
そういや道端の畑で卵を産んでいるミシシッピアカミミガメも見たことがあるが、産卵場所を求めているのだろうか。

さて、本書は「苔とあるく」(レビューはこちら)の著者によるもの。
コケとカメ。面白い嗜好の方である。ぜひお友達になりたい。
で、本書は「うちのカメ」とのタイトルどおり、イシガメ等々を自宅で飼育している経験を踏まえた、思いつく限りのカメ読本である。

自宅内を徘徊するカメの行動といった話から、生物としてのカメの紹介(種類別紹介や生態・能力等)、
そして実際にカメを飼育する際の注意点と、これ一冊でカメが飼いたくなってしまうつくりである。
オールカラーというのが、また良い。

飼育中のカメは冬眠しない(させない)場合もあるとか、家でカメが卵を産んじゃうとか(その孵化のさせ方も収録)、
水替えの方法、エサなど具体的な情報も満載。

カメを飼うことに興味がない方でも、フィールドでカメに出会うことは多い。
本書はそうした時に、カメをより身近な生きものとして理解する手助けとなるだろう。

本書から派生する読み物としては、「カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)」(レビューはこちら)がある。生物としてのカメ、特にその進化史を知りたいならお勧め。

また、「うちのカメ―オサムシの先生カメと暮らす」は、いつか読みたいと思っている本。
それにしても自宅内でカメを放し飼いにするって、すごい。





レビューはこちら


▼同著者によるもの。レビューはこちら
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category: 爬虫類

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ニホンヤモリ夜な夜な観察記  

ニホンヤモリ夜な夜な観察記
鈴木欣司,鈴木悦子



夏の夜と言えば、ヤモリである。
ヤモリ2014
小さいし、眼もくりっとしているので、愛着もある。
寝る前に住居に侵入しているのを発見した時には大変であるが。

僕は漠然と同じ個体だろうなと思って放置していたのだが、いやはやヤモリの奥深さと、定点観察の面白さを本書に教えられた。

著者らは様々な場所で自然観察を行ってきたが、「身近な生きものも大事だ」と、自宅庭で定点観察を開始する。
ところが2012年の夏、ふと庭先のヤマザクラの樹にヤモリを見つけたことから、「ヤモリが樹に?」と疑問を持った。

本書は、その一夏の記録をまとめたもの。しかし、驚きが満載であった。

まずこれは全く僕の勉強不足なのだが、ニホンヤモリは雌雄の識別が可能なのだった。
成体(12cm前後)なら尾の付け根部分の膨らみの有無で判断できるらしい。

また、この膨らみの側面には、左右に2~3個、「側肛疣」(そっこうゆう)という黄白色のイボがある。
亜成体の頃から見られるが、数は一定せず、大きさも不揃い。ただ、雌の側肛疣は小さいとのこと。

そして、この雌雄識別と側肛疣、あとは色彩により、本書では個体識別を行って観察しているのだ。
これは面白い。
野生動物を観察するうえで、どこまで他個体と分離できるか、というのがある。性・齢や行動により個体識別が可能になれば、「見えるもの」は格段に増加する。

その結果、本書では12個体を識別。
そして、個体同士の争いや、行動を見ていく。

ニホンヤモリが尾を8の字に振り回す行動(本書では12枚の連続写真を掲載)など、実際の観察者ならではの話もある。
その他、ガ類を始め他の生物についても鮮明な写真も多く、ヤモリを中心とした夜の世界の広がりを見せてくれる。

全ページカラー、「身近な生きものをじっくり観察したい」という方にとって、庭先でもここまで可能という見本のような本である。ヤモリが苦手でない方は、ぜひ一度ご覧いただきたい。

ちなみに冒頭に掲げた我が家のヤモリ、気軽に撮影していたためサイズが分からないのだが、もし成体だとすれば雌であろう。
おお、生きものスキルが上がったぞ。

【目次】
はじめに
ヤモリについて
ヤモリ観察日記
ヤモリの体の特徴
脱皮
コラム1 ヤモリは車に居候
コラム2 しっぽ切りは防御法なの?
コラム3 ヤモリも外来動物なの?
付録 爬虫類図録
参考文献
掲載種類一覧
おわりに
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水棲ガメ (爬虫・両生類パーフェクトガイド)  

水棲ガメ (爬虫・両生類パーフェクトガイド)
海老沼 剛



カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)」(レビューはこちら)でカメの進化史を知ったら、現生カメ類を見たくなった。そこで本書。

