ちょっとヨクナレ ~読書と日記~

自然科学、歴史、ノンフィクション等の読書記録

書店員が本当に売りたかった本  

書店員が本当に売りたかった本
ジュンク堂書店新宿店

書店員が本当に売りたかった本書店員が本当に売りたかった本
(2012/07/11)
ジュンク堂書店新宿店

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ジュンク堂書店新宿店が閉店するに伴い開催されたフェアにおいて、
店内に掲げられた本のPOPを集めた本。

また、新宿店閉店記録でもあり、こうした本が成立することじたい驚きである。

それだけたぶん親しまれた書店なのだろうが、
そもそもこのような大規模チェーン型書店の進出によって、
多くの「町の本屋」が記録にも残らずに消滅している。

僕は、そういう大規模店の進出によって閉店した書店を間近で見ているし、
また、現実に父が経営していた本屋も消滅した。
(その後祖父が古本屋として再開した。)

そりゃ「愛着のある書店」が消えるのは悲しいが、
閉店した理由はテナントビルの都合によるものだし、
ちょっとセンチメンタルに騒ぎすぎではないかな、と感じるのはひがみである。

さて、POP。
誰かの書評や感想を知るのは、本選びの手段のひとつとして有益である。
けれど、
これが踊りまくっている本屋は何だか雑貨屋のようであり、
僕は節操がないように感じる。

本書では、閉店フェアとして「売りたい本」を紹介している。
ざーっと見て、本選びの参考にすることもできるだろう。
そういう目論見で僕も読んだのだが、
残念ながら読みたいな、と思ったものはなかった。
これは多分に、僕の対象カテゴリと合わなかっただけである。
だって生物科学はないんだもの。

下記に目次を引用しておくので、こういうジャンルが好きな人は
参考にされたい。

【目次】
第1章 ありがとう
 ―新宿店スタッフが感謝をこめてお客様におススメしたい一冊
 売り場担当より “ありがとう"がいっぱいです。(文芸書担当・村尾啓子)
第2章 本音を言えば、この芸術書が売りたかった!!
 売り場担当より 本音を言えばこの本を売りたかった!!(芸術書担当・松岡千恵)
第3章 わたしたち、本にはいつも片想い? ―書物に対する欲望と快楽、その時代的考察
 売り場担当より 最後のラブレター(児童書担当・兼森理恵)
第4章 さようなら新宿 ―社会科学担当者が本当に売りたかった本 
 売り場担当より 20年目にして分かった手描きポップの大変さ(社会科学書担当・伊藤美保子)
第5章 2012年3月31日 ―その日を忘れない
巻末特集 すべてのお客様に、ありがとう(新宿店元店員さん座談会)
あとがきにかえて(旧新宿店店長・毛利聡)
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サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る (新潮OH!文庫)  

サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る
日垣 隆、千石 正一 他
【良かった度】★★☆☆

サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る (新潮OH!文庫)サイエンス・サイトーク ウソの科学騙しの技術―科学の最前線に鋭く迫る (新潮OH!文庫)
(2000/12)
日垣 隆、千石 正一 他

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 本書は、「サイエンス・サイトーク」というタイトルでラジオで放送した対談内容に、放送ではカットした部分も加筆修正して文庫化したもの。内容は四章からなる。

第一講は特定のジャンルというより、科学は仮説の積み重ねに過ぎない、というテーマの対談。
第二講は、犯罪者の精神鑑定もしている中谷氏の知見を踏まえたものであり、具体的な事例も提示されており興味深い。
第三講は、今は亡き千石氏によるもの。動物の擬態を中心に、「騙す」という行為を語る。
第四講は予言、占い、ギャンブルを通じて、それらに「騙される」ことを語る。

 ラジオトークの文庫化ではあるものの、結構細かい点まで話されていて興味深い。
 本題とはずれるが、人間がよけいなエネルギーを浪費して、無駄な採取を行なうことについて、千石氏が「過剰な部分を貨幣に置き換えることができる」という指摘をしていた点に納得。
 なるほど、貨幣という抽象的価値に獲物を一時的に置き換え、それによって過去のエネルギー投資と現在のエネルギー投資が連結される。これには高度な言語活動と共通理解が必要であり、人間がいかに特殊な生物かと感じた。


第一講 科学はただの仮説である / 山梨大学・池田清彦
第二講 記憶は嘘をつく / 筑波大学・中谷陽二
第三講 これが動物の情報戦略だ / 自然環境研究センター・千石正一
第四講 信じる者は足すくわれる? / 信州大学・守一雄  


