ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

クマムシ博士の「最強生物」学講座: 私が愛した生きものたち  

クマムシ博士の「最強生物」学講座: 私が愛した生きものたち
堀川 大樹



最強生物として有名なクマムシ。その研究者による本として期待である。
だが、クマムシそのものに関する話題は本書前半。
後半はその他の生存能力の突出した「最強生物」の紹介、奇妙な生物の紹介
色々な生物博士の紹介と、雑多な話題が続く。
本書は著者によるメルマガとブログの加筆修正なのであった。

よって内容は面白いものの、クマムシについて知りたいという純粋な方は別の本をお勧めする。
生物全般に興味がある方なら楽しめるだろう。

僕としては、クマムシはさておき(さておいて良いのか)、
メジロがノミガイという微小貝の分布拡大に関わっている、というのが面白かった。
野鳥屋の目線の読み方であり、クマムシとは何の関係もない。

関連ニュース:ナショナルジオグラフィック ニュース
鳥に食べられても生き延びるノミガイ



あと、フジツボ研究者の倉谷うらら氏の著書にも興味を持った。
全く本書の主旨から外れている。申し訳ないことしきりである。

【目次】
目次
はじめに
第1章 地上最強動物クマムシに敬礼
・「クマムシって何?」という奇特な方へ
・「わたしの放射線耐性力は57万レントゲンです」
・クマムシのエクストリームフレンドたち
・ついに乾いたミニ人間
・「サイヤ人死にかけ&復活実験」で覚醒したスーパー放射線耐性菌
・サイボーグ生命体の誕生を祝福する
第2章 クマムシミッション・ハイテンション
・クマムシ捕獲計画実行中
・クマムシ増殖祭り開催中
・クマムシさんを人類救済の切り札に
・超高校級と呼ばれたあるヤングサイエンティストの野望
第3章 暴かれた宇宙生命体の真実
・ヒ素で毒づく宇宙生物学界
・地球人と火星人は双子どうしかもしれない
・私たちは宇宙生まれ地球育ちかもしれない
・スクープ:納豆菌は宇宙生命体だった
・日本に大量増殖したミュータント人間とその原因
第4章 キモカワクリーチャー劇場アゲイン
・キモカワアニマルのキモカワ精子
・不老不死の怪物と地球脱出と
・出動! サイボーグゴキブリ
・クモの糸をはくカイコ
・生き物をゾンビにするパラサイトの華麗なる生活
第5章 博士生態学講座
・スーパー研究者たちの掟
・意識の高い博士の特徴
・理系研究室分類学
・理系的「ジョジョの奇妙な英語学習法」
・フジツボ貴婦人あらわる
・バッタに捕食されたい博士
第6章 ぼくたちみんな恋愛ing
・オタクと変態はモテる
・タイムトラベラーと肉体関係を持つのは危険
・悪魔を召還し、嫌がる相手と無理矢理交尾するオス
・うんこになって飛行移動するカタツムリ
・パラサイト男子とその彼を体内に宿した女子の愛の物語
あとがき

【メモ】
p69
「クマムシさん」キャラクター 一般への浸透と研究費獲得の方法

p118
動物の寿命は、産まれてから繁殖を開始するまでの時間の長さと比例関係にある。
長寿であるヒトの場合、繁殖可能になるのに10数年かかる。
ショウジョウバエは孵化から繁殖開始まで7日、寿命は1カ月ほど。
ヒドラは産まれて約10日弱で繁殖開始、予測される寿命は1-8カ月。しかし4年にわたって死亡個体が見られないため、この法則から大きく逸脱している。
また、動物は通常加齢により繁殖力が低下する。しかしヒドラは4年経過しても明確な低下がない。
よって、ヒドラは不死身であると考えられている。

p158
読んでみたい


p176
アメンボ
 オスはメスに求愛せず、いきなり交尾しようとする。
 メスをはなさないよう、触覚がメスに引っ掛かるよう進化。
 一方メスは、引っ掛かりにくいよう進化している。
 また、メスはオスから逃れるため、生殖器にシールドを持っている。
 しかしオスはメスの上にしがみつくと、水面を脚で叩き、天敵のマツモムシをおびき寄せる。 
 マツモムシは水面下から襲うため、襲われるのは雌。
 殺されてはいけないので、雌は生殖器のシールドを外して交尾する。

p178
ノミガイ 小さなカタツムリ 2.5mm
 本州南部、四国、九州、沖縄、小笠原諸島の母島にも分布。
東北大大学院性の和田慎一郎氏
「移動能力の低いノミガイが広域に分布するのは、メジロに食べられた後、生きたまま糞として散布されているのではないか」と仮説

実際にメジロはノミガイを食べている。
また実験的に食べさせると、全体の14.3%が生き残り、子どもを産んだものもあった。

母島では、距離による遺伝子の差はなかった。むしろメジロが多い地域ほど、DNAのバリエーションが多かった(様々な場所から運ばれている)。

 このエントリーをはてなブックマークに追加

category: 緩歩動物

thread: 読んだ本の紹介 - janre: 本・雑誌

tb: 0   cm: 0

中の人

アクセス

RSSリンクの表示

最新記事

カレンダー

アクセスランキング

月別アーカイブ

ブロとも申請フォーム