本書は世界の水棲カメ類のうち、特にペットとして流通する種を中心にした図鑑。

個人的には、野生動物(特に輸入してまで)のペット化は良くは思っていない。
しかし現実にニーズがあり、現行制度のもとでは問題が無い。
本書でもカメが長寿命であること、大型化する種があることから、飼育者への注意を促している。
後は、飼う人間の問題だろう。

それはさておき、ペットとして流通している「功」の面として、
これだけの種(マイナーなのも多い)の写真を、美しい写真で確認できるのは嬉しい。
本書では最新の分類にも触れており、また巻末には水棲ガメの全リストも収録され、図鑑としても価値がある。

しかし、カメって美しい。
バラエティに富む甲羅の模様と形は、まさに進化の妙。

また日本の丸っぽい、地味なカメになじんだ眼には、
トゲヤマガメのように甲羅の外縁が棘のようになっていたり、
セタカガメの仲間のように甲羅中央(キール)が高くなっていたり、
クジャクガメの仲間のように複雑な模様の甲羅を見ると、驚いてしまう。

その一方、カクレガメのように長らくペット市場でのみ確認され、正確な産地が伏せられていたものがいることを知ると、カメが世界的に「野生動物」というよりは、まだ「ペット」として価値があるのだなあと思い知らされる。

本書の趣旨とは異なり申し訳ないが、僕は野生個体を捕獲し、さらに輸入してまで飼育することはお勧めしない。
だが本書は、カメの魅力を伝えるものとしては最適だる
ぜひカメに興味の無い方に見ていただき、この世界に、これほど様々な美しいカメがいることを知ってほしい。知ることが、保護に繋がるだろう。
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ワニと恐竜の共存: 巨大ワニと恐竜の世界  

ワニと恐竜の共存: 巨大ワニと恐竜の世界
小林 快次



カメ(「カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)」(レビューはこちら)」とくれば、ワニである。

ワニの進化史が知りたくなって、見つけたのが本書。

表紙だけ見ると子供向けのように思えるが、北海道大学博物館の平成25年度企画展示「巨大ワニと恐竜の世界-巨大爬虫類2億3千万年の攻防」をもとに作成したもの。
ワニの分岐図、様々な化石写真など、通常は目にすることができない貴重な資料が満載である。

なぜ恐竜が絶滅し、ヘビ、カメ、ワニが生き残ったのか。
恐竜が世界のどこかに生き残っていることを夢見た少年の頃から抱いている疑問だ。
その疑問が解けることを願いつつ、本書を読んだ。

本書で驚いたのは、まずワニ類は恐竜と同一の祖先-主竜類から始まり、進化史上では、恐竜に先行してワニ類が多様化し、繁栄したことだ。

正確には、まず約2億5000万年前頃に主竜類が出現。
ここからワニ類に進化するクルロタルシ類(Crurotarsi)と恐竜へ進化するアヴェメタタルサリア類(Avemetatarsalia)に分岐する。
共に四足ながら、足が体の真下に伸びる直立歩行を行い、移動速度が速く、エネルギーロスが少ないという特徴を持つ。

ただ、クルロタルシ類は元々這い歩きを行う生物から進化しており、骨格的な違いから、スムーズな歩行はアヴェメタタルサリア類の方が得意だったようだ。

ただどういう理由か、進化史では先にクルロタルシ類が多様化に成功し、多くのニッチを占めた。
その結果、アヴェメタタルサリア類はクルロタルシ類が減少するまで多様化が抑えられた。
いわば、ワニ類が衰退した結果、恐竜の多様化が可能になったのである。


クルロタルシ類の多様化については、本書に様々な化石資料、復元図があり、楽しい。
例えば獣脚類恐竜と間違えるほど巨大化した、サウロスクス(Saurosuchus)。
ティラノサウルス類との収斂進化といった感じすらある。


本種は約2億4000万年前~約2億年前まで生息しており、恐竜は約2億3000万年前に出現したので、両社は共存・競争していた。
サウロスクスを含むラウイスクス類が絶滅してから、恐竜が巨大化する。

一方、植物食に進化したワニ形類もあったという。
例えばヤカレラニ(Yacarerani)はウサギのような門歯があり、集団で行動し、掘った穴に卵を産んでいたらしい。

こうした多様化が進むものの、総体的には恐竜類に圧迫され、ワニ類は水辺に進出し、そこを支配することになる。

化石資料では、1億5000万年前には扁平な頭、その上に位置する眼・鼻・耳、背中には鱗板骨という、
現生ワニとそっくりな種が出現している。
この後の進化は、水中で餌を加えていても呼吸できるよう、内鼻孔の位置が後退するバージョンアップ程度にすぎない。
「進化が止まった」と見がちだが、実は既にこの時代には「ワニ類の生活様式」、「ワニという生物の基本デザイン」は完成していたということだ。

