ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

「自分の旅」を楽しむヒント。「ニッポン旅みやげ」  

ニッポン旅みやげ
池内紀



著者はドイツ文学者。多くの訳書があるので、知らないうちにお世話になっていることも多いだろう。
だが本書はそうした文学話ではなく、
日本各地の旅の途中、ふと見つけた「話したくなるモノ」を積み上げた一冊。

40章で構成されているが、それはすなわち40の町の物語ということ。
それもガイドブックで語られるような名所旧跡ではなく、
その土地に生きる人々の記憶が刻み込まれたような建物等が紹介される。

視点としては、主に明治以降。

例えば三等郵便局や、「据置郵便貯金碑」。
ある店の床に残された鉤十字。
門構えにつけられた「誉之家」というプレート。
それぞれに、明治から昭和にかけて、日本の歩みが刻み込まれている。

これらを見つけた著者は、人々が何を思い、何を願ったのかに思いを馳せる。
著者と共に旅を楽しむようなつもりで、一日一章読むのもいいだろう。

一応アクセスも記載されているが、多く取り上げられているのは、小さな商店。
本書を手に訪ねるような人も少ないだろう。
むしろ本書を参考に、自身の旅を充実させていきたい。

それにしても、香川が無かったのが残念。
下記のうちに、ご自身の町があれば、ぜひ。

北海道・札幌市/宮城県・蔵王町平沢/神奈川県・横浜市/埼玉県・秩父市/長野県・軽井沢町
愛知県・有松/石川県・金沢市/京都府・中書島/兵庫県・福崎町/愛媛県・西条市/宮城県・石巻市
栃木県・黒磯/群馬県・桐生市/東京都・八王子市恩方/山梨県・長坂/新潟県・浦佐/奈良県・奈良市中
兵庫県・高砂市/山口県・下関市/鹿児島県・指宿/宮城県・白石市/茨城県・結城市/東京都・浅草・鷲神社
静岡県・静岡市丸子/山梨県・富士吉田市/愛知県・豊橋市/長野県・駒ヶ根市/滋賀県・水口町/三重県・関
北海道・名寄市/福島県・柳津/群馬県・川原湯/東京都・旧品川宿/山梨県・河口湖/長野県・須坂
新潟県・塩沢町/兵庫県・神戸市/鳥取県・若桜町/福岡県・香春町

【目次】
1 影法師たち
2 三等郵便局
3 祭礼指南
4 値切り方
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世界 伝説と不思議の物語  

世界 伝説と不思議の物語



こんな一瞬があるのか、と思うほど「絵にかいたように」美しいノイシュヴァンシュタイン城が表紙である。

世界各地の美しい風景・建築物は、近年テレビや書籍など様々な媒体で紹介されており、
多くの方の「人生の100のリスト」を見ていると、行きたい場所として良くウユニ塩湖が多い。
これも、メディアで良く流れるからだろう。

本書もその流れの一つ。ただ「不思議と驚き、逸話がつづる」と副題にあるものの、メッカやイースター島、モアイ像など歴史的にも有名な地も含んでおり、エピソード面ではそれほど新しい驚きはない。

しかし、収録された各地の美しい写真は、疲れた日々に、眼と心を休めるのに最適である。

本書に収録された地を、自分がいつか行くべき場所として「人生の100のリスト」に追加するのもいいと思う。


【目次】
第1章 遺跡と歴史の名所
第2章 伝説と逸話の名所
第3章 不思議と驚きの名所

▼「人生の100のリスト」っ何? という方は、この本を。レビューはこちら

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ファーブル昆虫記の旅  

ファーブル昆虫記の旅
奥本 大三郎、今森 光彦



7月、NHKの「100分de名著」で、「ファーブル昆虫記」が取り上げられた
僕は、ファーブル昆虫記をじっくり読んだことがないので、「さわりだけでも」と、この番組を見ていた。
そうして「ファーブル目」になっていたところ、、見つけたのが本書である。
取り上げられているエピソードは、このNHK番組で取り上げられた程度なので、内容的に密度が高い本ではない。

むしろ本書は、ファーブルが暮らしたフランスやコルシカの風景を、美しい写真で楽しむことを目的とすべきだろう。
今森氏の写真は、相変わらず優しい眼差しであり、気持ち良い。