【メモ】
P52-53 池田氏
「転向した人というのは、転向しない人に比べて狂信的になるんだよね。」
「信じるということは、一種の快感だと思いますよ。」
「だから、相対性や自己懐疑っていうのを常に担保しておくことがとても大事になってくる。AからBに転向した後でも、いつかまたCになるかもしれないっていうことを、どっか頭のなかに留保しておく。さしあたって私はこれが正しいと思っているけれども、何か別のことが起きたときに自分の考えをいつでも変える準備がある、という姿勢があるかないか。これは科学者としての、仁義の問題だよね。」

P163-164 千石氏
「他の生き物だったら、自分が食べる以上には絶対捕まえたりしません。無駄ですからね。採取するためには自分のエネルギーを使って損するわけですから。ところが人というのは、過剰な部分を貨幣に置き換えることができるので、むやみやたらに捕ったり殺したりしても、それを蓄積できるんですね。その蓄積できるところが人間の場合、文明というものにつながっていったわけです。」

P174 日垣氏
「仮にですよ、もし仮にそういうアクシデントが本当に起こってしまったら、ああ、あの予言は当たっていたんだなあということになる。でも、死ぬまでそれが起きなくても、死の前日まではその可能性は残されているわけだから、この予言は絶対に外れない。」
「当たったときだけ、強く想起される、というのがまあ一般的な占いの実態だといえます。」



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新書がベスト (ベスト新書)  

新書がベスト
小飼 弾
【良かった度】★☆☆☆

新書がベスト (ベスト新書)新書がベスト (ベスト新書)
(2010/06/09)
小飼 弾

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 書評ブロガーとして有名な著者による、新書ガイド。

 ・片手で読める新書がベスト
 ・ハードカバーは装丁でごまかせる
 ・ハードカバーで気になるテーマがあれば、同様の新書がある
 ・本当に良い本はハードカバー以外の形態でも刊行される

等々から、著者は新書を数多く読むことが「生き残る」ためには新書を大量に、また様々なジャンルで読むことが必要と、と語る。

 その主張には一理あるが、そこに留まる。
 新書は出版社からすれば簡単に出せる形態なので、ダメ本や流行本を出す率も高いと思う。ある程度の読書習慣をつけるまでは、まあ新書か文庫に拘るのもいいかもしれない。
 しかし本に対する嗅覚ができれば、版型に関係なく、「読みたい本」を見出すことができる。その段階で、「新書じゃないから」「文庫になるまで」と保留するのは、本末転倒だろう。

 ハードカバーから文庫・新書になる段階で、カラー写真が除外される、または白黒になる、ということもある。逆に、そのタイムラグの間に著者が加筆訂正して、より良い本になることもある。そこをうまく選り分けるのは経験でしかない。正直なところ、「ハードカバーで読みたい」と思う本もある。
 
 また、数を多く読むのには新書が良いが、別にそんなことは、「本」にするほどのことでもない。

 貧乏だが大量に読みたい学生の頃には(今も同じだが)、選択の余地なく、新書・文庫・古本しか手を出せなかった。そういう時期的な必然もある。ハードカバーを買える財力があるなら、あえて形態で選択肢を狭める必要はないと思う。

 さて、PartⅢはレーベルごとの特徴を説明している。かなりマイナーなものもあり、本書の価値はこの章にあると思う。ただ、ある程度本を読んできていると、ああそうだな、と改めて感じる程度であり、実際にはやはり本棚かAmazonなどでタイトルを見て逡巡することになるだろう。

 ちなみに僕は、中公新書→岩波新書 → その他の新書 と本屋ではチェックする。自分の興味に合うレーベルがわかっていると、便利である。

【目次】

序章 生き残りたければ、新書を読め

PartⅠ 新書の買い方、読み方

PartⅡ 新書を10倍生かす方法
①タイトルから本の出来を測る
②ダメ本も味わう
③疑うことを楽しむ
④洗脳されずに自己啓発本を読む
⑤話題の本とは距離をおく
⑥ジュニア向け新書はこんなに楽しい
⑦複数の新書を同時に読む
⑧本で得た知識を活用する
⑨「超」整理法で本を整理する

PartⅢ 新書レーベルめった斬り!
 
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生協の白石さん 学びと成長 (一般書)  

生協の白石さん 学びと成長
白石昌則
【安らぐ度】★★★☆


生協の白石さん 学びと成長 (一般書)生協の白石さん 学びと成長 (一般書)
(2012/07/12)
白石昌則

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「生協の白石さん」の続編である。

 「世界でもっとも美しい10の物理方程式」に示されるような深遠なる知的活動も重要だが、白石さんのように温かみとウイットに富んだ回答ができる感性もまた、人間に必要なものだと痛感する。
 この本を読んで、ちょっと優しく、ユーモアのある応答を心がけたら、世界はちょっと居心地がよくなるかもしれない。

 などという理屈を述べるまでもなく、楽しめた。そういう本だよね。
 

 でも何となく、やっぱりキレは第1冊目の方があったかな。インパクト性かもしれないけど。
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