そして白亜紀後期までに、ワニ目は、現生の科に元となるグループが全て出揃う。
下の◯印が、現在のワニのグループの元となる上科だ。


ワニ目 --- ◯インドガビアル上科
     ---  プレヴィロストレス類 --- ◯アリゲーター上科
                          --- ◯クロコダイル上科

また白亜紀後期には、全長12m、体重8.5tという巨大ワニ、デイノスクスも出現する。
恐竜に主役の座は譲ったとはいえ、ワニ類の生物としての完成度の高さを示していると思う。



そして、恐竜が絶滅したK-pg境界(白亜紀-古第三紀境界)。
恐竜は絶滅し、ワニ形類は生き延びた。
その理由として、ワニ形類が淡水生活だったという説もあるが、白亜紀後期から新生代にかけてワニ類は多様化し、完全陸棲のセベコスクスも、完全海棲のディロサウルス科も生き延びている。
また、現代型ワニ目も生き延びている。
ただ残念ながら本書でも、なぜワニ形類が生き延びたのか、その答えはまだ不明とのことだ。


だが、数億年前から現在に至るまでのワニの繁栄は、現在もその分布等を見ることでうかがえる。
現代のワニは、北緯35度以南、南緯33度以北に生息。
特に低い温度では生息できないが、南極大陸をのぞく世界全域に分布している。

これだけの範囲に生息していながら、現存種の属別の内訳は次の通り。


◯インドガビアル上科 1属1種(インドガビアル) 長い鼻先と細い歯

◯アリゲーター上科 4属8種  頭骨を上から見ると口先がU字型
 アリゲーター属   2種
 カイマン属     3種
 ムカシカイマン属  2種
 クロカイマン属   1種

◯クロコダイル上科 3属14種 頭骨を上から見ると高さの高い二等辺三角形や鼻先が長い。口先がV字型
 ワニ属       12種
 コビトワニ属    1種
 マレーガビアル属  1種

計、たった23種。これだけの種数で、世界の淡水域で食物連鎖の頂点をカバーしているのだから、
やはり生物としての完成度が優れているのだろう。


【目次】
古代ワニは私たちに何を語るか?

第I部 ワニの進化史

ワニと恐竜のわかれ道
ワニ類への道 クルロタルシ類
ワニ型類の起源
ワニとしての一歩 原顎類
ワニのチャレンジ(1) 陸上への進出
ワニのチャレンジ(2) 水中への進出
ワニのチャレンジ(3) サルコスクス
ワニがワニになった日 半水棲生活
現代型ワニの出現
現代型ワニの起源
恐竜時代の3つのワニ目
恐竜時代の巨大ワニ デイノスクス
恐竜絶滅とワニ
恐竜絶滅後のワニ目
トミストマ亜科 マチカネワニ
現在のワニ目

第II部 ワニ型類と恐竜類の争い
約2億3,000万年前の南米大陸 ワニ型類と恐竜類の誕生
約1億5,000万年前の北米大陸 現代型ワニの誕生と恐竜の巨大化
約1億年前のゴンドワナ大陸 ワニの巨大化と恐竜の繁栄
約7,000万年前の北米大陸 巨大ワニと巨大恐竜の闘い
現在 生き延びたワニ,姿を変えた恐竜

コラム(1) 三畳紀の世界を支配していたクルロタルシ類
コラム(2) ファソラスクス(ラウイスクス類)とティラノサウルスの頭骨
コラム(3) 哺乳類のような歯を持つノトスクス類の繁栄の理由
コラム(4) 完成度の高いデザイン
コラム(5) マチカネワニの謎
コラム(6) 恐竜絶滅の原因
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category: 爬虫類

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カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)   

カメのきた道―甲羅に秘められた2億年の生命進化 (NHKブックス)
平山 廉



我が家周辺には、ため池と田が散在している。
おかけで夏、夜に雨が降れば、道路にはカエル爆弾が溢れかえって大変である。
だいたいはアマガエル・トノサマガエル程度だが、時折りウシガエルが出現。
そして、トラクターが落とした土塊と思っていたら、いきなり動き出すのがカメである。
そのサイズ感。絶対に轢きたくないシロモノである。

また子供の頃、ため池でうどんを餌にフナを釣っていたら(今から思えば、餌が「うどん」っていうのも香川らしくて素敵である)、よくカメが釣れた。
ひっくり返してたらいつの間にか起き上がり、結構早く逃げたものだ。