ファーブル自身の人生は苦難に満ちていたとしても、この風景の中で昆虫を追い続け、
そして死後、こうして評価される人生というのは、やはり幸せだったのではないだろうか。

なお、本書後半は、奥本大三郎氏による本書撮影旅行時の紀行文である。
特にファーブル的に深いものではないが、
フランス等の郊外を旅する雰囲気が楽しく、読み物として楽しめる。

なお、ファーブル的な観察を読書で追体験するならば、
例えば「ファーブルが観た夢 地球生命の不思議な迷宮」をお勧めする(レビューはこちら)。

【目次】
南仏「昆虫記」の故郷
ファーブル博物館
「昆虫記」あれこれ
奥本大三郎、ファーブルの居た場所へ
南仏で出会った虫たち
今森光彦、南仏の風に誘われて
イヴ・ドゥランジュさんとファーブルを語る
虫の詩人の館ファーブル昆虫館



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すてきな地球の果て  

すてきな地球の果て
田邊 優貴子



本書は劇的な内容ではない。新しい知見が紹介されるわけでもない。
しかしながら、本書はアタリである。
装丁、内容、写真、どれをとっても「手元に置いておきたい一冊」と感じてやまない。
気持ち良い読書がしたいと思っている方は、ぜひ購入されたい。1,600円では安いくらいだ。


さて、著者は植物生理生態学者として、南極や北極でフィールドワークを行っている。
しかし本書は、その専門分野について詳しく語るわけではない。
本書は一人の人間が、
「感情や情熱を抑え込むことをやめてみよう。」と考えた結果、
憧れの極地をフィールドにできるようになった過程、その悩み、葛藤、喜びが綴られている。

つまり、旅の記録なのだ。

純粋だが骨太な、その情熱に支えられた極地への眼差しはとても優しくて、
本書の1/4程度を占めるカラー写真(著者が撮影したもの)は、
写真家によるものとは、また異なる美しさがある。
極地ならではの、「静謐さ」が閉じ込められているようですらある。

南極大陸への初めての一歩。
ユキドリやペンギンの生き様と、時折目にする厳然たる死。
キョクアジサシ。
アザラシ。
そしてオーロラ。

疲れたとき、旅に出たいときに、そのつど開きたくなるだろう。
久しぶりに品のある、上質な本であった。

【目次】
はじめに
第1章 僕が旅に出る理由
第2章 果てしない南極海の氷原で
第3章 ユキドリの舞う谷
第4章 音が融けだす世界
第5章 ラングホブデをあとにして
第6章 北緯79度の花畑
第7章 南極から北極まで旅する鳥
第8章 季節のありかを教えてくれるもの
第9章 水玉がはしゃぐ湖へ
第10章 南極の森
第11章 生と死の風景
12章 人間の時間と地球の時間
おわりに
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有川浩の高知案内  

有川浩の高知案内
有川 浩



香川からは近くてちょっとだけ遠い。
しかし一時期、年に数回は行く機会があって、
南国インター付近でからっと晴れ渡った空を見るのが好きだった。
香川県とは明らかに空気が異なる。

当時はまだ「ごっくん馬路村」は高知県外に売られてなかったと思う。

本書は、「図書館戦争シリーズ」や「県庁おもしてなし課」等で有名な作家・有川浩氏が、
郷土高知を案内するガイドブック。
地元民が地元を紹介するだけあって、一般のガイドブックとはちょっと異なるスポットも多く、
ぶらりと行ってみたい人は参考になるだろう。
僕も高知空港の飛行機が真下から見られるスポットには連れて行ってもらったことがあるが、
かなりの迫力だった。

なお本書の中では触れられていないが、
高知食品の「芋けんぴ」は絶品である。
南国市の国道55号沿いに店があるが、高知駅内で実演販売しているので、そこで買うのが簡単。
僕は他の芋けんぴよりもダントツだと思っている。
今年までは毎年1回は高知に行く機会があって、その度に2kgくらい買っていた。
でも家族4人では全然足りないのである。また食べたい。


【目次】
ルポ 有川浩と一泊二日
有川浩ミニインタビュー
映画『県庁おもてなし課』の高知案内
特別対談 錦戸亮×有川浩
有川浩オリジナル高知一泊二日プラン&豆情報
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