しかし、全体としてはやはりカメは鈍くさい。
それなのに、なぜ恐竜が絶滅し、カメが生き残ったのか。不思議でならない。


本書は、そのカメの進化史を紐解く一冊。

まず、現生のカメ類についてすら、自分は全く知らないことに気づかされた。

現生種は大きく二種類に分類されること。
頭を真後ろに引っ込める潜頚類と、頭を横に倒し、甲羅の縁に隠す曲頚類。
映像等では何度も見ていたくせに、分類上の形質と認識していなかった。

また、現生種の特徴として、スッポン科も含めると、現生種約290種のうち1/3に相当する87種で、甲羅の可動性を獲得しているということ。特にスッポン科以外のほとんどの種類は、新第三紀の間に可動性を発達させており、進化の方向性として顕著らしい。

遥か古代のカメについては、もっと知らない。

そもそもカメは、ワニと同様、恐竜よりも早い時代から分化していた爬虫類であり、その祖先種は脚が真っ直ぐ下に伸び、四足で陸上を直立歩行していたらしい。
この体制は、歩くときに体を左右に波打たせない。
そのため体の柔軟性は失うものの、機動性に富んでいたようだ。

そしてこの「体の柔軟性がない」ということが、体に固い装甲を持つことを可能にした。
また筆者の見解では、体に柔軟性が無いからこそ、固い卵の殻を得るようになった。
なるほど体を左右に波打たせるトカゲやヘビでは、卵は軟らかい。
たかが卵の形質だけでも、進化上の意味が蓄積されているのだ。


この他本書では、カメの進化史を辿りながら、興味深い話題が続く。

著者が発見した世界最古のウミガメ類(1億1000万年前に生息)、サンタナケリスの研究から、ウミガメが海に進出する際、最初に起きた大きな変化は塩分濃度の調節のための涙腺の肥大化であり、体サイズや「鰭脚」の増大は二次的なものだったという話。

国立科学博物館にも展示されている巨大な古代カメ、アルケロン(アーケロン)の化石は、北米サウスダコタ州のごく一部の地域の白亜紀終わり(約7000万年前)の地層からしか見つかっていない。
しかも19世紀末に最初の化石が発見されてから、わずか5体しか知られていない(本書時点)ということ。

▼国立科学博物館のアーケロン
アーケロン2

白亜紀には汎世界的な分布を示すウミガメ類が見当たらず、新生代になって、ようやく現生種のように同一種が汎世界的な分布を示すが、その理由はまだ不明であること。

リクガメは遊泳能力は全くないに等しいが、肺の容積が大きいため浮力に優れており、長期の絶食にも耐え、真水の無い環境でも長期間生きられるほど水分を蓄える仕組みも持っている。
このため、長期漂流するという分布拡大の方法が可能になったということ。
絶海の孤島であるガラパゴスに、何でリクガメであるガラパゴスゾウガメがいるのか不思議だったのだが、何とアフリカから大西洋を漂流して南米に達し、更にガラパゴス諸島に漂着した個体の子孫がガラパゴスゾウガメだったのだ。ダイナミックかつ、何となくマヌケな話である。


また、日本に産出する化石カメについても詳しいが、
中でも中生代白亜紀後期(約8500万年~7000万年前)のオサガメ類、メソダーモケリスについて知ることができたのが、個人的に嬉しかった。

本書ては、メソダーモケリスは、アンモナイトも良く産出する北海道のほか、兵庫県淡路島や香川県の和泉層群でも発見されている、と記述されている。

香川県といえば、僕も化石に興味があって過去の文献を見ていたのだが、その中に塩江町のカメ化石の文献があった。

もしかしてと確認したところ、何と本書の著者が、その論文の著者の一人だった。
香川県高松市塩江町の上部白亜系和泉層群より産出したオサガメ科化石

香川県で発見されたのは、Mesodermochelys undulatus
円が閉じた、という感じである。こうした発見というか「納得」は、読書ならではの快感だ。


さて、冒頭の「なぜカメが生き残ったのか?」という疑問について。
本書では、ズバリという回答(仮説)は示されていない。

ただ、白亜紀末の大異変は、恐竜など大型爬虫類は滅ぼしたが、カメ、ワニ、トカゲなどの爬虫類、昆虫などの陸生の変温動物の多様性には影響を及ぼさなかったのではないか、という見方が提示されている。

巨大な隕石落下による気候変動という説は一般化してきているけれど、
まだまだ不明な点だらけである。それが楽しい。


【目次】
第1章 カメの体の驚異的な仕組み
第2章 多様な環境に進出したカメたち
第3章 謎だらけの起源
第4章 恐竜時代のカメたち―世界への大拡散
第5章 海ともう一つの世界へ―最古のウミガメの姿
第6章 甲羅を力に変えて―哺乳類時代のカメたち
第7章 迷惑な保護者
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